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    「朝鮮人民軍創建60周年記念中国時計」:なかなかシブイ時計、時間も正確、昆明手表廠の「春城」ブランド (2016年11月26日)

    上海からシブイ時計が届いた。細かないきさつは分からないが、文字盤に「1992.4.25」とプリントされ、赤い大きな星が12時の下に描かれている。中国で1992年4月25日が特別な日なのかは調べていないが、どうやら中国関連の日ではなく、「朝鮮人民軍創建60周年」を中国が北朝鮮と共に祝して作った時計のようだ。

    PB260669.jpg

    北朝鮮製の時計ではなく、裏面には雲南省昆明と記され、英文字でChuncheng(春城)と書かれている。リューズトップにも裏面に書かれているロゴと同じロゴがあるので、春城の正規品であろう。Baidu(最近、中国語が分からないながらも活用している)で調べてみると、中国各地の色々なメーカーがこのデザインの時計を作ったようで、裏蓋には色々なメーカー名やブランド名が記載された写真が出てくる。
    PB260670.jpg

    朝鮮人民軍創建60周年に際し、中国人民解放軍の軍人に配られたのであろうか。しかし思えば、1992年は中国と韓国が国交を樹立した年である。それが人民軍創建60周年と重なり、その年に中国でこんな時計が作られたというのも、偶然とはいえ、おもしろい。

    この時計、飾りにすれば良いという程度で入手したのだが、実に正確に時を刻んでくれる。しばらく使われていなかったからなのか、はじめはゼンマイの巻き上げが充分にできず、10時間ぐらいで止まってしまったが、だんだん馴染んできたのか、ゼンマイの巻き上げ回数も増えてきた(固いと感じるポイントが変わってきた)。しかも、風防はプラスチック、余計な機能は一切無し。ベルトは私の腕にはきつすぎたので、日本で買ったメッシュのステンレスベルトに換えたが、なかなか良い感じである。過去記事で紹介した、香港製(中国製?)の「共和国旗」時計は文字盤が大きすぎて、多少邪魔感があったが、この時計は文字盤も小さく、しかしながら分を表示する棒も長めに書かれているので、老眼には嬉しい。

    しばらくは、活躍してもらおうと思っている。

    <追記>
    中国製時計も奥が深いようで、色々なサイトがある。日本語は比較的少ないが、下記のブログを書かれている方は、多種収集されているようだ。

    中国式機械時計の世界、http://from-shanghai.com/

    この時計のムーブメントについて調べていたところ、Tongji (统机)という中国標準のムーブメントが使われているようだ。

    Shanghai-ZSH.jpg
    Source: Chinese Watch Wiki, Chinese Standard Movement, http://chinesewatchwiki.net/Chinese_Standard_Movement

    上の写真は、人民軍創建60周年記念時計のものではない。裏蓋を開けて中を見たいところだが、簡単には開きそうではなかった。クオーツ式の安物時計の裏蓋はこれまでいくつも開け、電池交換をしているのだが、さすがにアンティーク時計は、壊したくないので慎重になってしまう。

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    珍しい時計(再送)

    珍しい時計ですね

    中国雲南省昆明製の北朝鮮の記念腕時計拝見しました。
    面白い来歴の時計ですね。
    日経のネット記事で、金日成が自身の80歳の誕生日を祝うために腕時計を配ることになり、中国の「上海」腕時計で有名な上海手表廠に生産注文があったそうです。
    注文数は200万個!。それが1992年でした。
    改革開放で海外のクオーツ腕時計に人気が移り、経営が行き詰まっていた上海手表廠は、この特需で大忙しだったようです。
    その余波で、雲南省昆明の時計工場にも注文がまわって来たのでは?と想像しました。

    Re: 珍しい時計(再送)

    コメントありがとうございます。メールアドレスが記入されていましたので、コピペで「再送」とさせて頂きました。ブログ(テンプレート)の仕様で、メルアドは記入不要というお知らせもできず、また、記入されたメルアドは自動で公開されてしまうこともお知らせできません。申し訳ございません。

    さて、「金日成の誕生日」という件ですが、彼の誕生日であれば、日付は「4月15日」とされたはずです。「4月25日」は、朝鮮人民軍が創設された日(抗日遊撃隊が組織された日)なので、この赤星時計は、それを記念したものだと思います。中国のオークションでも、かなり頻繁に出ているので、200万個というのもありのような気がします。ただ、50周年でもなく、60周年という、ある意味半端な年に、なぜこの時計を出したのかは疑問です。私は、やはり韓国との国交正常化が関係しているのではないかと思っています。

    金日成時計で、中国モノは見たことがありません。私が見たものは、全てオメガ製です。このオメガ製金日成時計については、そのうちに記事にできると思います。

    92年というと、クォーツ時計の時代ですが、中国でも同様だったのでしょうか。この辺り、よく分かりません。想像ですが、内陸部では、電池の供給が出来なかったので、機械時計がまだまだ強かったような気がします。90年代初頭の中国には何回か行っていますが、沿海部でも自転車がたくさん走っており、時計も機械式では…とう気がしています。




    > 珍しい時計ですね
    >
    > 中国雲南省昆明製の北朝鮮の記念腕時計拝見しました。
    > 面白い来歴の時計ですね。
    > 日経のネット記事で、金日成が自身の80歳の誕生日を祝うために腕時計を配ることになり、中国の「上海」腕時計で有名な上海手表廠に生産注文があったそうです。
    > 注文数は200万個!。それが1992年でした。
    > 改革開放で海外のクオーツ腕時計に人気が移り、経営が行き詰まっていた上海手表廠は、この特需で大忙しだったようです。
    > その余波で、雲南省昆明の時計工場にも注文がまわって来たのでは?と想像しました。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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