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    「米日反動とその追随一味がいくら吠えても我々の衛星はさらに力強く打ち上げられるであろう 朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマン談話」(2012年4月20日「労働新聞」)

    「労働新聞」がついに朝鮮人民に衛星の「軌道進入失敗」を認める記事を掲載した。なかなか出ないので、「朝鮮中央TV」で速報だけ出しておき、終わるのかなとも思ったのだが、この「スポークスマン談話」で「力強く」失敗を認めている。

    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-04-20-0013&chAction=L

    北朝鮮の衛星発射に際して「真理に共感し正義を愛する人々は、一様に声援と期待の声を高めた」にもかかわらず、「敵対勢力は不当な主張と詭弁で世論をごまかし」、「その先頭には米日反動が立っており、李明博特等下手人がうるさく吠えている」とし、米国、日本と共に李明博政権を非難している。これまでの衛星発射に関する北朝鮮の主張では、米国と韓国がその非難対象となり、日本はほとんど無視されていた。しかし、今回の記事からは日本が米国と同列の非難の対象に昇格されていることが特徴的である。その理由の一つは、これまでの議論では衛星発射と2.29米朝合意の関係が中心であったが、既にそれが「米国により破棄された」という北朝鮮の認識の下、安保理議長声明に焦点が移り、衛星発射に強く抗議してきた日本が浮上したのであろう。もう一つは、2.29合意破棄で米朝対話が一時停止している状況の中で、北朝鮮が日本へのシグナルを送っているのではないだろうか。北朝鮮は、硬軟織り交ぜたラブコールをしばしば送るが、今回は衛星発射についての日本の対応を非難しておきながら、一方では「日本からの訪朝団に宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使が伝え、日本側から収集や返還の要請があれば応じる考えを示」すなど融和的な姿勢も見せている。

    「終戦前後の残留邦人の遺骨返還も 北朝鮮大使、訪朝団に」
    http://www.47news.jp/news/2012/04/post_20120420020101.html

    北朝鮮は、衛星発射についてこれまでの主張を繰り返しているが、「我々は、そもそも敵対勢力の不純な企ての産物である国連安保理決議というものを認めていない。さらに、そこには我々の衛星発射を禁止するという条項はない」としている。北朝鮮が「国際機構としての公正性を失ってしまった」と主張する安保理決議を認めていないことは分かるが、「衛星発射を禁止する条項はない」と主張しているということは、北朝鮮としては衛星運搬ロケットに「弾道ミサイル技術」が使われていないと考えていることの証左であろう。

    こうしたことを前提に朝鮮宇宙区間技術委員会は、3つの原則を示した。

    第一に、「民族の宇宙科学と技術を知識経済時代の要求に合うように高めることもするが、李明博逆賊のような特等下手人どもからまず一時も早く除去しなければならない」と無関係な二つの案件を並べている。以下では李明博さんに対する罵倒が繰り広げられるが、そこからも分かるようにこれは衛星発射の話ではなく、李明博政権への非難である。一昨日の記事にも書いたように、北朝鮮はより強化された李明博非難モードに入っている。そして、

    「そもそも李明博逆賊は、科学と技術の見地での知能指数が2MBしかない無知で夢想する白痴であり、初歩的な科学的分別の力もない低能児である」

    「衛星と長距離弾道ミサイルもまともに区別できず、我々の衛星発射を『軍事競争』の産物であると騒いでいることもやなり、彼が政治と軍事の最も初歩的な問題も理解できない低能児であるからである」

    「日本の地で育ち、特有のずる賢さと商人気質が骨身にしみこんでおり・・・」
    (日本人がおしなべて「ずるがしこい商人」であるという「神話」は、北朝鮮では依然として健在のようである。80年代の韓国では、この話をよく聞かされたが、最近の韓国ではこの「神話」はどうなってしまったのであろうか。)

    「歴代の青瓦台『主人たち』さえ、李明博逆徒のような『未熟な大統領』、『馬鹿大統領』、『無知な大統領』はいなかった」

    などとあらゆる悪態を使いながら罵倒した上で、民心に従い「李明博逆徒は、既に時遅しという感がないわけでもないが、自ら」身を引くことを要求している。

    第二に、「宇宙科学と技術を軌道に乗せるためであれば、科学技術分野でも敵対勢力の強い妨害策道を粉砕し、自主権を徹底して守護しなければならない」と主張し、衛星発射が「宇宙条約」で認められた「自主権」であり、それを踏みにじられることは、過去において朝鮮が植民地化されたのと同じであるという文脈で、衛星発射の正統性を強調している。

    第三に、「我々軍隊と人民は、米日反動とその追随勢力の強い妨害策道を粉砕し、先軍の道に従い宇宙の平和的利用のためにさらに力強く前進するであろう」とし、続いて「我々の科学者、技術者は、既に『光明星3』号を軌道に乗せられなかった原因について具体的かつ科学的な解明を終えた状態にある」とし、衛星の軌道進入失敗を認めている。しかし、失敗を後ろ向きにとらえるのではなく、「今回得た全ての科学技術的資料と貴重な経験は、今後の宇宙開発のためのまたとない貴重な材料として、さらに大きな成功の心強い担保となるであろう」とした上で、「我々には宇宙開発システムを最先端の要求に合うように拡大強化し、国家の経済発展に必須的な実用衛星を継続して打ち上げることを含む総合的な国家宇宙開発計画がある」とし、さらなる衛星発射の可能性を示唆している。

    そして、米朝2.29合意との関連で「今、米国がわずかな食料『支援』の風呂敷を振り回しながら、我々の宇宙開発の権利を奪おうと画策しているが、それは愚かな妄想に過ぎない」とし、米国からの援助などなくても「社会主義の富貴と栄華を心置きなく成就することができる土台が十分に作られている」としている。

    この記事を一度投稿し、「朝鮮中央TV」の「政治低能児の許せない反民族的妄動」という対談型の番組を見始めたが、こちらでも李明博さんが「北朝鮮の衛星発射や太陽節に使った費用がいくらでそれでどれだけのトウモロコシが買える」などと発言をしたことに対して強く反発している。李明博さんも「犬野郎」から「ネズミ野郎」さらに、「虫のような奴」にまで格下げされ、さらに「20時報道」に登場した憤怒に満ちた若い兵士は「李明博のような野郎に銃弾を使うのは勿体ない。この銃剣で切り裂いてやる」と発言している。まだ見ていないが、反李明博大会の様子を伝える動画もダウンロードできたので追ってみることにするが、こちらでは何を言っているのであろうか。それにしても、今からこんなに爆発させてしまうと、11月の選挙まで反李明博モードが持たないような変な心配をしてしまうほどである。材料がなくなり、韓国に対して実力行使をするようなことだけはやめて欲しいのだが。

    「政治低能児の許せない反民族的妄動」
    http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=9442

    「20時報道」
    http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=9439

    「反李明博大会」
    http://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=9435

    「政治低能児の許せない反民族的妄動」で映し出された「李明博逆徒」
    2012-04-20-19flv_000146880.jpg
    Source: KCTV,ttp://www.uriminzokkiri.com/php_tmp/download.php?categ1=12&no=9442

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    川口智彦

    Author:川口智彦
    「朝鮮中央TV」ワッチャー

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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.

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