北朝鮮外務省代表団訪中は中国外交部の招請、同時にロシア外務省代表団も、三者会談か?、マレイシア訪問中の北朝鮮代表団 (2017年2月28日 「中国外交部」)
28日の中国外交部定例記者会見英語版が掲載された。中国報道官は、冒頭で北朝鮮外務省代表団とロシア外務省代表団について次のように述べている。
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中国外務省の招請で、北朝鮮の副外相李キルソンが2月28日から3月4日まで訪中する。中国外相王毅は、北朝鮮副外相李キルソンと会談する。中国副外相劉振民、外務次官補孔鉉佑が彼と会談する。両国は、中朝関係と双方の利益に関わる国際問題、地域問題について意見を交換する。
At the invitation of the Chinese Foreign Ministry, Vice Foreign Minister Ri Kil Song of the DPRK will visit China from 28 February to 4 March. Foreign Minister Wang Yi will meet with Vice Foreign Minister Ri Kil Song. Vice Foreign Minister Liu Zhenmin and Assistant Foreign Minister Kong Xuanyou will hold talks with him. The two sides will exchange views on China-DPRK relations and international and regional issues of mutual interest.
2月28日、中国副外相の劉振民とロシア副外相イゴル・モルグレフは、中国とロシアの共催で東北アジア安全保障会議を北京で開催する。両国は、朝鮮半島と双方の利益に関わるその他の問題について意見交換をする。
On 28 February, Assistant Foreign Minister Kong Xuanyou will co-host the China-Russia consultation on Northeast Asia security meeting in Beijing with Russian Deputy Foreign Minister Igor Morgulov. The two sides will exchange views on the situation on the Korean Peninsula and other issues of mutual interest.
Ministry of Foreign Affairs of the PRC、Foreign Ministry Spokesperson Geng Shuang's Regular Press Conference on February 28, 2017, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1442122.shtml
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北朝鮮外務省代表団とロシア外務省代表団が同時に中国を訪れているのは決して偶然ではない。中露は「会議を共催」と言っているので、第三国、つまり北朝鮮代表団がこの会議に参加していることは充分にあり得る。会議の目的が、「朝鮮半島問題」についての協議なので、まず間違いない。
中露が半ば公開で北朝鮮と三者会談をしていることになるが、中国外務省報道官は、中朝、中露の会議の結果については、追って発表すると言っている。
結果が発表されるまでまだ数日待たなければならないが、「中露は北朝鮮と友好親善関係にあることを確認した」という月並みの発表になるのか、さらに踏み込んだ内容になるのかが注目される。中朝間では金正男問題も扱われるかも知れないが、ロシアも絡んでくると、より重要な核問題について協議するのだと思う。
北朝鮮外交使節が同時期にマレイシアを訪問しているが、こちらは金正男問題の話し合いであることは間違いない。北朝鮮は、まず金正男の遺体を引き取りたいのであろうが、マレイシア当局はDNA鑑定等で親族であることが証明されなければ引き渡さないとしている。過去記事にも書いたが、中国にいるとされる息子・金ハンソルなどのDNA採取に、北朝鮮からの要請もあり中国が非協力的で、今回マレイシアを訪問している代表団が「元帥様」か「副部長同志」、あるいは金正哲のDNAを持参していれば、北朝鮮に親族がいることは証明できる。マレイシア当局に対し「金チョルの親族のDNAだ」と言って提供すれば、マレイシア当局も「金チョル」のものとして受け入れざるを得ず、親族が確認された以上、遺体は北朝鮮に引き渡されることになる。北朝鮮当局は、その後、マレイシアで殺害された「共和国公民」の遺体を引き取り、「祖国に丁重に埋葬した」と発表して幕引きとなるであろう。
マレイシア当局に拘束されている北朝鮮国籍者については、上手くすれば罪状を証明できず無罪となり即刻帰国、有罪となり強制追放となればよし、マレイシアに収監されたとしても、「傀儡一味に買収された反逆者が、外交旅券を持つ共和国公民を外国人と共謀して殺害した」と切り捨てるというやり方もある。駐マレイシア北朝鮮大使館に匿われていると思われる2等書記官と高麗航空社員についても、同じことが言えるであろう。
マレイシア当局が、金正男事件を北朝鮮政府が絡んだ殺人事件とするのか、あるいは単純な殺人事件として扱うのかによって、結果は異なってくるであろうが。
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中国外務省の招請で、北朝鮮の副外相李キルソンが2月28日から3月4日まで訪中する。中国外相王毅は、北朝鮮副外相李キルソンと会談する。中国副外相劉振民、外務次官補孔鉉佑が彼と会談する。両国は、中朝関係と双方の利益に関わる国際問題、地域問題について意見を交換する。
At the invitation of the Chinese Foreign Ministry, Vice Foreign Minister Ri Kil Song of the DPRK will visit China from 28 February to 4 March. Foreign Minister Wang Yi will meet with Vice Foreign Minister Ri Kil Song. Vice Foreign Minister Liu Zhenmin and Assistant Foreign Minister Kong Xuanyou will hold talks with him. The two sides will exchange views on China-DPRK relations and international and regional issues of mutual interest.
