「祝福された女俳優-金日成桂冠人、人民俳優、金ジョンファ-」:「将軍様」が育てた俳優、韓国情報は間違い、嘘つき脱北者 (2016年5月2日 「朝鮮中央TV」)
1日、「朝鮮中央TV」で「祝福された女俳優-金日成桂冠人、人民俳優、金ジョンファ-」という「紹介編集物」が放送された。同番組は、2日にも再放送されている。
この女性は、過去記事でも紹介した「朝鮮芸術映画」、『名もない英雄達(이름 없는 영웅들)』の中で女性の主役を演じている。
「還暦を越えた」とナレーション。

Source: KCTV, 2016/05/01

Source: KCTV, 2016/05/01
『名もない英雄達』に登場したときの写真。写真を見ればこの女性だと分かるが、それまで分からなかった。右は、過去記事でも話題にした金リョンリン。

Source: KCTV, 2016/05/01
実は、金ジョンファ自体に関心があってこの番組を見直したのではなく、「第7回党大会」も近いことだし、高英姫と繋がる何かがあるのではないかと、韓国情報を検索しながらこの番組を見ていたのだが、高英姫との直接的な繋がりはなかった。
しかし、金ジョンフアも「将軍様」に愛された(恐らく、俳優としてだけ)俳優で、「平壌演劇映画大学」を卒業して直ぐに主役として『名もない英雄達』に出演した。「将軍様は、金ジョンファさんを近くに呼ばれ、一つ、一つ演技を教えて下さり」、「新人俳優である彼女を功勲俳優にして下さりました」とナレーションでは言っている。「将軍様」は、「1部と2部ではぎこちないところがあったが、3~5部では成長した」と褒めるなどしているので、やはりお気に入りの俳優であったのだろう。
「平壌演劇映画大学」

Source: KCTV, 2016/05/01
「功勲俳優」となる金ジョンファ

Source: KCTV, 2016/05/01
韓国情報と合わせて、彼女について調べていておもしろかったのは、彼女の出身についてである。反政府系の『統一ニュース』の記事、「脱北俳優・金ヘヨンの嘘、『くちぶえ』は禁止されたのか?」の中で、この「脱北俳優」が「平壌演劇映画大学では『労働者をはじめとした最下層からは学生を選抜しない』」と語っている点に反論し、ホン・ヨンフィ、金リョンリンと金ジョンファの経歴を紹介しながら、金ジョンファは「運転手養成教育を受けた」と書いている。
『統一ニュース』、「탈북 배우 김혜영의 거짓말.. <휘파람> 과연 금지곡일까? <유영호의 북한영화 바로보기> 탈북자의 거짓말 ④」、http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=82564
ついでに、もう1つ調べてみると、「1954年生まれ。平壌市リョンソン区域ファソンリの軍人家庭で出生。清津高等運輸学校で運転手養成教養を受けた」と書かれている。
『統一新聞』、「북녁의인기스타(공훈배우김정화)」、http://www.unityinfo.co.kr/sub_read.html?uid=582§ion=sc9
一方、この「番組」では、「村人は、幼少期の彼女を幼い映画狂信者」と呼び、「1960年代には、彼女が住んでいた村にはテレビがありませんでした。移動映像隊が来たという知らせを聞くと、彼女は10里以上の道を駆けて映画を見に行き、深い夜、怖い峠の道を一人で歩いて帰ってきました」と言っている。「彼女が住んでいた村にはテレビがない」というナレーションからは、彼女が平壌に住んでいたことはないようだ。
幼い頃の金ジョンファ

