「北朝鮮の新SLBM」:38 Northによる分析から、本当に「大成功」の模様、料理人に「むかっと」と (2016年4月25日 「38 North」)
25日、38 Northに23日に発射された北朝鮮のSLBMを分析する記事が掲載された。
38 North, A New Submarine-Launched Ballistic Missile for North Korea, http://38north.org/2016/04/jschilling042516/print/
同記事によると、北朝鮮による前回のSLBM発射は潜水艦からの発射ではなく、水中のテストベンチからであったとみられるが、今回は潜水艦からの発射の可能性もあるとしている。
韓国は、ミサイルが30Kmしか飛行しなかったので「失敗」としているが、38 Northは異なる見解を示している。
38 Northは、「ミサイルが30km飛行するためには、発射に成功しなければならないだけではなく、音速を超える速度にまで加速しなければならない。1段のミサイルでは、ここが大変な部分であるが、それがクリアできれば、ミサイルは燃料がなくなれるまで飛び続けるであろう」とした上で、「30kmしか飛行しなかったのは、30km分の燃料しか搭載していなかったからであろう」と分析している。この分析のとおりであれば、今回の発射は、北朝鮮の主張するとおり「大成功」といことになる。
それだけではない。38 Northは、ミサイルから噴出される火炎に注目し、北朝鮮が2015年5月8日発射したSLBMと今回のSLBMの違いを指摘している。
2015年5月8日に発射されたSLBM

Source: KCTV, 2015/05/10放送
上の写真は、2015年5月に発射されたSLBMであるが、こちらは火炎が黄色く、長さが短く、幅も狭い。38 Northは、このSLBMに使用されているのは、「旧来型の液体燃料エンジンであろう」と分析している。
2016年4月23日のSLBM発射

Source: KCNA, 2016/04/24
ところが、上の写真にあるように、今回の発射では火炎の色が白っぽく、さらに長く、太くなっていると指摘している。
「大出力固体燃料エンジン」噴射の様子。(2016年3月24日公開)

Source: 『労働新聞』、「우리 당의 국방과학기술중시정책이 낳은 또 하나의 자랑찬 성과,대출력고체로케트발동기지상분출 및 계단분리시험에서 성공 경애하는 김정은동지께서 대출력고체로케트발동기지상분출 및 계단분리시험을 지도하시였다 」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-03-24-0002_photo
そして、上の写真にある「大出力固体燃料エンジン」から噴出される火炎との類似性を指摘しながら、今回のSLBMにはこちらのエンジンが使われた可能性が高いと分析している。これについても北朝鮮が主張する「大成功」と一致する。
38 Northは、この固形燃料エンジンでの飛行距離は「1段ミサイルでも900km」と推測しており、北朝鮮領海内からの発射で韓国全土と日本の一部をカバーするだけではなく、潜水艦が日本海の公海内に入れば、日本全土をカバーすることになろうと分析している。
もちろん、北朝鮮の狙いは「南朝鮮傀儡や追従勢力(日本)」ではなく、「米帝の後頭部に短刀を突きつける」lことなので、SLBMの飛距離を伸ばすか、米本土に接近できるような潜水艦を作らなければならない。
<追記>
『毎日新聞』が料理人との単独インタビュー記事を掲載した。
『毎日新聞』、「<北朝鮮>「むかっとしてミサイル」元料理人に正恩氏発言」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00000023-mai-kr
タイトルにあるように「むかっとして」ミサイルを発射しているそうだが、上の38 Northの分析からは、感情的にぶっ放しているという様子は全く感じられず、計算され尽くされたプロットの上で計画を進めているように思われる。
まあ、料理人と会ってそのような発言をしたのであれば、それもプロットの一環であろうが。
38 North, A New Submarine-Launched Ballistic Missile for North Korea, http://38north.org/2016/04/jschilling042516/print/
同記事によると、北朝鮮による前回のSLBM発射は潜水艦からの発射ではなく、水中のテストベンチからであったとみられるが、今回は潜水艦からの発射の可能性もあるとしている。
韓国は、ミサイルが30Kmしか飛行しなかったので「失敗」としているが、38 Northは異なる見解を示している。
38 Northは、「ミサイルが30km飛行するためには、発射に成功しなければならないだけではなく、音速を超える速度にまで加速しなければならない。1段のミサイルでは、ここが大変な部分であるが、それがクリアできれば、ミサイルは燃料がなくなれるまで飛び続けるであろう」とした上で、「30kmしか飛行しなかったのは、30km分の燃料しか搭載していなかったからであろう」と分析している。この分析のとおりであれば、今回の発射は、北朝鮮の主張するとおり「大成功」といことになる。
それだけではない。38 Northは、ミサイルから噴出される火炎に注目し、北朝鮮が2015年5月8日発射したSLBMと今回のSLBMの違いを指摘している。
2015年5月8日に発射されたSLBM

Source: KCTV, 2015/05/10放送
上の写真は、2015年5月に発射されたSLBMであるが、こちらは火炎が黄色く、長さが短く、幅も狭い。38 Northは、このSLBMに使用されているのは、「旧来型の液体燃料エンジンであろう」と分析している。
2016年4月23日のSLBM発射

Source: KCNA, 2016/04/24
ところが、上の写真にあるように、今回の発射では火炎の色が白っぽく、さらに長く、太くなっていると指摘している。
「大出力固体燃料エンジン」噴射の様子。(2016年3月24日公開)

Source: 『労働新聞』、「우리 당의 국방과학기술중시정책이 낳은 또 하나의 자랑찬 성과,대출력고체로케트발동기지상분출 및 계단분리시험에서 성공 경애하는 김정은동지께서 대출력고체로케트발동기지상분출 및 계단분리시험을 지도하시였다 」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-03-24-0002_photo
そして、上の写真にある「大出力固体燃料エンジン」から噴出される火炎との類似性を指摘しながら、今回のSLBMにはこちらのエンジンが使われた可能性が高いと分析している。これについても北朝鮮が主張する「大成功」と一致する。
38 Northは、この固形燃料エンジンでの飛行距離は「1段ミサイルでも900km」と推測しており、北朝鮮領海内からの発射で韓国全土と日本の一部をカバーするだけではなく、潜水艦が日本海の公海内に入れば、日本全土をカバーすることになろうと分析している。
もちろん、北朝鮮の狙いは「南朝鮮傀儡や追従勢力(日本)」ではなく、「米帝の後頭部に短刀を突きつける」lことなので、SLBMの飛距離を伸ばすか、米本土に接近できるような潜水艦を作らなければならない。
<追記>
『毎日新聞』が料理人との単独インタビュー記事を掲載した。
『毎日新聞』、「<北朝鮮>「むかっとしてミサイル」元料理人に正恩氏発言」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00000023-mai-kr
タイトルにあるように「むかっとして」ミサイルを発射しているそうだが、上の38 Northの分析からは、感情的にぶっ放しているという様子は全く感じられず、計算され尽くされたプロットの上で計画を進めているように思われる。
まあ、料理人と会ってそのような発言をしたのであれば、それもプロットの一環であろうが。