2月28日、中国副外相の劉振民とロシア副外相イゴル・モルグレフは、中国とロシアの共催で東北アジア安全保障会議を北京で開催する。両国は、朝鮮半島と双方の利益に関わるその他の問題について意見交換をする。
On 28 February, Assistant Foreign Minister Kong Xuanyou will co-host the China-Russia consultation on Northeast Asia security meeting in Beijing with Russian Deputy Foreign Minister Igor Morgulov. The two sides will exchange views on the situation on the Korean Peninsula and other issues of mutual interest.
Ministry of Foreign Affairs of the PRC、Foreign Ministry Spokesperson Geng Shuang's Regular Press Conference on February 28, 2017, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1442122.shtml
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北朝鮮外務省代表団とロシア外務省代表団が同時に中国を訪れているのは決して偶然ではない。中露は「会議を共催」と言っているので、第三国、つまり北朝鮮代表団がこの会議に参加していることは充分にあり得る。会議の目的が、「朝鮮半島問題」についての協議なので、まず間違いない。
中露が半ば公開で北朝鮮と三者会談をしていることになるが、中国外務省報道官は、中朝、中露の会議の結果については、追って発表すると言っている。
結果が発表されるまでまだ数日待たなければならないが、「中露は北朝鮮と友好親善関係にあることを確認した」という月並みの発表になるのか、さらに踏み込んだ内容になるのかが注目される。中朝間では金正男問題も扱われるかも知れないが、ロシアも絡んでくると、より重要な核問題について協議するのだと思う。
北朝鮮外交使節が同時期にマレイシアを訪問しているが、こちらは金正男問題の話し合いであることは間違いない。北朝鮮は、まず金正男の遺体を引き取りたいのであろうが、マレイシア当局はDNA鑑定等で親族であることが証明されなければ引き渡さないとしている。過去記事にも書いたが、中国にいるとされる息子・金ハンソルなどのDNA採取に、北朝鮮からの要請もあり中国が非協力的で、今回マレイシアを訪問している代表団が「元帥様」か「副部長同志」、あるいは金正哲のDNAを持参していれば、北朝鮮に親族がいることは証明できる。マレイシア当局に対し「金チョルの親族のDNAだ」と言って提供すれば、マレイシア当局も「金チョル」のものとして受け入れざるを得ず、親族が確認された以上、遺体は北朝鮮に引き渡されることになる。北朝鮮当局は、その後、マレイシアで殺害された「共和国公民」の遺体を引き取り、「祖国に丁重に埋葬した」と発表して幕引きとなるであろう。
マレイシア当局に拘束されている北朝鮮国籍者については、上手くすれば罪状を証明できず無罪となり即刻帰国、有罪となり強制追放となればよし、マレイシアに収監されたとしても、「傀儡一味に買収された反逆者が、外交旅券を持つ共和国公民を外国人と共謀して殺害した」と切り捨てるというやり方もある。駐マレイシア北朝鮮大使館に匿われていると思われる2等書記官と高麗航空社員についても、同じことが言えるであろう。
マレイシア当局が、金正男事件を北朝鮮政府が絡んだ殺人事件とするのか、あるいは単純な殺人事件として扱うのかによって、結果は異なってくるであろうが。