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    「朝鮮と中国間の協力に関する合意書調印」(2012年5月29日 「朝鮮中央通信」)

    事実関係だけを伝える短い記事であるが、「朝鮮民主主義人民共和国商標および意匠、原産地名事務所と中国国家工商行政管理総局との間で協力に関する合意文が平壌で調印された」と「朝鮮中央通信」が報じた。

    知的財産権保護や商標の扱いについて依然として大きな問題を抱える中国と北朝鮮が何を協力するのだろうかと考えてしまうが、中朝経済関係の一端を伝える報道である。

    <追記>
    北朝鮮側組織の名称だけに注目していたが、中国の「国家工商行政管理総局」について調べてみた。JETROのHPによると、同局は、

    「中華人民共和国国家工商行政管理総局(State Administration for Industry and Commerce of the People's Republic of China) (SAIC)(国家工商総局と略称)は中華人民共和国国務院が市場監督管理と関連する行政法執行業務を主管する正部級国務院直属機関であり、原中華人民共和国国家工商行政管理局から昇格した機関である。」

    JETRO:
    http://www.jetro-pkip.org/html/sfxz_64.html

    とあり、中国の市場経済システムの正常な運営を管理することもその主要職責としているようである。そうだとすると、今回の北朝鮮訪問は、知財権などの話をしに来たのではなく、中国の市場経済制度に関するレクチャーをするために訪朝した可能性がある。これが中国側からの求めなのか北朝鮮側からの求めなのかは分からないが、いずれにせよ、中朝経済協力を象徴する以上の内実があるのかもしれない。

    ウリミンジョクキリにアップロードされた動画を見ると、ここ数ヶ月の間に「朝鮮中央TV」は、金正日さんの中国訪問の記録映画を何編か放送したようであるし、5月29日にも金正日さんの「2000年5月29日-31日の非公式訪中」の記録映画が放送されたようである。単純に時期が重なるということだけなのかもしれないが、金正恩訪中に向けての準備が進んでいるのかもしれない。

    中国としては、金正恩訪中を受け入れる前提として、最低限、3回目の核実験を当分の間しないという約束を取り付ける必要があろう。さらに、中国が北朝鮮に求めてきた経済の改革・開放に向けて北朝鮮が肯定的な動きに出ることにも期待しているであろう。

    北朝鮮としても、干ばつにより食料生産が大きく減少することは確実な状況の中で、中国からの支援を取り付けることや中国の仲立ちで国際社会からの支援を取り付けること、さらには米国との対話の再開に期待を寄せているはずである。

    干ばつで再び朝鮮人民を苦しめないためにも、これを契機に北朝鮮が柔軟な態度を示し、国際社会がそれを受け入れるような流れはできないものであろうか。

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    川口智彦

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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
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