「朝鮮とマレイシア共同声明発表」:「北朝鮮にいる遺体の家族」と、それは「元帥様」・金ヨジョン・金正哲だが (2017年3月30日 「朝鮮中央通信」)
31日朝、「朝鮮中央通信」に「朝鮮とマレイシア共同声明」が掲載された。以下、全文。
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朝鮮とマレイシア共同声明発表 (平壌 3月30日 朝鮮中央通信)
조선과 말레이시아 공동성명 발표
(평양 3월 30일발 조선중앙통신)
朝鮮民主主義人民共和国とマレイシア代表団は、30日、次のような共同声明を発表した。
조선민주주의인민공화국과 말레이시아대표단은 30일 다음과 같은 공동성명을 발표하였다.
1.最近、朝鮮民主主義人民共和国とマレイシア代表団は、2017年2月13日、クアラルンプールで発生した朝鮮民主主義人民共和国公民の死亡により生じた問題の解決のための会談を持った。
1. 최근 조선민주주의인민공화국과 말레이시아대표단은 2017년 2월 13일 꾸알라룸뿌르에서 발생한 조선민주주의인민공화국 공민의 사망으로 하여 산생된 문제의 해결을 위한 회담을 가지였다.
2.両国は、1973年に樹立され、発展してきた相互関係の威力に基づき、この問題を解決する意志を再確認した。
2. 두 나라는 1973년에 수립되여 발전하여온 쌍무관계의 위력에 기초하여 이 문제들을 해결할 의지를 재확언하였다.
3.両国は、外交関係に関するウィーン条約とその各条項の徹底した履行が持つ重要性について認定した。
3. 두 나라는 외교관계에 관한 윈협약과 그 조항들의 철저한 리행이 가지는 중요성에 대하여 인정하였다.
4.朝鮮民主主義人民共和国が死亡者の家族からの遺体と関連した全ての文献を提出することで、マレイシアは遺体を朝鮮民主主義人民共和国にいる死亡者の家族に返すことについて同意した。
4. 조선민주주의인민공화국이 사망자의 가족으로부터 시신과 관련한 모든 문건들을 제출하였으므로 말레이시아는 시신을 조선민주주의인민공화국에 있는 사망자의 가족에게 돌려보내는데 동의하였다.
5.双方は、両国の公民に対する出国禁止措置を解除し、自国領内で彼らの安全を保証することに合意した。これにより、平壌にいる9人のマレイシア人がマレイシアに帰れることになり、クアラルンプールにいる朝鮮民主主義人民共和国公民がマレイシアから出国できるようになった。
5. 쌍방은 두 나라 공민들에 대한 출국금지조치를 해제하며 자국령내에서 그들의 안전을 담보하기로 합의하였다. 이에 따라 평양에 있는 9명의 말레이시아인들이 말레이시아로 돌아갈수 있게 되였으며 꾸알라룸뿌르에 있는 조선민주주의인민공화국 공민들이 말레이시아에서 출국할수 있게 되였다.
6.双方は、相互関係の重要性を再確認した。これと関連し、両国は無査証制を再導入する問題を肯定的に協議することにし、相互関係をより高い段階に発展させるための努力をすることで合意した。
6. 쌍방은 쌍무관계의 중요성을 재확언하였다. 이와 관련하여 두 나라는 무사증제를 재도입하는 문제를 긍정적으로 토의하기로 하였으며 쌍무관계를 보다 높은 단계에로 발전시키기 위하여 노력하기로 합의하였다.(끝)
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「4.朝鮮民主主義人民共和国が死亡者の家族からの遺体と関連した全ての文献を提出することで、マレイシアは遺体を朝鮮民主主義人民共和国にいる死亡者の家族に返すことについて同意した。」は、実に興味深い。金正男とも金チョルとも書かれていないが、遺体の家族は「朝鮮民主主義人民共和国にいる」ことになっている。また、「家族からの遺体と関連した全ての文献」というのが、遺体を「北朝鮮にいる家族」への返還を要求するものなのか、家族であることを証明するDNA情報等に関する「文献」なのかは不明であるが、マレイシア政府は、これまで「DNAによる家族関係の証明」を求めてきたので、「北朝鮮にいる」家族の遺体返還要求だけでは条件を満たしていないはずである。もし、マレイシア政府がこれまで主張してきたように公正にDNA情報を使って「北朝鮮にいる家族」を認定したのであれば、それは、過去記事にも書いたように、生体では「元帥様」、妹の副部長同志(金ヨジョン)、兄の金正哲のDNAしか存在しないはずである。そうでなければ、金ハンソルなど、金正男の家族が北朝鮮を通じてDNA情報を提供したのか、彼らが本当に北朝鮮に帰国しているのか、あるいは帰国したことになっている必要がある。金正男には、少なくとも2人の妻がいるとされているので、金ハンソル系ではない可能性もある。
今後、北朝鮮が死者が「金チョル」であるということや、死因が「心臓ショック」であるという主張を再開しなければ、現段階では、マレイシア当局による捜査結果を覆すような事態には至っていない。この辺り、外交交渉で合意されているのかどうか。
昨夜の記事に書いたように、マレイシア首相はステイトメントを出しているが、「共同声明」と内容は異なる9人のマレイシア人に関するステイトメントのようだ。「共同声明」は、マレイシア外務省などのページに掲載されている可能性があるので、北朝鮮側の発表と比較するために、追って検索することにする。
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朝鮮とマレイシア共同声明発表 (平壌 3月30日 朝鮮中央通信)
조선과 말레이시아 공동성명 발표
(평양 3월 30일발 조선중앙통신)
朝鮮民主主義人民共和国とマレイシア代表団は、30日、次のような共同声明を発表した。
조선민주주의인민공화국과 말레이시아대표단은 30일 다음과 같은 공동성명을 발표하였다.
