「朝鮮民主主義人民共和国外務省スポークスマン談話」:核実験に繋がるか六者会談にステイトメント、料理人にテレビで発言させたかったこと (2016年4月30日 「朝鮮中央通信」)
30日、「朝鮮中央通信」が北朝鮮「外務省スポークスマン談話」を伝えた。このところ、北朝鮮は、対韓、対米の多くのステイトメントを出している。今回の「外務省スポークスマン」談話は、30日に終了した米韓合同訓練を総括するものであるが、後半部分で興味深いことを言っている。
自分を討つと言っている敵の宣戦布告を前にして自制などあり得ない。
자기를 치겠다는 적의 선전포고앞에 자제라는것은 있을수 없다.
我々は、敵共の宣戦布告を避けないし、それに自衛的措置で正々堂々と対応した。
우리는 적들의 선전포고를 피하지 않고 그에 자위적조치들로 정정당당하게 대응하였다.
核には核で対抗するのが、我々の自衛的対応の中核である。
핵에는 핵으로 맞서는것이 우리의 자위적대응의 중추이다.
我々が敵対勢力の宣戦布告と威嚇行為に自衛的措置で対抗するのは、国連憲章にも明示された主権国家の合法的権利として国連安保理事会もこの権利は絶対に侵害できない。
우리가 적대세력의 선전포고와 위협행위에 자위적조치로 대응하는것은 유엔헌장에도 명시된 주권국가의 합법적권리로서 유엔안보리사회도 이 권리는 절대로 침해할수 없다.
米国は、我々共和国に反対する露骨な軍事的敵対行為、威嚇国威に出たので、我々の「自主権を尊重し、平和的に共存」しながら、「核あるいは通常兵器で朝鮮民主主義人民共和国を攻撃したり、侵攻する意思がない」と確約した9.19共同声明の根幹を自らの手で完全に打ち砕いた。
미국은 우리 공화국을 반대하는 로골적인 군사적적대행위,위협행위에 나섬으로써 우리의 《자주권을 존중하고 평화적으로 공존》하며 《핵 또는 상용무기로 조선민주주의인민공화국을 공격하거나 침공할 의사가 없다.》고 확약한 9.19공동성명의 근간을 제손으로 완전히 깨버렸다.
こうして、9.19共同声明は、最終的に死滅した。
이로써 9.19공동성명은 최종적으로 사멸되였다.
米国は、もう我々に対して「公約遵守」云々する法律的基礎も道徳的名分も完全に失った。
미국은 더는 우리더러 그 무슨 《공약준수》요 뭐요 할 법률적기초도,도덕적명분도 완전히 잃었다.
敵共が歩んできた侵略戦争に正義の戦争で、核戦争威嚇に核抑止力強化で応える我々の気質は、今後も変わらないであろう。
적들이 걸어오는 침략전쟁에 정의의 전쟁으로,핵전쟁위협에 핵억제력강화로 대답하는 우리의 기질은 앞으로도 변하지 않을것이다.
敵共の戦争演習が行われるたびに、我々の核攻撃能力は飛躍的に強化されるであろう。
적들의 전쟁연습이 벌어질 때마다 우리의 핵공격능력은 비약적으로 강화될것이다.
興味深い点は、「死滅した」としつつも「9.19合意」を持ち出してきている点である。これについては、二つの相反する解釈ができると思うが、一つは、「死滅した9.19合意」なのだから近々さらなる核実験を行うという予告、もう一つは、予定期日であったにしても「侵略戦争演習」が終わったので、「9.19」を考慮してもよい、つまり六者会談のテーブルに戻る準備があるというメッセージである。「敵共の戦争演習が行われるたびに、我々の核攻撃能力は飛躍的に強化される」とも言っているので、前者の可能性が高そうではあるが、北朝鮮が「9.19」を久しぶりに持ち出してきている点には、注目する必要がある。
料理人の訪朝を受け入れ、「マスコミで発言してもよい」と「元帥様」が敢えて言った上で、「我々は米国と戦争する気はない」とテレビで発言させているのも、彼の口を通してメッセージを発したかったのかもしれない。上手くいかなければ、料理人がデタラメを言ったと一蹴し、次回訪朝しようとしたときに北京でビザを発行しなければよいのだから、実に上手いやり方であることには間違いない。
「元帥様」、ダイエットしているようだという話しも拙ブログやコメントを下さる方の分析と重なっておもしろいのだが。
<追記>
「朝鮮民主主義人民共和国政府、正当、団体、連合声明」
5月1日11時(JST)頃、上記「声明」が「朝鮮中央TV」で放送された。この「声明」は、「米韓合同軍事演習」が終わったことに対する勝利宣言で、「勝利」の背景には1月から始まる「水素弾実験」、「ミサイル発射」等、一連の実験の「大成功」、「完全成功」があるとしている。その上で、1.核は放棄しない、2.経済制裁の効果は全くない、3.米国は北朝鮮に対する新たな選択、つまり「対朝鮮敵対視政策」の変更をしなければならないと、している。
「核は絶対に放棄しない」としつつも、これまで行ってきた実験等の成功を理由に勝利宣言をしているので、もしかするとさらなる実験は不要になった、あるいは止めたのかもしれない。
上に書いた「スポークスマン談話」と合わせて考えると、どうするのかますます分からなくなる。
しかし、習近平の「隣国として、朝鮮半島での戦争も混乱も許さない」発言もあるので、ここで「勝利宣言」をしておいて、実験は自制するのかもしれない。
Reuters, China won't allow chaos or war on Korean peninsula: Xi, http://www.reuters.com/article/us-china-northkorea-xi-idUSKCN0XP05P
自分を討つと言っている敵の宣戦布告を前にして自制などあり得ない。
자기를 치겠다는 적의 선전포고앞에 자제라는것은 있을수 없다.
