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    「論評:米国は北朝鮮核問題の裁判官として行動する根拠はない」:『人民日報』、米国防長官の中国非難を排撃、北核問題の根源は米国にある (2016年9月14日 「人民日報」)

    14日の『人民日報』(英語ネット版)に「「論評:米国は北朝鮮核問題の裁判官として行動する根拠はない」という記事が掲載された。基本的には、過去記事で紹介した中国外交部定例記者会見における報道官発言と同じであるが、ロシアによるクリミア併合で一方的に米国がロシアを非難したなどとしながら、「米国はトラブルメイカー」だと非難している。

    「論評」では、「最近の北朝鮮による核実験後、中国は積極的に外国活動を展開してきた」し「この問題を最終的に解決するための安保理討議にも加わっている」とした上で、「米国は中国を非難しているが、米国は本当にこの問題を北朝鮮の核問題の解決策を模索しているのか疑問である」と米国の姿勢を非難している。

    China has so far been a team player on this issue, implementing every one of the resolutions adopted by the UN Security Council. After North Korea’s latest nuclear violation, China made a series of proactive diplomatic moves. China will also continue participating in UN Security Council discussions so as to contribute to the final resolution of the issue. Thus, the ongoing assignation of blame to China by the U.S. calls into question whether the U.S. really even wants to find a solution.

    そして、THAADの韓国配備について、「疑う余地なく、米国はTHAADが北朝鮮の核問題の完全解決に繋がるものではないことは知っているし、米国がTHAAD配備に拘るのは自国の利益拡大のための言い訳と思われてならない」とTHAAD韓国配備を非難している。

    Undoubtedly, the U.S. knows that THAAD is not a cure-all solution to the nuclear issue; the country’s insistence on THAAD comes across mostly as an excuse to further its own interests.

    その上で、

    ここ数年、米国は国際社会においてトラブルを起こす癖が酷くなり、北朝鮮の核問題に対する対応もその一例に過ぎない

    In recent years, the U.S. has developed a habit of causing trouble in the international community, and the North Korea nuclear issue is only one example of this behavior.

    と、北朝鮮の核問題の根源が米国にあることを示唆している。

    そして、結論として、

    全てにおいて、米国は基本的なモラルに反する行動をしているだけではなく、重要な問題(複数)の解決を困難にしている。米国が北朝鮮について肝に銘ずべきことは、核問題を巡る(THAAD韓国配備などの)思惑は危険であり、(核問題解決のための)大きな構図を描くことを無視する行動は、緊張を高めるだけである
    All in all, the U.S. has not only violated fundamental morals, but also made it harder to resolve a number of important issues. What the U.S. should keep in mind about North Korea is that speculation on the nuclear issue is risky, and neglecting the big picture will only aggravate tensions.

    とまとめている。

    このような主張を党機関誌でしている中国と、岸田外相はどうやって「連携」するつもりなのだろうか。米韓との「連携」をやめるつもりならそれでもよいのだが。「元帥様」の空虚な宣伝を日々分析している者としては、自分の国の政府の空虚な宣伝は聞くに堪えない。

    『人民網』(英語ネット版)、「Commentary: US has no grounds to act as judge on North Korea nuclear issue」、http://en.people.cn/n3/2016/0914/c90000-9115255.html

    中国語原文は、「人民日报钟声:朝核问题,美国不是局外人和裁判官」

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    非公開コメント

    久しぶりに訪問。

    で、因みに、一つ気になりましたが、

    〉「元帥様」の空虚な宣伝を日々分析して〉いる

    じゃあ、やめれば良いのでは?

    因みに、駐英大使の亡命の件って、記事出してはりましたったけ?
    どのように見られてたのかな?

    Re: タイトルなし

    久しぶりにコメントありがとうございます。発言が空虚であることと、分析をすることとは全く関係ありません。英国大使の件は記事にしていません。理由は、韓国側の発表だけで、北朝鮮はそれに対するコメントはまだ出していないからです。見落としているかもしれませんので、もしご存じでしたらご教授下さい。

    > 久しぶりに訪問。
    >
    > で、因みに、一つ気になりましたが、
    >
    > 〉「元帥様」の空虚な宣伝を日々分析して〉いる
    >
    > じゃあ、やめれば良いのでは?
    >
    > 因みに、駐英大使の亡命の件って、記事出してはりましたったけ?
    > どのように見られてたのかな?
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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
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