再びたくさんの北朝鮮船籍船:鉄鉱石輸出増加か (2017年2月28日)
中国が19日に北朝鮮下欄石炭輸入を「一時停止」してから9日が過ぎた。その後、Marine Trafficで中朝間を往来する船を見ていたが、過去記事に書いたように一時的には減っていた。しかし、今週に入ってからは再び増加し、今朝見たらたくさんの北朝鮮籍あるいは南浦港から出港・帰港した船が確認された。
ざっと確認しただけなので、まだ他にもいる可能性がある。見つけた北朝鮮船籍船は黄色でマークしておいた。

Source: Marine Traffic, https://www.marinetraffic.com/
中国が本当に北朝鮮からの石炭輸入を「一時停止」しているのであれば、これだけの数の北朝鮮船舶は何を運んでいるのであろうか。安保理決議2321が採択されたときにも書いたが、同決議では石炭については細かな規定を設けて総量・総額規制をかけているが、鉄鉱石については同決議26(c)で、以前の石炭同様に人民生活目的除外規定を設けている。中国が石炭輸入を「一時停止」する一方、石炭減少分を「人民生活維持」を根拠に鉄鉱石輸入増大で補うことについては、同決議の目的には反するが、条項に記されていることからすれば安保理決議違反とは言い難い。すると、これらの北朝鮮船舶は、鉄鉱石を運んでいるのであろうか。
以前にも何回か紹介しているが、下の写真は竜口埠頭である。上のMarif Traffic地図で見ると、左下に黄色い点が密集している地点になる。ここには以前から北朝鮮船籍船がよく来ていたが、中国が「一時停止」をしたころから港外でずっと停泊している北朝鮮船籍船が8隻ぐらいいる。石炭を運搬してきたので、帰るに帰れず、本国からの指示を待っているのではないかというのは、過去記事に書いたとおりである。一方、その合間を縫うように北朝鮮からやってきて、埠頭に停泊、1日か2日後には北朝鮮に向けて再び出港していく北朝鮮船籍船もいる。こうしたことからすると、中国側が一様に北朝鮮船籍船入港を禁じているわけではなく、やはり積み荷によるものではないかと推測される。
下の写真を見ると、埠頭には赤茶色い鉄鉱石と思われるものと黒い石炭と思われるものが積まれている。北朝鮮船舶は比較的小さなものが多いので、しばしば停泊している場所は、右側の下から3番目か4番目である。この写真でも小型船と中型船がいる(北朝鮮船籍船とは限らない)。

Source: Google Earth, 2016/11/11撮影
最近見つけたのだが、青島の少し南に日照港という港がある。現時点では1隻しか確認できないが、ここにも北朝鮮船籍船がたくさん集まっていることがある。ここも下のGoogle Earthの写真から分かるように、石炭と鉄鉱石が大量に積み上げられており、特に石炭については、ベルトコンベアで石炭集積場まで運べるようになっているように見える。

Source: Google Earth, 2016/11/04撮影
現在、日照港付近にいるのはK Morningというバルク貨物船である。日照港付近にいる、バルク貨物船であるということからして、やはり積載物は鉄鉱石か石炭であろう。

Source: Marine Traffic, https://www.marinetraffic.com/
この船の航跡を見ると、南浦沖からAISを確認できており、最初から2つ目の地点が25日14時41分(UTC)と記録されている。恐らく、南浦を現地時間の25日午前、出港したのであろう。

Source: Marine Traffic, https://www.marinetraffic.com/
この船は、日本時間の28日9時頃から西に向かって4ノット前後で航行を始めた。どういう動きをするのか追ってみたい。
中国が北朝鮮からの石炭輸入「一時停止」を発表した直後は、北朝鮮は相当に困るのではないかと思ったが、こうした北朝鮮船舶の動きを見ていると、そうでもないようだ。崔龍海のお手柄なのだろうか。
<追記>
日本時間の11時20分頃、中国のタグボート二隻に押されて、埠頭に着岸するKMORNING。Google Earhの写真を見ると、航跡積み降ろし用と思われるクレーンがあることが分かる。

