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    「朝鮮人民軍最高司令部特別作戦行動小組革命武力の特別行動がすぐに始まると通告」(2012年4月23日「朝鮮中央通信」)

    昨日出された「朝鮮民主主義人民共和国外務省スポークスマン声明」に続き、今日「朝鮮人民軍最高司令部特別作戦行動小組革命武力の特別行動がすぐに始まると通告」がなされた。

    昨日の声明では、李明博政権を激しく非難した後、「朝鮮民主主義人民共和国外務省は、今、朝鮮半島で何かことが起こる場合、その責任は全的に李明博逆徒にあることを厳粛に宣言する」とし、さらに「万が一、同盟者や同伴者だといい、人類道徳まで無惨にも踏みつけた人間のくずの肩を持ちながら、我々民族内部のことに干渉しようとする国があれば、天に達する我が軍隊と人民の憤怒の矛先は免れないであろう」と北朝鮮が韓国を攻撃した場合、他国がそれに干渉することに対する警告を発している。

    これだけでも、危ない雰囲気を感じていたのだが、さらに今日、「最高司令部通告」がなされたわけである。「最高司令部通告」でも、「逆賊一味の分別のない挑発を叩きつぶすための我々の革命武力の特別行動がすぐに開始されることを知らせる」とし、「特別行動の対象は、主犯である李明博逆賊一味であり、公正な言論の支柱を揺るがしている保守言論媒体を含んだネズミ野郎一味である」としている。また、「革命武力の特別行動は、いったん開始されれば、3~4分、いやそれよりももっと短い瞬間に今まであったことのない特異な手段と我々式の方法で全てのネズミ野郎一味と挑発の根源を燃え上がる火の中で焦土と化してしまうであろう」としている。

    このような「外務省談話」のみならず「最高司令部通告」が出されたことからして、北朝鮮が韓国に対し何らかの実力行使に出る可能性が排除できなくなった。私はこれまで、北朝鮮のこうした威嚇は、11月の大統領選挙に向けての民心誘導を主たる目的としたものと考えていたが、「最高司令部」が「通告」を出したとすると、これは金正恩さんの「命令」ととらえられうので、危険の度合いは高まったといえよう。ただし、上に訳出した「通告」で述べられている具体的手段を見ると、「今までにあったことのない特殊な」とか「3~4分で」などという表現を使い、あたかも攻撃が「核」によって行われるようなことを連想させている。確かに、青瓦台と保守言論機関は、核爆弾を使用すれば一瞬にしてまとめて燃え上がらせることはできるが、そんなことに北朝鮮が核をはずがない。核の使用は自滅を意味するからである。こうした実施不可能なことをいっていることからすると、単なる脅しのような気がしないでもないが、十分な警戒が必要であることには違いない。

    また、昨日出された「談話」は「労働新聞」にも掲載されているので、そろそろ「李明博逆徒に懲罰を下す」というかけ声だけではなく、「行動」として人民軍兵士や朝鮮人民に示さなければ、金正恩さんが腰抜け扱いをされてしまう段階に達しつつあることも事実である。

    今週は、実は、ミサイル発射予告がされた週以上に韓国のみならず、日米も北朝鮮の軍の動きなどを注視する必要がありそうである。特に、朝鮮人民軍創設80周年の15日を中心に前後数日間が最も危険ではないだろうか。

    「労働新聞」の「外務省声明」
    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-04-23-0020

    「最高司令部通告」はKCNA

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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
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