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    「干ばつによる被害さらに拡大」(2012年6月23日 「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」が干ばつ被害について、もう一つ記事を配信している。指導者の偉大さや韓国非難で類似した記事をいくつか配信することはよくあるが、北朝鮮の「窮状」をこれほど連続で訴えるのは異例である。その理由の一つは、前記事にも書いたように干ばつの被害が相当に拡大しており、国際社会に対して「暗」に援助を「強く」要請したいのと、金正恩政権の透明性の強調であろうか。

    前記事に出ていなかった内容を追加すると以下の通りである。まず、「家畜の飲み水も不足している」としているが、人間は大丈夫なのだろうかと心配になる。農村地域では水道が普及しておらず、井戸水を使っているはずであるから、そちらも干上がってしまったら大変なことになる。多くの農地が乾き、「数百万町歩でトウモロコシの種まきをやり直さなければならならなくなった」としている。果たして、干上がった農地に種まきをする意味があるのであろうか。また、「少なからぬ農地で大麦や小麦の穂が実らないか、穂が小さくなり安全な収穫を期待できなくなった」としている。

    崔永林総理は平壌の万景台地区の農場を視察しながら、「最近の気象条件と農作物の生物学的特性に合うように、肥料管理を科学技術的にすることについて強調した」としているが、被害が著しい黄海道ではまったく空虚な言葉に過ぎない。前にも一度書いたが、年老いた総理に任せておくのではなく、手遅れになる前に金正恩さんが前面に立ち、人民軍を動員し農業地域の揚水を助け、それでも足りなければ国際社会に直接的に援助を訴えるような、果敢な行動に出るべきである。そうすれば、金正恩さんは朝鮮人民の信任を得られる「若い指導者」になれるはずだ。

    水が干上がった川
    底の見えた川
    Source:KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor

    ひび割れた農地
    ひび割れた農地
    Source:KCNA, http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=kor

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
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