「北、平安南道一帯から弾道ミサイル1発発射・・・空中爆発」:3度目の正直はなかった、西海岸は危ない、自爆? (2017年4月29日 「聯合ニュース」)
29日、が『聯合ニュース』が、「北朝鮮が5時30分頃、平安南道プクチャン付近から弾道発射1発を発射したが、数秒後に空中爆発した模様」と伝えた。
『聯合ニュース』、「北, 평남 북창일대서 탄도미사일 1발 발사…공중폭발(3보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/04/29/0505000000AKR20170429011900014.HTML?template=2085
このところ、北朝鮮のミサイル発射が失敗することはしばしばあるが、普通は3回目ぐらいには成功させている。発射したミサイルの種類などは、いずれ米韓当局が推測を公表するであろうが、どんなミサイルであれ、失敗しすぎである。今回は、西海岸から発射しており、どちらの方向に向けての発射だったのかはまだ報じられていないが、黄海に向けての発射ということはしないはずなので、北朝鮮を横切る形で東に向けて発射したのであろう。これまで2回の失敗は、東海岸から日本海に向けての発射なので、仮に失敗しても海に落ちるだけであるが、今回は失敗すれば北朝鮮領内に落下するわけで、住民への被害が予測される。
それなのに、なぜ西海岸から発射したのか。そして、なぜ数秒で爆発したのか。カールビンソンが既に日本海いるとすれば、東海岸からの発射は危険すぎる。だから西海岸から発射したということはあるが、それでも順調に飛行して日本海に向かって飛んでいけば、カールビンソンを狙った発射と言われかねない。西海岸から黄海に向けて発射すれば、その先には中国がある訳で、いくら「汚い追従勢力」であっても、軍事力で中国を威嚇することはさすがにしないであろう。だとすると、西海岸の安全な場所からほぼ垂直に発射し、残骸が安全な場所に落ちるよう、敢えて自爆させたということは充分に考えられる。
北朝鮮としては、過去2回の失敗(これについては、過去記事で自爆説を書いたが)事例から、失敗すれば米国は鼻で笑うだけで怒らないことを知っており、今回もそれをやったのではないだろうか。
それで、その目的であるが、過去記事では、「北朝鮮のミサイルの性能の低さを敢えて演出したのではないか」と書いたが、そうだとしても、2回で充分だと思う。なので、今回は、日本海に展開しているカールビンソンや日本との合同演習への抗議、あるいは北朝鮮問題を話し合う国連安保理への威嚇などが考えられるが、今一つこれといったものがない。
失敗だから北朝鮮は黙っているだろうが、今後、米韓が新たな情報を出してくるはずである。
<追記>
『聯合ニュース』に続報が出た。「米国政府関係者は、発射されたミサイルはKN-17ではないかと推測」していると。また、韓国の合同参謀本部は、「ミサイルはプクチョン郡から49度の方向に発射され、高度71キロまで上昇、発射数分後に爆発」と発表しているという。
『聯合ニュース』、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/04/29/0505000000AKR20170429011953014.HTML?template=2085
Google Mapで飛行方向を見るとおもしろいことが分かる。このミサイル、どれほど正確に作図できたのかは分からないが、プクチャン郡(大体の位置)から49度方向に線を引いてみると、北朝鮮領内を飛び続け、さらに飛び続けると中露の地上国境を越えてロシア領内に入る。つまり、ロシア、例えばウラジオストックに向けてミサイルを発射したことになるのだが、ロシアに向けてミサイルを発射する理由は北朝鮮にはない。だとすると、そもそも北朝鮮領内上空で自爆させる目的で発射したのではないかという可能性が高まるがどうなのだろうか。