Source: Google Earh左、Marine Traffic右、Marine Trafficは2017/02/28 1120JST頃
ざっと確認しただけなので、まだ他にもいる可能性がある。見つけた北朝鮮船籍船は黄色でマークしておいた。

Source: Marine Traffic, https://www.marinetraffic.com/
中国が本当に北朝鮮からの石炭輸入を「一時停止」しているのであれば、これだけの数の北朝鮮船舶は何を運んでいるのであろうか。安保理決議2321が採択されたときにも書いたが、同決議では石炭については細かな規定を設けて総量・総額規制をかけているが、鉄鉱石については同決議26(c)で、以前の石炭同様に人民生活目的除外規定を設けている。中国が石炭輸入を「一時停止」する一方、石炭減少分を「人民生活維持」を根拠に鉄鉱石輸入増大で補うことについては、同決議の目的には反するが、条項に記されていることからすれば安保理決議違反とは言い難い。すると、これらの北朝鮮船舶は、鉄鉱石を運んでいるのであろうか。
以前にも何回か紹介しているが、下の写真は竜口埠頭である。上のMarif Traffic地図で見ると、左下に黄色い点が密集している地点になる。ここには以前から北朝鮮船籍船がよく来ていたが、中国が「一時停止」をしたころから港外でずっと停泊している北朝鮮船籍船が8隻ぐらいいる。石炭を運搬してきたので、帰るに帰れず、本国からの指示を待っているのではないかというのは、過去記事に書いたとおりである。一方、その合間を縫うように北朝鮮からやってきて、埠頭に停泊、1日か2日後には北朝鮮に向けて再び出港していく北朝鮮船籍船もいる。こうしたことからすると、中国側が一様に北朝鮮船籍船入港を禁じているわけではなく、やはり積み荷によるものではないかと推測される。
下の写真を見ると、埠頭には赤茶色い鉄鉱石と思われるものと黒い石炭と思われるものが積まれている。北朝鮮船舶は比較的小さなものが多いので、しばしば停泊している場所は、右側の下から3番目か4番目である。この写真でも小型船と中型船がいる(北朝鮮船籍船とは限らない)。

Source: Google Earth, 2016/11/11撮影
最近見つけたのだが、青島の少し南に日照港という港がある。現時点では1隻しか確認できないが、ここにも北朝鮮船籍船がたくさん集まっていることがある。ここも下のGoogle Earthの写真から分かるように、石炭と鉄鉱石が大量に積み上げられており、特に石炭については、ベルトコンベアで石炭集積場まで運べるようになっているように見える。

Source: Google Earth, 2016/11/04撮影
現在、日照港付近にいるのはK Morningというバルク貨物船である。日照港付近にいる、バルク貨物船であるということからして、やはり積載物は鉄鉱石か石炭であろう。

Source: Marine Traffic, https://www.marinetraffic.com/
この船の航跡を見ると、南浦沖からAISを確認できており、最初から2つ目の地点が25日14時41分(UTC)と記録されている。恐らく、南浦を現地時間の25日午前、出港したのであろう。

Source: Marine Traffic, https://www.marinetraffic.com/
この船は、日本時間の28日9時頃から西に向かって4ノット前後で航行を始めた。どういう動きをするのか追ってみたい。
中国が北朝鮮からの石炭輸入「一時停止」を発表した直後は、北朝鮮は相当に困るのではないかと思ったが、こうした北朝鮮船舶の動きを見ていると、そうでもないようだ。崔龍海のお手柄なのだろうか。
<追記>
日本時間の11時20分頃、中国のタグボート二隻に押されて、埠頭に着岸するKMORNING。Google Earhの写真を見ると、航跡積み降ろし用と思われるクレーンがあることが分かる。

Source: Google Earh左、Marine Traffic右、Marine Trafficは2017/02/28 1120JST頃