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    「パネッタ米国防長官、金星煥韓国外交通商大臣、金寛鎮韓国国防大臣の会見」(2012年6月14日 US Department of State)

    韓国と米国の2+2に際して米国防長官、韓国外交通商大臣、韓国国防大臣が持った記者会見のレコードが米国務省のHPに掲載されている。既に新聞などで報道されているが、その中でのクリントン国務長官の北朝鮮に関する発言が注目される。

    米国防省HP:
    http://www.state.gov/secretary/rm/2012/06/192400.htm

    米国務長官は、「リーダーは、人々により良い生活をさせるようにし、安定、安全、繁栄、機会を創造することができるのかで判断される」とし、「若いリーダー」が「彼の人民を利するよう」な選択をすることに期待しているとしている。

    そして、いつもの主張である、北朝鮮による国際ルール遵守を呼びかけ、「威嚇と挑発」は北朝鮮に対する関与や「よりよい未来」に繋がらないとしながら、先軍をやめ「先民(people first)」にするようにと求め、「戦争遂行のために金を使うのではなく、人々を食わせ、教育と医療を提供し、人々を貧困と孤立から抜け出させる」ことが必要であるとしている。

    最後に「この若者(this young man)」は、「21世紀に北朝鮮に変革(transformative)をもたらしたリーダーとして歴史に残る」こともできるし、そうしなければ「過去のやり方を踏襲し、抑圧的な状況に耐えられなくなった人々により変えられる」であろうとしている。

    「people first」とはよく言ったと思った。「先軍」という言葉こそ口にしていないが、明らかにそれを意識していった言葉であろう。米国は、金正恩登場直後はむしろ「若さ」に対する不安を抱いていたようだが、金正恩体制発足後の6ヶ月を見ながら、当面は金正恩さんが権力を掌握し、安定した状況が続くであろうと判断したのであろう。だからこそ、「this young man」をネガティブに捉えるのではなく、「若いから」今までと違うことをするようにと呼びかけているのであろう。

    しかし、現実的には「過去のやり方」を一気に捨て去るのは不可能である。そんなことをすれば、「young man」が北朝鮮のリーダーになっているという根拠が崩れ去ってしまう。「this young man」は、自分の立場を脅かさないように「過去のやり方」を踏襲しながら、党や軍からの支持と朝鮮人民からの支持を得ながら「transform」させていく必要があるが、これはとても難しい。しかし、金正日時代よりも朝鮮人民の声は明らかに強まっているはずである。金正恩さんは、その声に耳を傾け、一方で党と、特に軍を説得しながら少しずつ「金日成-金正日主義」に対する自分の解釈権を拡大し、方向転換していくことはできるであろう。もしそれが、朝鮮人民に受け入れられるのなら、金正恩さんは「白頭の血統」に基づく指導者ではなく、人民に選ばれる(支持される)本当の指導者になれるであろう。

    クリントンさんがそんなことを考えているかどうかは分からないが、私はそう思う。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
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    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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