韓国映画『仁川上陸作戦』:似ていない「首領様」、「元帥様」の髪型の司令官、マッカーサーは似ている、北朝鮮訛りを強調しすぎ、人民軍弱すぎ、1950年代にQUARTZの「金日成時計」 (2016年12月24日)
昨夜、韓国映画『仁川上陸作戦』のDVDを見た。もう少し後にならないとリリースされないのかと思っていたら、既に販売しているサイトがある。
この映画、『ヨンピョン海戦』と共に、北朝鮮を激怒させた映画であるが、その最大の理由は、「首領様」を登場させ「最高尊厳を冒涜」しているからであろうが、その「首領様」、役者がいなかったのか、全く似ていない。敢えて似ていない役者を使って「最高尊厳冒涜」のレベルを下げようとしているのではないかと思うほどである。「首領様」は、北朝鮮の「朝鮮記録映画」の中で本人を、「朝鮮芸術映画」の中で「首領様」役の役者をしばしば見るているが、とにかく、服装が「首領様」的であるという以外、突然出てきたら絶対に誰なのか分からない。もしかすると、南朝鮮人民のイメージにある「首領様」がああいう顔なのかもしれない。
また、「首領様」と「最高司令部」で会議をする様子も出てくるが、全く北朝鮮らしくない。「首領様」との口の利き方も態度も全くなっていないし、「首領様」の言葉遣いもよろしくない。もちろん、現実の「首領様」がどうだったのかは分からないが、もう少し北朝鮮らしく「首領様」を演出することは出来なかったのだろうか。
さらに、この映画にはソウルを占領している「司令官」という悪役が出てくるが、明らかに「元帥様」を意識している。特に、髪型を「元帥様」そっくいりにしており、その意図がはっきりと分かる。ご丁寧に、床屋のシーンまである。
その一方で、マッカーサーはそっくりさんを使っている。マッカーサーについては、常日頃、米国の古い記録映画を見ているわけでもないのでよく分からないが、静止画を比較してみるだけでもよく似ている。言動についてはよく分からないが。
この映画にはたくさんの人民軍人が登場するが、彼らが話す北朝鮮訛りは強調されすぎていて不自然極まりない。とにかく、特徴的な部分、例えば「ク」という音が「キ」になるような部分だけを強調しすぎているあまり、こんなふうに話す北朝鮮人はいるのというほど不自然だ。私が直接会った北朝鮮人の数など知れているが、それでも「朝鮮中央TV」に登場する人々は数多く見ている。その人々の中で、これほどおかしな北朝鮮訛りを使う人は見たことがない。映画の演出だといえばそれまでだが、不快なほどにおかしい。ハリウッドの英語がベースの映画の中で、変な日本人が変な日本語を話す場面は時々あるが、『仁川上陸作戦』は韓国語がベースとなっているので、もう少し何とかならなかったのだろうか。
この映画が、どこまで事実に基づいて製作されているのかは分からないが、ともかく「人民軍」が弱すぎる。これについては、北朝鮮映画の中に登場する「傀儡軍」が弱すぎるのと同じではあるが、「人民軍」はバタバタと倒れるし、間抜けのように描かれている。
しかし、この映画製作には、優秀な「元帥様」の工作員が関与していたようで、北朝鮮の先端技術もちらっと紹介している。映画の中で、「司令官」が北朝鮮の工作員に賞として「金日成時計」を手渡すシーンがある。一応、1950年代のオメガを模して作られはいるのだが、そこでは北朝鮮の驚くべき最先端技術が紹介されている。なんと、1950年代にQUARTZ腕時計を作る技術を有していたのである。オメガの機械式ムーブメントを取り出し、「首領様」の「尊名」をプリントするついでに、超先端技術で作ったQUARTZムーブメントに入れ替えていたのであろう。
商用映画なので、映像を紹介するのは気が引けるが、これだけは拡大して紹介しておく。

Source: 『仁川上陸作戦』
南朝鮮人民にとってはどうでもよいことなのであろうが、この辺り、作りが甘すぎる。「首領様」の「尊名」も形がおかしい。本物は下の写真。

