「朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会政令 韓ヒョンギョン学生に金正日青年栄誉賞を授与することについて」(2012年6月20日 「労働新聞」)
今朝、ウリミンジョクキリにアップロードされた「20時報道」を見て知ったのだが、一人の少年に勲章を授与する決定が最高人民民会議常任委員会で下された。関係記事は、昨日の「労働新聞」に出ていた。
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-06-20-0004&chAction=L
記事によると、「去る6月11日未明、豪雨により家が倒壊する危険な状況で、白頭山3大将軍の肖像画を身を挺して守ることで、党の懐で育った先軍時代の青年同盟員の輝かし生き様と清い精神をいかんなく見せてくれた咸鏡南道新興郡のインプン中学校4年、韓ヒョンギョン学生に金正日青年栄誉賞を授与する」ということである。
3大将軍の肖像画を命がけで守るのが、北朝鮮では非常に重要であるという話は、韓国・国民大学のAndrei Lankovさんが「Asia Times」に投稿した記事で読んではいたが、北朝鮮メディアで確認したのは初めてである。このような状況で、特に子供は、まず先に逃げ出して身を守るのが普通であるが、やはり北朝鮮では自分の命よりも3大将軍の肖像画の方が大切なのであろうか。「身を挺して」と書かれているが、この少年が生きているのか死んでしまったのかは書かれていない。以前にも、工事現場で落盤事故が発生した際に「身を挺して」仲間を助け、自分は死んでしまった労働者に勲章を授与し、平壌の人民英雄墓地(だったか、正式名称は失念)に埋葬したというニュースはあった。この少年も、もし死んでしまったのであれば、特別な場所に埋葬されるであろう。
3大将軍、特に金日成さんは朝鮮人民にとって神様であると何回も書いてきたが、例えば信心深いキリスト教徒が部屋に掲げてあるイエスキリストの肖像画や十字架をこのような状況で持ち出すであろうか。いくら北朝鮮でも、豪雨で家が倒壊し、3大将軍の肖像画が流されてしまっても懲罰の対象にはならないと思うのだが。
願わくば、この少年は無事で、勲章を授与された少年一家が特別待遇を受けながら幸せに暮らすことになって欲しい。
<追記:2012年6月27日>
6月23日に「朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会政令」として、「韓ヒョンギョン学生を立派に育てた父母と学校青年同面関係者、教員に朝鮮民主主義人民共和国名誉称号と勲章を授与する」ことを発表した。
興味深いのは、国旗勲章第1級を韓少年のお母さんである韓クムソクさんに与え、それより低い勲章である労力勲章をお父さんである韓ミョンスさんに与えていることである。学校関係者では、前者を校長に後者を副校長に与えているので、前者の方がより高い功績を賞するものであることは間違いないであろう。韓少年のお父さんは人民軍の士官であるが、お母さんの職業はよく分からない。「부양」という朝鮮語が書かれているのだが、普通に考えると「扶養」という言葉ぐらいしか当てはまらない。家族を「扶養」する専業主婦という意味であろうか。外で働くお父さんと、専業主婦として子育てに尽力したお母さんで、韓少年の教育により大きな寄与をしたということでお母さんに高いクラスの勲章を授与したのかもしれない。
韓少年の生死については依然として不明だが、埋葬報道が流れてこないので、恐らく無事生きているのであろう。3大将軍の肖像画を「身を挺して」救うことには大きな疑問を感じるが、ともあれ勲章を与えられた一家は幸せに暮らせるはずから、よしとしよう。
「労働新聞」の関連記事:
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-06-26-0004&chAction=L
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-06-20-0004&chAction=L
記事によると、「去る6月11日未明、豪雨により家が倒壊する危険な状況で、白頭山3大将軍の肖像画を身を挺して守ることで、党の懐で育った先軍時代の青年同盟員の輝かし生き様と清い精神をいかんなく見せてくれた咸鏡南道新興郡のインプン中学校4年、韓ヒョンギョン学生に金正日青年栄誉賞を授与する」ということである。
3大将軍の肖像画を命がけで守るのが、北朝鮮では非常に重要であるという話は、韓国・国民大学のAndrei Lankovさんが「Asia Times」に投稿した記事で読んではいたが、北朝鮮メディアで確認したのは初めてである。このような状況で、特に子供は、まず先に逃げ出して身を守るのが普通であるが、やはり北朝鮮では自分の命よりも3大将軍の肖像画の方が大切なのであろうか。「身を挺して」と書かれているが、この少年が生きているのか死んでしまったのかは書かれていない。以前にも、工事現場で落盤事故が発生した際に「身を挺して」仲間を助け、自分は死んでしまった労働者に勲章を授与し、平壌の人民英雄墓地(だったか、正式名称は失念)に埋葬したというニュースはあった。この少年も、もし死んでしまったのであれば、特別な場所に埋葬されるであろう。
3大将軍、特に金日成さんは朝鮮人民にとって神様であると何回も書いてきたが、例えば信心深いキリスト教徒が部屋に掲げてあるイエスキリストの肖像画や十字架をこのような状況で持ち出すであろうか。いくら北朝鮮でも、豪雨で家が倒壊し、3大将軍の肖像画が流されてしまっても懲罰の対象にはならないと思うのだが。
願わくば、この少年は無事で、勲章を授与された少年一家が特別待遇を受けながら幸せに暮らすことになって欲しい。
<追記:2012年6月27日>
6月23日に「朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会政令」として、「韓ヒョンギョン学生を立派に育てた父母と学校青年同面関係者、教員に朝鮮民主主義人民共和国名誉称号と勲章を授与する」ことを発表した。
興味深いのは、国旗勲章第1級を韓少年のお母さんである韓クムソクさんに与え、それより低い勲章である労力勲章をお父さんである韓ミョンスさんに与えていることである。学校関係者では、前者を校長に後者を副校長に与えているので、前者の方がより高い功績を賞するものであることは間違いないであろう。韓少年のお父さんは人民軍の士官であるが、お母さんの職業はよく分からない。「부양」という朝鮮語が書かれているのだが、普通に考えると「扶養」という言葉ぐらいしか当てはまらない。家族を「扶養」する専業主婦という意味であろうか。外で働くお父さんと、専業主婦として子育てに尽力したお母さんで、韓少年の教育により大きな寄与をしたということでお母さんに高いクラスの勲章を授与したのかもしれない。
韓少年の生死については依然として不明だが、埋葬報道が流れてこないので、恐らく無事生きているのであろう。3大将軍の肖像画を「身を挺して」救うことには大きな疑問を感じるが、ともあれ勲章を与えられた一家は幸せに暮らせるはずから、よしとしよう。
「労働新聞」の関連記事:
http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-06-26-0004&chAction=L