1.最近、朝鮮民主主義人民共和国とマレイシア代表団は、2017年2月13日、クアラルンプールで発生した朝鮮民主主義人民共和国公民の死亡により生じた問題の解決のための会談を持った。
1. 최근 조선민주주의인민공화국과 말레이시아대표단은 2017년 2월 13일 꾸알라룸뿌르에서 발생한 조선민주주의인민공화국 공민의 사망으로 하여 산생된 문제의 해결을 위한 회담을 가지였다.
2.両国は、1973年に樹立され、発展してきた相互関係の威力に基づき、この問題を解決する意志を再確認した。
2. 두 나라는 1973년에 수립되여 발전하여온 쌍무관계의 위력에 기초하여 이 문제들을 해결할 의지를 재확언하였다.
3.両国は、外交関係に関するウィーン条約とその各条項の徹底した履行が持つ重要性について認定した。
3. 두 나라는 외교관계에 관한 윈협약과 그 조항들의 철저한 리행이 가지는 중요성에 대하여 인정하였다.
4.朝鮮民主主義人民共和国が死亡者の家族からの遺体と関連した全ての文献を提出することで、マレイシアは遺体を朝鮮民主主義人民共和国にいる死亡者の家族に返すことについて同意した。
4. 조선민주주의인민공화국이 사망자의 가족으로부터 시신과 관련한 모든 문건들을 제출하였으므로 말레이시아는 시신을 조선민주주의인민공화국에 있는 사망자의 가족에게 돌려보내는데 동의하였다.
5.双方は、両国の公民に対する出国禁止措置を解除し、自国領内で彼らの安全を保証することに合意した。これにより、平壌にいる9人のマレイシア人がマレイシアに帰れることになり、クアラルンプールにいる朝鮮民主主義人民共和国公民がマレイシアから出国できるようになった。
5. 쌍방은 두 나라 공민들에 대한 출국금지조치를 해제하며 자국령내에서 그들의 안전을 담보하기로 합의하였다. 이에 따라 평양에 있는 9명의 말레이시아인들이 말레이시아로 돌아갈수 있게 되였으며 꾸알라룸뿌르에 있는 조선민주주의인민공화국 공민들이 말레이시아에서 출국할수 있게 되였다.
6.双方は、相互関係の重要性を再確認した。これと関連し、両国は無査証制を再導入する問題を肯定的に協議することにし、相互関係をより高い段階に発展させるための努力をすることで合意した。
6. 쌍방은 쌍무관계의 중요성을 재확언하였다. 이와 관련하여 두 나라는 무사증제를 재도입하는 문제를 긍정적으로 토의하기로 하였으며 쌍무관계를 보다 높은 단계에로 발전시키기 위하여 노력하기로 합의하였다.(끝)
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「4.朝鮮民主主義人民共和国が死亡者の家族からの遺体と関連した全ての文献を提出することで、マレイシアは遺体を朝鮮民主主義人民共和国にいる死亡者の家族に返すことについて同意した。」は、実に興味深い。金正男とも金チョルとも書かれていないが、遺体の家族は「朝鮮民主主義人民共和国にいる」ことになっている。また、「家族からの遺体と関連した全ての文献」というのが、遺体を「北朝鮮にいる家族」への返還を要求するものなのか、家族であることを証明するDNA情報等に関する「文献」なのかは不明であるが、マレイシア政府は、これまで「DNAによる家族関係の証明」を求めてきたので、「北朝鮮にいる」家族の遺体返還要求だけでは条件を満たしていないはずである。もし、マレイシア政府がこれまで主張してきたように公正にDNA情報を使って「北朝鮮にいる家族」を認定したのであれば、それは、過去記事にも書いたように、生体では「元帥様」、妹の副部長同志(金ヨジョン)、兄の金正哲のDNAしか存在しないはずである。そうでなければ、金ハンソルなど、金正男の家族が北朝鮮を通じてDNA情報を提供したのか、彼らが本当に北朝鮮に帰国しているのか、あるいは帰国したことになっている必要がある。金正男には、少なくとも2人の妻がいるとされているので、金ハンソル系ではない可能性もある。
今後、北朝鮮が死者が「金チョル」であるということや、死因が「心臓ショック」であるという主張を再開しなければ、現段階では、マレイシア当局による捜査結果を覆すような事態には至っていない。この辺り、外交交渉で合意されているのかどうか。
昨夜の記事に書いたように、マレイシア首相はステイトメントを出しているが、「共同声明」と内容は異なる9人のマレイシア人に関するステイトメントのようだ。「共同声明」は、マレイシア外務省などのページに掲載されている可能性があるので、北朝鮮側の発表と比較するために、追って検索することにする。