「逆賊一味は自ら最後の選択をしなければならない-朝鮮人民軍参謀本部公開通牒状」(2012年6月4日 「朝鮮中央通信」)
韓国のマスコミ各社が、平壌に2万人の子供たちを招待して行う少年団関連行事を否定的に伝えていることに対して、朝鮮人民軍参謀本部が「公開通牒状」を出した。
北朝鮮が反発している理由は、韓国のマスコミが少年団関連行事を「金正恩の人気取りのため」と批判していることが、北朝鮮の「最高尊厳」を冒涜する行為だからだという。
「公開通牒状」では、「見せるための行事」、「人気集めの集中行事」、「好感を得るための行事」、「(その)様子をみると、ヒットラーも真似している」、「ナチスの少年国民隊の子供を育てる政治ショーを展開している」などと書いていることが「最高尊厳の冒涜」としている。
そして、朝鮮人民軍の将兵は、こうした「冒涜をする者を銃隊で断固として決算することをみな願っている」とし、新聞社所在地の経緯度を「朝鮮日報社、ソウル市中区北緯37度56分83秒、東経126度97分65秒の位置」などと具体的に挙げながら、「最高尊厳」を冒涜する者は「見逃すことができないということが我々軍隊の鉄のような意思である」とし、「我が軍隊の打撃に全てのことをそのまま委ねるのか、そうでなければ遅ればせながら謝罪して事態を収拾する道に出るのか」と「最後の選択」を迫っている。
そして、「悪行の巣窟が一つや二つ吹き飛んでも、その責任は全的に逆賊一味が取らなければならない」とし、「我々は既に布告したとおり、我々式の無慈悲な聖戦で応えるであろう」としている。
いずれの国の政治家も少なからず「人気集め」は行っている。それが、自由選挙による投票を前にして行おうが、自動的に決まってしまった結果を受けてであろうが、政治家としての自然な行動であろう。むしろ、それすらなければ、つまり「国民からの人気」に関心すらなければ、独裁恐怖政治の極地ということができるであろう。その意味で、金正恩さんが子供たちを平壌に集めて人気取りをするのは理にかなっているし、北朝鮮から流れてくる映像を見る限りでは、子供たちも純粋に楽しんでいるようなので、それはそれでよいのではないだろうか。
6月3日の「20時報道」でも、各地から平壌にやってきた子供たちの様子が紹介されている。地下鉄乗り場のエスカレーターにたくさんの子供たちが乗って降りてくる映像の後で、KCTVのレポーターが子供たちに「エスカレーターに乗って降りてきましたね。どうでしたか?」とインタビューしている。日本や韓国では考えられないような質問であるが、北朝鮮ではやはりエスカレーターは平壌にしかないのであろう。確かに、私が乗った平壌地下鉄のエスカレーターは、とても長かったが、それでもである。また、子供たちに地下鉄に何回乗ったことがあるのかと質問している。この子たちは地方から来た子供たちなので、1度とか3度とか言っていた。日本にも地下鉄が走っていない都市はいくらもあるので、これは同じかもしれない。映像で紹介された子供たちは、千里馬線の勝利駅から戦友駅まで乗ったようである。地下鉄車内では「この世にうらやましことは一つもない」という歌をみんなで歌っている。「うらやましい」とは相対化が必要である概念なので、相対化する機会がないのであればそういうことになるのであろう。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=10029
6月1日の「朝鮮中央通信」が「6.1国際子供デー62回記念親善大会 進行」という動画を配信している。その中に、過去記事にも書いた「敵たたき殺し競技」をはっきりと見せる動画があった。
Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=641460
見てのとおり、「ネズミ明博」と米兵が立ち並んでおり、それを棒を持った子供が叩き、ゴールに向かって走っていく。このようなことを「国際子供デー」の行事としてやらせるのは、全くナンセンスであるということは過去記事にも書いたが、「尊厳」というのはお互いに尊重するべきものではないのだろうか。
北朝鮮が反発している理由は、韓国のマスコミが少年団関連行事を「金正恩の人気取りのため」と批判していることが、北朝鮮の「最高尊厳」を冒涜する行為だからだという。
「公開通牒状」では、「見せるための行事」、「人気集めの集中行事」、「好感を得るための行事」、「(その)様子をみると、ヒットラーも真似している」、「ナチスの少年国民隊の子供を育てる政治ショーを展開している」などと書いていることが「最高尊厳の冒涜」としている。
そして、朝鮮人民軍の将兵は、こうした「冒涜をする者を銃隊で断固として決算することをみな願っている」とし、新聞社所在地の経緯度を「朝鮮日報社、ソウル市中区北緯37度56分83秒、東経126度97分65秒の位置」などと具体的に挙げながら、「最高尊厳」を冒涜する者は「見逃すことができないということが我々軍隊の鉄のような意思である」とし、「我が軍隊の打撃に全てのことをそのまま委ねるのか、そうでなければ遅ればせながら謝罪して事態を収拾する道に出るのか」と「最後の選択」を迫っている。
そして、「悪行の巣窟が一つや二つ吹き飛んでも、その責任は全的に逆賊一味が取らなければならない」とし、「我々は既に布告したとおり、我々式の無慈悲な聖戦で応えるであろう」としている。
いずれの国の政治家も少なからず「人気集め」は行っている。それが、自由選挙による投票を前にして行おうが、自動的に決まってしまった結果を受けてであろうが、政治家としての自然な行動であろう。むしろ、それすらなければ、つまり「国民からの人気」に関心すらなければ、独裁恐怖政治の極地ということができるであろう。その意味で、金正恩さんが子供たちを平壌に集めて人気取りをするのは理にかなっているし、北朝鮮から流れてくる映像を見る限りでは、子供たちも純粋に楽しんでいるようなので、それはそれでよいのではないだろうか。
6月3日の「20時報道」でも、各地から平壌にやってきた子供たちの様子が紹介されている。地下鉄乗り場のエスカレーターにたくさんの子供たちが乗って降りてくる映像の後で、KCTVのレポーターが子供たちに「エスカレーターに乗って降りてきましたね。どうでしたか?」とインタビューしている。日本や韓国では考えられないような質問であるが、北朝鮮ではやはりエスカレーターは平壌にしかないのであろう。確かに、私が乗った平壌地下鉄のエスカレーターは、とても長かったが、それでもである。また、子供たちに地下鉄に何回乗ったことがあるのかと質問している。この子たちは地方から来た子供たちなので、1度とか3度とか言っていた。日本にも地下鉄が走っていない都市はいくらもあるので、これは同じかもしれない。映像で紹介された子供たちは、千里馬線の勝利駅から戦友駅まで乗ったようである。地下鉄車内では「この世にうらやましことは一つもない」という歌をみんなで歌っている。「うらやましい」とは相対化が必要である概念なので、相対化する機会がないのであればそういうことになるのであろう。
Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?ptype=movie2&no=10029
6月1日の「朝鮮中央通信」が「6.1国際子供デー62回記念親善大会 進行」という動画を配信している。その中に、過去記事にも書いた「敵たたき殺し競技」をはっきりと見せる動画があった。
Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=641460
見てのとおり、「ネズミ明博」と米兵が立ち並んでおり、それを棒を持った子供が叩き、ゴールに向かって走っていく。このようなことを「国際子供デー」の行事としてやらせるのは、全くナンセンスであるということは過去記事にも書いたが、「尊厳」というのはお互いに尊重するべきものではないのだろうか。