Source: KCTV, 2016/05/01
そして、「中学を卒業して通っていた、当時の、咸興化学工業大学まで中退し、家に戻ってきました」とナレーションは続く。この大学で自動車の運転を習っていた可能性はあるが、どうもそうではなさそうだ。
『フィパラム(口笛)』まで禁止曲になったという「脱北俳優」の稚拙な嘘はさておき、韓国情報は何を参照しているのであろうか。有名人ではあるとはいえ、一映画俳優の来歴などでっち上げる必要もないので、北朝鮮が嘘を言っているようにも思えないのだが。
この女性は、過去記事でも紹介した「朝鮮芸術映画」、『名もない英雄達(이름 없는 영웅들)』の中で女性の主役を演じている。
「還暦を越えた」とナレーション。

Source: KCTV, 2016/05/01

Source: KCTV, 2016/05/01
『名もない英雄達』に登場したときの写真。写真を見ればこの女性だと分かるが、それまで分からなかった。右は、過去記事でも話題にした金リョンリン。

Source: KCTV, 2016/05/01
実は、金ジョンファ自体に関心があってこの番組を見直したのではなく、「第7回党大会」も近いことだし、高英姫と繋がる何かがあるのではないかと、韓国情報を検索しながらこの番組を見ていたのだが、高英姫との直接的な繋がりはなかった。
しかし、金ジョンフアも「将軍様」に愛された(恐らく、俳優としてだけ)俳優で、「平壌演劇映画大学」を卒業して直ぐに主役として『名もない英雄達』に出演した。「将軍様は、金ジョンファさんを近くに呼ばれ、一つ、一つ演技を教えて下さり」、「新人俳優である彼女を功勲俳優にして下さりました」とナレーションでは言っている。「将軍様」は、「1部と2部ではぎこちないところがあったが、3~5部では成長した」と褒めるなどしているので、やはりお気に入りの俳優であったのだろう。
「平壌演劇映画大学」

Source: KCTV, 2016/05/01
「功勲俳優」となる金ジョンファ

Source: KCTV, 2016/05/01
韓国情報と合わせて、彼女について調べていておもしろかったのは、彼女の出身についてである。反政府系の『統一ニュース』の記事、「脱北俳優・金ヘヨンの嘘、『くちぶえ』は禁止されたのか?」の中で、この「脱北俳優」が「平壌演劇映画大学では『労働者をはじめとした最下層からは学生を選抜しない』」と語っている点に反論し、ホン・ヨンフィ、金リョンリンと金ジョンファの経歴を紹介しながら、金ジョンファは「運転手養成教育を受けた」と書いている。
『統一ニュース』、「탈북 배우 김혜영의 거짓말.. <휘파람> 과연 금지곡일까? <유영호의 북한영화 바로보기> 탈북자의 거짓말 ④」、http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=82564
ついでに、もう1つ調べてみると、「1954年生まれ。平壌市リョンソン区域ファソンリの軍人家庭で出生。清津高等運輸学校で運転手養成教養を受けた」と書かれている。
『統一新聞』、「북녁의인기스타(공훈배우김정화)」、http://www.unityinfo.co.kr/sub_read.html?uid=582§ion=sc9
一方、この「番組」では、「村人は、幼少期の彼女を幼い映画狂信者」と呼び、「1960年代には、彼女が住んでいた村にはテレビがありませんでした。移動映像隊が来たという知らせを聞くと、彼女は10里以上の道を駆けて映画を見に行き、深い夜、怖い峠の道を一人で歩いて帰ってきました」と言っている。「彼女が住んでいた村にはテレビがない」というナレーションからは、彼女が平壌に住んでいたことはないようだ。
幼い頃の金ジョンファ

Source: KCTV, 2016/05/01
そして、「中学を卒業して通っていた、当時の、咸興化学工業大学まで中退し、家に戻ってきました」とナレーションは続く。この大学で自動車の運転を習っていた可能性はあるが、どうもそうではなさそうだ。
『フィパラム(口笛)』まで禁止曲になったという「脱北俳優」の稚拙な嘘はさておき、韓国情報は何を参照しているのであろうか。有名人ではあるとはいえ、一映画俳優の来歴などでっち上げる必要もないので、北朝鮮が嘘を言っているようにも思えないのだが。