2016年12月25日、「朝鮮中央TV」で放送された「家庭教育」に関する特集番組。子供たちが周囲を走り回る中、叱りながらインタビューに答える公園デビューをしたばかりのような母親の自然な様子がおもしろくて見ていたが、後半部分では、家庭教育のhow toについても見せている。しかし、画一化されたhow toではなく、「子供にはそれぞれ異なる個性がある」ということを強調しているところが、ある意味、北朝鮮的ではなかった。専門家が「元帥様が、家庭教育は重要と仰った」と解説する部分はあるが、「思想・精神的」な教条色は薄い番組である。
コメントにも書いたが、2017年の「新年の辞」では、教育・文化に関することがほとんど扱われていなかった。しかし、こうした番組を見ていると、必ずしも教育が軽視されているわけではないことが伝わってくる。むしろ、12年制義務教育制度が定着してきたので、敢えてそれに触れる必要もなくなったと言えるのかもしれない。
教育ママのような女性が登場しているところもおもしろい。日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/12/25
なかなか興味深い動画ですね。
新年の辞で盛り込まれなかった要因として,
12年制義務教育制度の定着もあるでしょうが,
実際のところ,どの程度まで進捗したかは
今後精査する必要がありそうです。
恐らく,「教育」というカテゴリー内でも
幼稚園をはじめとした学校教育のほうではなく,
家庭すなわち家庭教育でなされるべきことを
啓発する方向性にシフトしていくかと考えます。
先日届いた11月発行の北朝鮮の教育雑誌におい
ても,家庭での,あいさつをはじめとする礼儀
道徳について具体的例示を含めた丁寧な記述が
ありました。つまり,あいさつという日常的な
部分がまだなされていない,とか,教師に対し
尊敬語を使えていない,などの事実があるわけで
非常に面白いところです。なお,教員側についても
授業中に机に手をついて(高圧的に)話さない,
とか,家庭訪問での立ち振る舞いなど細かく
示されるようになってきました。それらの理念は
既に金正日時代から存在し,いわゆるマルスムにも
ありますが,最近は,それらを恒常化していくという
方向性になっているものと考えます。なお,動画には
ありませんが,父親の家庭教育への参加も昔から言わ
れているものの,なかなか進んでいない状況がある
ようで,とりあえずは,まずは母親から…という感じに
なってきているような気がします。
コメント、ありがとうございます。「父親の家庭教育」ですが、この映画の中にも、下着のようなシャツを着て、仕方なさそうに子供の話を聞いている父親が登場します。母親の熱心さと比べるとあまりも差があり、とても印象的でした。やはり、教育パパではなく、教育ママが北朝鮮でも教育熱心なのでしょうね。
> なかなか興味深い動画ですね。
> 新年の辞で盛り込まれなかった要因として,
> 12年制義務教育制度の定着もあるでしょうが,
> 実際のところ,どの程度まで進捗したかは
> 今後精査する必要がありそうです。
> 恐らく,「教育」というカテゴリー内でも
> 幼稚園をはじめとした学校教育のほうではなく,
> 家庭すなわち家庭教育でなされるべきことを
> 啓発する方向性にシフトしていくかと考えます。
>
> 先日届いた11月発行の北朝鮮の教育雑誌におい
> ても,家庭での,あいさつをはじめとする礼儀
> 道徳について具体的例示を含めた丁寧な記述が
> ありました。つまり,あいさつという日常的な
> 部分がまだなされていない,とか,教師に対し
> 尊敬語を使えていない,などの事実があるわけで
> 非常に面白いところです。なお,教員側についても
> 授業中に机に手をついて(高圧的に)話さない,
> とか,家庭訪問での立ち振る舞いなど細かく
> 示されるようになってきました。それらの理念は
> 既に金正日時代から存在し,いわゆるマルスムにも
> ありますが,最近は,それらを恒常化していくという
> 方向性になっているものと考えます。なお,動画には
> ありませんが,父親の家庭教育への参加も昔から言わ
> れているものの,なかなか進んでいない状況がある
> ようで,とりあえずは,まずは母親から…という感じに
> なってきているような気がします。