Source: Google Map

Source: Google Map
『産経新聞』に「北ミサイル 東京メトロが運転見合わせ 初の措置 車内に動揺、若い女性『こんな車内放送初めて』」という記事が出ていたが、何をどう判断して地下鉄を止めたのだろうか。どう考えても、交通機関の中では地下鉄の対ミサイル安全性は高いと思うのだが。政府の要請で想定されていた訓練でも行ったのであろうか。北方領土にもかすらない方向に発射されたミサイルだというのに。
『産経新聞』、「北ミサイル 東京メトロが運転見合わせ 初の措置 車内に動揺、若い女性『こんな車内放送初めて』」, https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170429-00000505-san-soci
『聯合ニュース』、「北, 평남 북창일대서 탄도미사일 1발 발사…공중폭발(3보)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/04/29/0505000000AKR20170429011900014.HTML?template=2085
このところ、北朝鮮のミサイル発射が失敗することはしばしばあるが、普通は3回目ぐらいには成功させている。発射したミサイルの種類などは、いずれ米韓当局が推測を公表するであろうが、どんなミサイルであれ、失敗しすぎである。今回は、西海岸から発射しており、どちらの方向に向けての発射だったのかはまだ報じられていないが、黄海に向けての発射ということはしないはずなので、北朝鮮を横切る形で東に向けて発射したのであろう。これまで2回の失敗は、東海岸から日本海に向けての発射なので、仮に失敗しても海に落ちるだけであるが、今回は失敗すれば北朝鮮領内に落下するわけで、住民への被害が予測される。
それなのに、なぜ西海岸から発射したのか。そして、なぜ数秒で爆発したのか。カールビンソンが既に日本海いるとすれば、東海岸からの発射は危険すぎる。だから西海岸から発射したということはあるが、それでも順調に飛行して日本海に向かって飛んでいけば、カールビンソンを狙った発射と言われかねない。西海岸から黄海に向けて発射すれば、その先には中国がある訳で、いくら「汚い追従勢力」であっても、軍事力で中国を威嚇することはさすがにしないであろう。だとすると、西海岸の安全な場所からほぼ垂直に発射し、残骸が安全な場所に落ちるよう、敢えて自爆させたということは充分に考えられる。
北朝鮮としては、過去2回の失敗(これについては、過去記事で自爆説を書いたが)事例から、失敗すれば米国は鼻で笑うだけで怒らないことを知っており、今回もそれをやったのではないだろうか。
それで、その目的であるが、過去記事では、「北朝鮮のミサイルの性能の低さを敢えて演出したのではないか」と書いたが、そうだとしても、2回で充分だと思う。なので、今回は、日本海に展開しているカールビンソンや日本との合同演習への抗議、あるいは北朝鮮問題を話し合う国連安保理への威嚇などが考えられるが、今一つこれといったものがない。
失敗だから北朝鮮は黙っているだろうが、今後、米韓が新たな情報を出してくるはずである。
<追記>
『聯合ニュース』に続報が出た。「米国政府関係者は、発射されたミサイルはKN-17ではないかと推測」していると。また、韓国の合同参謀本部は、「ミサイルはプクチョン郡から49度の方向に発射され、高度71キロまで上昇、発射数分後に爆発」と発表しているという。
『聯合ニュース』、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2017/04/29/0505000000AKR20170429011953014.HTML?template=2085
Google Mapで飛行方向を見るとおもしろいことが分かる。このミサイル、どれほど正確に作図できたのかは分からないが、プクチャン郡(大体の位置)から49度方向に線を引いてみると、北朝鮮領内を飛び続け、さらに飛び続けると中露の地上国境を越えてロシア領内に入る。つまり、ロシア、例えばウラジオストックに向けてミサイルを発射したことになるのだが、ロシアに向けてミサイルを発射する理由は北朝鮮にはない。だとすると、そもそも北朝鮮領内上空で自爆させる目的で発射したのではないかという可能性が高まるがどうなのだろうか。

Source: Google Map

Source: Google Map
『産経新聞』に「北ミサイル 東京メトロが運転見合わせ 初の措置 車内に動揺、若い女性『こんな車内放送初めて』」という記事が出ていたが、何をどう判断して地下鉄を止めたのだろうか。どう考えても、交通機関の中では地下鉄の対ミサイル安全性は高いと思うのだが。政府の要請で想定されていた訓練でも行ったのであろうか。北方領土にもかすらない方向に発射されたミサイルだというのに。
『産経新聞』、「北ミサイル 東京メトロが運転見合わせ 初の措置 車内に動揺、若い女性『こんな車内放送初めて』」, https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170429-00000505-san-soci