我々は、敵共の宣戦布告を避けないし、それに自衛的措置で正々堂々と対応した。
우리는 적들의 선전포고를 피하지 않고 그에 자위적조치들로 정정당당하게 대응하였다.
核には核で対抗するのが、我々の自衛的対応の中核である。
핵에는 핵으로 맞서는것이 우리의 자위적대응의 중추이다.
我々が敵対勢力の宣戦布告と威嚇行為に自衛的措置で対抗するのは、国連憲章にも明示された主権国家の合法的権利として国連安保理事会もこの権利は絶対に侵害できない。
우리가 적대세력의 선전포고와 위협행위에 자위적조치로 대응하는것은 유엔헌장에도 명시된 주권국가의 합법적권리로서 유엔안보리사회도 이 권리는 절대로 침해할수 없다.
米国は、我々共和国に反対する露骨な軍事的敵対行為、威嚇国威に出たので、我々の「自主権を尊重し、平和的に共存」しながら、「核あるいは通常兵器で朝鮮民主主義人民共和国を攻撃したり、侵攻する意思がない」と確約した9.19共同声明の根幹を自らの手で完全に打ち砕いた。
미국은 우리 공화국을 반대하는 로골적인 군사적적대행위,위협행위에 나섬으로써 우리의 《자주권을 존중하고 평화적으로 공존》하며 《핵 또는 상용무기로 조선민주주의인민공화국을 공격하거나 침공할 의사가 없다.》고 확약한 9.19공동성명의 근간을 제손으로 완전히 깨버렸다.
こうして、9.19共同声明は、最終的に死滅した。
이로써 9.19공동성명은 최종적으로 사멸되였다.
米国は、もう我々に対して「公約遵守」云々する法律的基礎も道徳的名分も完全に失った。
미국은 더는 우리더러 그 무슨 《공약준수》요 뭐요 할 법률적기초도,도덕적명분도 완전히 잃었다.
敵共が歩んできた侵略戦争に正義の戦争で、核戦争威嚇に核抑止力強化で応える我々の気質は、今後も変わらないであろう。
적들이 걸어오는 침략전쟁에 정의의 전쟁으로,핵전쟁위협에 핵억제력강화로 대답하는 우리의 기질은 앞으로도 변하지 않을것이다.
敵共の戦争演習が行われるたびに、我々の核攻撃能力は飛躍的に強化されるであろう。
적들의 전쟁연습이 벌어질 때마다 우리의 핵공격능력은 비약적으로 강화될것이다.
興味深い点は、「死滅した」としつつも「9.19合意」を持ち出してきている点である。これについては、二つの相反する解釈ができると思うが、一つは、「死滅した9.19合意」なのだから近々さらなる核実験を行うという予告、もう一つは、予定期日であったにしても「侵略戦争演習」が終わったので、「9.19」を考慮してもよい、つまり六者会談のテーブルに戻る準備があるというメッセージである。「敵共の戦争演習が行われるたびに、我々の核攻撃能力は飛躍的に強化される」とも言っているので、前者の可能性が高そうではあるが、北朝鮮が「9.19」を久しぶりに持ち出してきている点には、注目する必要がある。
料理人の訪朝を受け入れ、「マスコミで発言してもよい」と「元帥様」が敢えて言った上で、「我々は米国と戦争する気はない」とテレビで発言させているのも、彼の口を通してメッセージを発したかったのかもしれない。上手くいかなければ、料理人がデタラメを言ったと一蹴し、次回訪朝しようとしたときに北京でビザを発行しなければよいのだから、実に上手いやり方であることには間違いない。
「元帥様」、ダイエットしているようだという話しも拙ブログやコメントを下さる方の分析と重なっておもしろいのだが。
<追記>
「朝鮮民主主義人民共和国政府、正当、団体、連合声明」
5月1日11時(JST)頃、上記「声明」が「朝鮮中央TV」で放送された。この「声明」は、「米韓合同軍事演習」が終わったことに対する勝利宣言で、「勝利」の背景には1月から始まる「水素弾実験」、「ミサイル発射」等、一連の実験の「大成功」、「完全成功」があるとしている。その上で、1.核は放棄しない、2.経済制裁の効果は全くない、3.米国は北朝鮮に対する新たな選択、つまり「対朝鮮敵対視政策」の変更をしなければならないと、している。
「核は絶対に放棄しない」としつつも、これまで行ってきた実験等の成功を理由に勝利宣言をしているので、もしかするとさらなる実験は不要になった、あるいは止めたのかもしれない。
上に書いた「スポークスマン談話」と合わせて考えると、どうするのかますます分からなくなる。
しかし、習近平の「隣国として、朝鮮半島での戦争も混乱も許さない」発言もあるので、ここで「勝利宣言」をしておいて、実験は自制するのかもしれない。
Reuters, China won't allow chaos or war on Korean peninsula: Xi, http://www.reuters.com/article/us-china-northkorea-xi-idUSKCN0XP05P