ともあれ、映画自体はとてもおもしろい。「傀儡軍」を応援しながら見るもよし、私のように「人民軍」がやられるのでやきもきしながら見るもよし、DVDも安価で通販しているので、お勧めしておく。
『仁川上陸作戦』オフィシャルプレビュー
Source: YouTube
この映画、『ヨンピョン海戦』と共に、北朝鮮を激怒させた映画であるが、その最大の理由は、「首領様」を登場させ「最高尊厳を冒涜」しているからであろうが、その「首領様」、役者がいなかったのか、全く似ていない。敢えて似ていない役者を使って「最高尊厳冒涜」のレベルを下げようとしているのではないかと思うほどである。「首領様」は、北朝鮮の「朝鮮記録映画」の中で本人を、「朝鮮芸術映画」の中で「首領様」役の役者をしばしば見るているが、とにかく、服装が「首領様」的であるという以外、突然出てきたら絶対に誰なのか分からない。もしかすると、南朝鮮人民のイメージにある「首領様」がああいう顔なのかもしれない。
また、「首領様」と「最高司令部」で会議をする様子も出てくるが、全く北朝鮮らしくない。「首領様」との口の利き方も態度も全くなっていないし、「首領様」の言葉遣いもよろしくない。もちろん、現実の「首領様」がどうだったのかは分からないが、もう少し北朝鮮らしく「首領様」を演出することは出来なかったのだろうか。
さらに、この映画にはソウルを占領している「司令官」という悪役が出てくるが、明らかに「元帥様」を意識している。特に、髪型を「元帥様」そっくいりにしており、その意図がはっきりと分かる。ご丁寧に、床屋のシーンまである。
その一方で、マッカーサーはそっくりさんを使っている。マッカーサーについては、常日頃、米国の古い記録映画を見ているわけでもないのでよく分からないが、静止画を比較してみるだけでもよく似ている。言動についてはよく分からないが。
この映画にはたくさんの人民軍人が登場するが、彼らが話す北朝鮮訛りは強調されすぎていて不自然極まりない。とにかく、特徴的な部分、例えば「ク」という音が「キ」になるような部分だけを強調しすぎているあまり、こんなふうに話す北朝鮮人はいるのというほど不自然だ。私が直接会った北朝鮮人の数など知れているが、それでも「朝鮮中央TV」に登場する人々は数多く見ている。その人々の中で、これほどおかしな北朝鮮訛りを使う人は見たことがない。映画の演出だといえばそれまでだが、不快なほどにおかしい。ハリウッドの英語がベースの映画の中で、変な日本人が変な日本語を話す場面は時々あるが、『仁川上陸作戦』は韓国語がベースとなっているので、もう少し何とかならなかったのだろうか。
この映画が、どこまで事実に基づいて製作されているのかは分からないが、ともかく「人民軍」が弱すぎる。これについては、北朝鮮映画の中に登場する「傀儡軍」が弱すぎるのと同じではあるが、「人民軍」はバタバタと倒れるし、間抜けのように描かれている。
しかし、この映画製作には、優秀な「元帥様」の工作員が関与していたようで、北朝鮮の先端技術もちらっと紹介している。映画の中で、「司令官」が北朝鮮の工作員に賞として「金日成時計」を手渡すシーンがある。一応、1950年代のオメガを模して作られはいるのだが、そこでは北朝鮮の驚くべき最先端技術が紹介されている。なんと、1950年代にQUARTZ腕時計を作る技術を有していたのである。オメガの機械式ムーブメントを取り出し、「首領様」の「尊名」をプリントするついでに、超先端技術で作ったQUARTZムーブメントに入れ替えていたのであろう。
商用映画なので、映像を紹介するのは気が引けるが、これだけは拡大して紹介しておく。

Source: 『仁川上陸作戦』
南朝鮮人民にとってはどうでもよいことなのであろうが、この辺り、作りが甘すぎる。「首領様」の「尊名」も形がおかしい。本物は下の写真。

ともあれ、映画自体はとてもおもしろい。「傀儡軍」を応援しながら見るもよし、私のように「人民軍」がやられるのでやきもきしながら見るもよし、DVDも安価で通販しているので、お勧めしておく。
『仁川上陸作戦』オフィシャルプレビュー
Source: YouTube