金正恩 2017年新年の辞:平壌時間12時から (2017年1月1日 「朝鮮中央TV」)
『労働新聞』の記事を見ながらではあったが、やはり時間がかかった。「元帥様」今回は、時々下を見るが、原稿を読むのではなく、複数設置されたプロンプターを見ながら演説しているような感じがする。きちんとした比較はしていないが、今年は、「元帥様」が写る時間はこれまでの「新年の辞」で最短だと思う。去年から、演説内容に関する画像を入れるようになったが、ことしはほとんどがそれであり、党庁舎が写る時間も少なかった。また、拍手も少なかったような気がする。
演説と関連する画像を多用していることとも関連しているかも知れないが、「元帥様」の演説は大変分かりやすかった。そして、これまでになく、内容が非常に具体的であった。もちろん、中には無理難題と思われるような目標もあったが、これまでの「夢」の話ではなく、かなり現実的なことを言っていたと思う。「経済発展5カ年戦略」に何回も触れているが、この計画がかなり具体的に策定されていることの反映かもしれない。
また、演説の中で2回、人民に感謝の意を表している。これまでも1度はしていたが、2度はなかったのではなかろうか。また、その表し方もいやらしさやわざとらしさがない。
「首領様」と「将軍様」の昔話や、抽象的な「思想」の話が極めて少なかったのも今年の特徴ではないだろうか。なので、聞いていて(というか、翻訳していて)も、あまり飽きることがなかった。全文丁寧に聞いて、『労働新聞』の文字を追いかけながら字幕を付けるという作業はこれまでやったことはないが、こうした作業は、「新年の辞」の内容を深く把握するためにも大切だと感じた。ざっと読むのとは随分違う。
既にコメントで話題になっているが、「元帥様」、最後の方で興味深いことを言っている。こうした発言をしているのは、その前段と後段で、毎年繰り返されていることではあるが、党幹部の綱紀粛正を強く訴えていることとも関係あるのだと思う。「元帥様」自らが「人民の忠僕、忠実な小間使いとなる」と誓っているので、党幹部がそれに反するような行いをすれば、「反党」行為ものである。言葉だけではなく、努力が伴うような幹部が増えれば、それは人民にとって良いことであろう。
まだ見ていないが、朝鮮人民の「新年の辞に対する反応」番組の中では、ほぼ間違いなくこの部分について、「非常に感銘を受けた」というコメントが出されているはずである。
例によって、日本や韓国のメディアでは、「大陸間弾道弾ロケットが最終段階」ばかり大きく扱われている。実は、私はこの記事にざっと目を通したとき、ここよりも「静止衛星打ち上げのため」の「大出力エンジン」の話に注目した。この「大出力エンジン」は大陸間弾道弾にも静止衛星打ち上げにも使えるわけで、打ち上げる順序からすれば「静止衛星」の方が先になると思う。
南北関係では、朴槿恵は呼び捨て切り捨てられているが、新政権には少し期待しているような感じがうかがえる。一方、国際関係、特に米国に対する単独の呼びかけは全くない。韓国との軍事訓練絡みで言及しているのみで、それ以上のものはない。トランプ政権を対北朝鮮策を読むことができないのであろう。
「大陸間弾道弾」の話はさておき、演説全体の内容は、2017年、「元帥様」に「奮発して全心全力し」てもらいたいようなものであった。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2017/01/01
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12:00PSTにストリーミングが突然不調になった。国情院の妨害工作か。
2017年の「新年の辞」は、「昼12時(PST)から」とアナウンス。
演説と関連する画像を多用していることとも関連しているかも知れないが、「元帥様」の演説は大変分かりやすかった。そして、これまでになく、内容が非常に具体的であった。もちろん、中には無理難題と思われるような目標もあったが、これまでの「夢」の話ではなく、かなり現実的なことを言っていたと思う。「経済発展5カ年戦略」に何回も触れているが、この計画がかなり具体的に策定されていることの反映かもしれない。
また、演説の中で2回、人民に感謝の意を表している。これまでも1度はしていたが、2度はなかったのではなかろうか。また、その表し方もいやらしさやわざとらしさがない。
「首領様」と「将軍様」の昔話や、抽象的な「思想」の話が極めて少なかったのも今年の特徴ではないだろうか。なので、聞いていて(というか、翻訳していて)も、あまり飽きることがなかった。全文丁寧に聞いて、『労働新聞』の文字を追いかけながら字幕を付けるという作業はこれまでやったことはないが、こうした作業は、「新年の辞」の内容を深く把握するためにも大切だと感じた。ざっと読むのとは随分違う。
既にコメントで話題になっているが、「元帥様」、最後の方で興味深いことを言っている。こうした発言をしているのは、その前段と後段で、毎年繰り返されていることではあるが、党幹部の綱紀粛正を強く訴えていることとも関係あるのだと思う。「元帥様」自らが「人民の忠僕、忠実な小間使いとなる」と誓っているので、党幹部がそれに反するような行いをすれば、「反党」行為ものである。言葉だけではなく、努力が伴うような幹部が増えれば、それは人民にとって良いことであろう。
まだ見ていないが、朝鮮人民の「新年の辞に対する反応」番組の中では、ほぼ間違いなくこの部分について、「非常に感銘を受けた」というコメントが出されているはずである。
例によって、日本や韓国のメディアでは、「大陸間弾道弾ロケットが最終段階」ばかり大きく扱われている。実は、私はこの記事にざっと目を通したとき、ここよりも「静止衛星打ち上げのため」の「大出力エンジン」の話に注目した。この「大出力エンジン」は大陸間弾道弾にも静止衛星打ち上げにも使えるわけで、打ち上げる順序からすれば「静止衛星」の方が先になると思う。
南北関係では、朴槿恵は呼び捨て切り捨てられているが、新政権には少し期待しているような感じがうかがえる。一方、国際関係、特に米国に対する単独の呼びかけは全くない。韓国との軍事訓練絡みで言及しているのみで、それ以上のものはない。トランプ政権を対北朝鮮策を読むことができないのであろう。
「大陸間弾道弾」の話はさておき、演説全体の内容は、2017年、「元帥様」に「奮発して全心全力し」てもらいたいようなものであった。
日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2017/01/01
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12:00PSTにストリーミングが突然不調になった。国情院の妨害工作か。
2017年の「新年の辞」は、「昼12時(PST)から」とアナウンス。