「黄海北道で大干ばつ続く」(2012年6月23日 「朝鮮中央通信」)
黄海北道で深刻な干ばつ状態が続いていることについて「朝鮮中央通信」が伝えている。
それによると6月「23日現在、約2万町歩の土地が激しくひび割れ、農作物が乾きで枯れてしまった」とのことである。被害は、黄海北道における穀物生産の中心地域である黄州郡で特に深刻であるとされ、69才の農民は「70才なろうとしている今まで、こんな干ばつは初めてだ」と語っている。共同農場経営委員会の委員長の李さんも「2000町歩余りのトウモロコシ畑で3回も種まきをしたが、安定した収穫を全く期待できない状態」と述べている。また、別の共同農場の委員長朴さんも「普通であれば、今頃はトウモロコシの背が1~1.5mになっていなければならないのに、干ばつで40~50cmにしか成長していない」といっている。また、別の共同農場委員長は「このような干ばつが続けば、十分に生長できないトウモロコシを残念だが刈り、他の作物を改めて植えなければならない状況だ」と「残念な心情を」語ったとのことである。
そして、「郡内の貯水場の大部分で底が見える程度に干上がってしまって」おり、「深刻な水不足により一部の苗代では未だに苗を採れずにいる」とのことである。このような状況は、「住民の安全な食料供給を危険な状態にしている」と食糧事情に赤信号が点灯したことを北朝鮮自身が認めている。報道では、「現在、人民軍軍人と省、中央機関関係者、関係各層の人民が積極的な支援をし、干ばつ被害を減らすための事業を展開している」としているが、状況は北朝鮮自身の努力では解決できないレベルに至っているようである。
何回も言うが、90年代の悲劇を再現しないよう、国際社会は北朝鮮に対する食料・栄養援助を検討しなければならない。もちろん、そのためのアセスメントとモニタリング強化も同時に行わなければならない。アセスメントについては、FAO/WFPなどの在北朝鮮国際機関によりかなり正確に行われていると思われるが、モニタリングには未だに課題が残されている。しかし、金正恩政権発足の年に、大規模な餓死者を出すような状態をもたらせば、同政権にとってのダメージは計り知れない。だとすれば、国際機関による強力なモニタリング要請を北朝鮮は受け入れざるを得ないはずだ。ともかく、朝鮮人民に最大の不幸をもたらす事態を避けなければならない。
ところで、アクセスログを見ていたら、本日未明に「STAR-KP」ネットを通じての平壌の普通江区からのアクセスがあった。総連系組織からのアクセスは数回あったが、アクセス記録に残る形での北朝鮮からのアクセスはこれが初めてである。このアクセスで閲覧した記事は、「深刻な干ばつが北朝鮮南西部と中央部の2012年の収穫に影響を及ぼす」(2012年6月18日 FAO)」(http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-217.html)でgoogleの検索を通してのアクセスのようである。この平壌からのアクセスが何を意味をするのか分からないが、「労働新聞」などで今回の干ばつについて大きく報じられているので、その裏返しであろうか。
私は朝鮮人民、そして、敢えて言うならば金正恩さんに対してもモデレートな主張をしているので、拙宅の緯度・経度を割り出して、「恐ろしい打撃を与える」と言い出さないことを願ってはいるのだが。
<追記:2012年6月24日>
「朝鮮中央通信」に干ばつの様子を紹介する動画が掲載された。
70才に至るまで経験しなかった酷い干ばつと語る農民

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
トウモロコシの生長状態について語る共同農場の委員長。まく種がなくなったので、一度まいた種を掘り返してまいていると述べている。何回まいても同じだと思うのだが。

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
消防車と思われる給水車

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
水まきを手伝う消防隊員?(人民軍ではないようだが)

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
水をまく農民か消防隊員の靴、貧しさが伝わってくる

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
それによると6月「23日現在、約2万町歩の土地が激しくひび割れ、農作物が乾きで枯れてしまった」とのことである。被害は、黄海北道における穀物生産の中心地域である黄州郡で特に深刻であるとされ、69才の農民は「70才なろうとしている今まで、こんな干ばつは初めてだ」と語っている。共同農場経営委員会の委員長の李さんも「2000町歩余りのトウモロコシ畑で3回も種まきをしたが、安定した収穫を全く期待できない状態」と述べている。また、別の共同農場の委員長朴さんも「普通であれば、今頃はトウモロコシの背が1~1.5mになっていなければならないのに、干ばつで40~50cmにしか成長していない」といっている。また、別の共同農場委員長は「このような干ばつが続けば、十分に生長できないトウモロコシを残念だが刈り、他の作物を改めて植えなければならない状況だ」と「残念な心情を」語ったとのことである。
そして、「郡内の貯水場の大部分で底が見える程度に干上がってしまって」おり、「深刻な水不足により一部の苗代では未だに苗を採れずにいる」とのことである。このような状況は、「住民の安全な食料供給を危険な状態にしている」と食糧事情に赤信号が点灯したことを北朝鮮自身が認めている。報道では、「現在、人民軍軍人と省、中央機関関係者、関係各層の人民が積極的な支援をし、干ばつ被害を減らすための事業を展開している」としているが、状況は北朝鮮自身の努力では解決できないレベルに至っているようである。
何回も言うが、90年代の悲劇を再現しないよう、国際社会は北朝鮮に対する食料・栄養援助を検討しなければならない。もちろん、そのためのアセスメントとモニタリング強化も同時に行わなければならない。アセスメントについては、FAO/WFPなどの在北朝鮮国際機関によりかなり正確に行われていると思われるが、モニタリングには未だに課題が残されている。しかし、金正恩政権発足の年に、大規模な餓死者を出すような状態をもたらせば、同政権にとってのダメージは計り知れない。だとすれば、国際機関による強力なモニタリング要請を北朝鮮は受け入れざるを得ないはずだ。ともかく、朝鮮人民に最大の不幸をもたらす事態を避けなければならない。
ところで、アクセスログを見ていたら、本日未明に「STAR-KP」ネットを通じての平壌の普通江区からのアクセスがあった。総連系組織からのアクセスは数回あったが、アクセス記録に残る形での北朝鮮からのアクセスはこれが初めてである。このアクセスで閲覧した記事は、「深刻な干ばつが北朝鮮南西部と中央部の2012年の収穫に影響を及ぼす」(2012年6月18日 FAO)」(http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-217.html)でgoogleの検索を通してのアクセスのようである。この平壌からのアクセスが何を意味をするのか分からないが、「労働新聞」などで今回の干ばつについて大きく報じられているので、その裏返しであろうか。
私は朝鮮人民、そして、敢えて言うならば金正恩さんに対してもモデレートな主張をしているので、拙宅の緯度・経度を割り出して、「恐ろしい打撃を与える」と言い出さないことを願ってはいるのだが。
<追記:2012年6月24日>
「朝鮮中央通信」に干ばつの様子を紹介する動画が掲載された。
70才に至るまで経験しなかった酷い干ばつと語る農民

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
トウモロコシの生長状態について語る共同農場の委員長。まく種がなくなったので、一度まいた種を掘り返してまいていると述べている。何回まいても同じだと思うのだが。

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
消防車と思われる給水車

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
水まきを手伝う消防隊員?(人民軍ではないようだが)

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230
水をまく農民か消防隊員の靴、貧しさが伝わってくる

Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=648230