「平壌大同江ビール祝典開幕」:一気飲みをしている女性 (2016年8月12日 「朝鮮中央通信」)
12日、「朝鮮中央通信」が「平壌大同江ビール祝典開幕」の様子を伝える動画を配信した。「朝鮮中央TV」でも13日の「20時報道」で同開会式の様子が報じられた。
「朝鮮中央通信」の動画でおもしろいのは、大ジョッキでビールを飲む女性に対して「はやく、もっとはやく」と一気飲みを促す場面が写っている点である。この女性、周囲にいる男性の鞄などを見ると在外朝鮮人の可能性もある(また、後でビール味当て競技に参加するためにステージにも上がっている)が、もし、北朝鮮で女性に一気飲みをさせるという文化があるのならば、それは新たな発見である。
興味深いことは、過去記事で紹介した「朝鮮の今日」に掲載された動画の中で「女性やビール愛好家に」と言っていたことと合わせて考えると、どうやら北朝鮮ではビールに関しては飲酒扱いされていないのではないかということである。過去に紹介した「禁煙キャンペーン」動画の中では、「朝鮮女性はタバコを吸わない」とはっきりと言い切っており、女性の喫煙は悪という社会認識を明確に表していた。飲酒に関しては、悪とまでは言っていないものの、「朝鮮芸術映画」や「ドラマ」を見ていると、北朝鮮の女性は酒を勧められても断って飲まないだけではなく、「南朝鮮」の堕落した女性像として喫煙と飲酒をする場面がしばしば使われている。
それにもかかわらず、「堕落した日本資本主義社会」ですら好ましくない行為とされている行為を、「健全な社会主義朝鮮」で女性に促している場面はとてもおもしろい。
それにしても、夏という時期的なことがあるにせよ、このところ「大同江ビール」のキャンペーンが盛り上がっている。一時、北朝鮮のテレビで「大同江ビール」のコマーシャルが流れ、「将軍様」が「資本主義的だ」と止めさせたという話を読んだことがある(コマーシャルの放送も含めて、筆者は未確認事項である)が、「遠い将来を見据えてて」、「将軍様」が作って下さった「大同江ビール」を再び大々的に宣伝するのかもしれない。北朝鮮の焼酎は、中国の北レストランで飲むことができるが、ビールは輸送コストがかかるので提供されていない(丹東や図們など、国境地帯のレストランでも私が行った限りではなかった)。現状、瓶ビールしかない同ビールの缶ビール生産が開始されれば、輸出がより容易になり、中国市場でも北朝鮮タバコのように流通するようになるのかもしれない。
「元帥様」がやるとすれば、それだろう。あまり意識してはいなかったが、北朝鮮では缶ジュースや缶ビールがなかったような気がする。ペットボトルは普通に流通しているが、やはり生産に大量の電力を要するアルミの生産ができないのは、電力供給事情がネックになっているのかもしれない。
「朝鮮中央通信」動画。日本語字幕付き。
Source: KCNA, 2016/08/12
「朝鮮中央TV」の「20時報道」より。日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/08/13
ともあれ、「小組」公演を聞きながら、「大同江ビール」を一気に飲みたいものだ。「20数日」以内に北朝鮮に行けると良いのだが。
「朝鮮中央通信」の動画でおもしろいのは、大ジョッキでビールを飲む女性に対して「はやく、もっとはやく」と一気飲みを促す場面が写っている点である。この女性、周囲にいる男性の鞄などを見ると在外朝鮮人の可能性もある(また、後でビール味当て競技に参加するためにステージにも上がっている)が、もし、北朝鮮で女性に一気飲みをさせるという文化があるのならば、それは新たな発見である。
興味深いことは、過去記事で紹介した「朝鮮の今日」に掲載された動画の中で「女性やビール愛好家に」と言っていたことと合わせて考えると、どうやら北朝鮮ではビールに関しては飲酒扱いされていないのではないかということである。過去に紹介した「禁煙キャンペーン」動画の中では、「朝鮮女性はタバコを吸わない」とはっきりと言い切っており、女性の喫煙は悪という社会認識を明確に表していた。飲酒に関しては、悪とまでは言っていないものの、「朝鮮芸術映画」や「ドラマ」を見ていると、北朝鮮の女性は酒を勧められても断って飲まないだけではなく、「南朝鮮」の堕落した女性像として喫煙と飲酒をする場面がしばしば使われている。
それにもかかわらず、「堕落した日本資本主義社会」ですら好ましくない行為とされている行為を、「健全な社会主義朝鮮」で女性に促している場面はとてもおもしろい。
それにしても、夏という時期的なことがあるにせよ、このところ「大同江ビール」のキャンペーンが盛り上がっている。一時、北朝鮮のテレビで「大同江ビール」のコマーシャルが流れ、「将軍様」が「資本主義的だ」と止めさせたという話を読んだことがある(コマーシャルの放送も含めて、筆者は未確認事項である)が、「遠い将来を見据えてて」、「将軍様」が作って下さった「大同江ビール」を再び大々的に宣伝するのかもしれない。北朝鮮の焼酎は、中国の北レストランで飲むことができるが、ビールは輸送コストがかかるので提供されていない(丹東や図們など、国境地帯のレストランでも私が行った限りではなかった)。現状、瓶ビールしかない同ビールの缶ビール生産が開始されれば、輸出がより容易になり、中国市場でも北朝鮮タバコのように流通するようになるのかもしれない。
「元帥様」がやるとすれば、それだろう。あまり意識してはいなかったが、北朝鮮では缶ジュースや缶ビールがなかったような気がする。ペットボトルは普通に流通しているが、やはり生産に大量の電力を要するアルミの生産ができないのは、電力供給事情がネックになっているのかもしれない。
「朝鮮中央通信」動画。日本語字幕付き。
Source: KCNA, 2016/08/12
「朝鮮中央TV」の「20時報道」より。日本語字幕付き。
Source: KCTV, 2016/08/13
ともあれ、「小組」公演を聞きながら、「大同江ビール」を一気に飲みたいものだ。「20数日」以内に北朝鮮に行けると良いのだが。