「朝鮮民族を愚弄する日本極右反動共の行為は絶対に許せない 朝鮮海外同胞援護委員会スポークスマン談話」:反朝鮮人デマは日本人を苦しめる (2016年4月19日 「労働新聞」)
19日、『労働新聞』などの北朝鮮メディアが、熊本地震の被災地で「朝鮮人が井戸に毒を入れている」などのデマを日本の「極右反動共」が流していると非難する「スポークスマン談話」を報じた。
「談話」は、「周知のとおり、最近、日本の九州熊本地方では、大規模地震が連続して発生し、多くの人的、物的被害を被ったという。今、我々人民は、大規模地震により在日同胞と日本人民が被害を被ったことに対し、本当に胸を痛めながら、深い同情と慰労の気持ちを禁じ得ないでいる」と始まる。東日本大震災の際、北朝鮮がどのようなメッセージを発したかは未確認であるが、今回は「日本人民」にも哀悼と慰労の言葉を送っている。
ここまでで終わればよいのだが、以下のような続きがある。
「しかし、日本では、右翼反動共のインターネット上に、反朝鮮人感情を煽る荒唐無稽な妄言が出回り、人々を唖然とさせている。地震が発生して直ぐに、右翼反動共が運営するインターネットには『熊本の朝鮮人が井戸に毒薬をまいた』という奇怪な文章が掲載され、一方では『熊本では、朝鮮人の暴動に注意しろ』などという、反朝鮮人感情を煽る流言飛語が乱れ飛んでいる」
続けて、関東大震災の時に流れた朝鮮人に関する流言飛語を想起しながら、今回の事態を非難し、
「日本当局は、卑劣な朝鮮人排他騒動の重大さをしっかりと見詰め、防止対策と法的措置を早急に取らねばならず、合わせて、全ての形態の反共和国、反総連策動を直ぐにやめなければならない」と結んでいる。
北朝鮮当局が言う「極右反動共のインターネット」が何なのか分からないが、この種の荒唐無稽なデマはしばしば流されており、それをまともに信じる日本人もいないはずである。
それにもかかわらず、北朝鮮の「日本当局は・・・・防止対策・・早急に取らねばならず」は一理ある。これは、北朝鮮に対する配慮ではなく、日本国内の問題として、「荒唐無稽」ではあるにせよ、この種のデマが、ただでさえ余震と避難生活の中で心理的負担が大きい被災者に不要な憂慮を与える可能性が、多少なりともあるからである。言論の自由やインターネットの拡散性という点からして、「法的措置」(あるとすれば、偽計業務妨害罪であろうか)は難しいであろうが、北朝鮮が嫌いで流しているデマが、結局は日本人を苦しめることになるということを、我々はしっかりと認識すべきだと思う。
『労働新聞』、「조선민족을 우롱하는 일본극우반동들의 행위는 절대로 용납될수 없다 조선해외동포원호위원회 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2016-04-19-0029
「談話」は、「周知のとおり、最近、日本の九州熊本地方では、大規模地震が連続して発生し、多くの人的、物的被害を被ったという。今、我々人民は、大規模地震により在日同胞と日本人民が被害を被ったことに対し、本当に胸を痛めながら、深い同情と慰労の気持ちを禁じ得ないでいる」と始まる。東日本大震災の際、北朝鮮がどのようなメッセージを発したかは未確認であるが、今回は「日本人民」にも哀悼と慰労の言葉を送っている。
ここまでで終わればよいのだが、以下のような続きがある。
「しかし、日本では、右翼反動共のインターネット上に、反朝鮮人感情を煽る荒唐無稽な妄言が出回り、人々を唖然とさせている。地震が発生して直ぐに、右翼反動共が運営するインターネットには『熊本の朝鮮人が井戸に毒薬をまいた』という奇怪な文章が掲載され、一方では『熊本では、朝鮮人の暴動に注意しろ』などという、反朝鮮人感情を煽る流言飛語が乱れ飛んでいる」
続けて、関東大震災の時に流れた朝鮮人に関する流言飛語を想起しながら、今回の事態を非難し、
「日本当局は、卑劣な朝鮮人排他騒動の重大さをしっかりと見詰め、防止対策と法的措置を早急に取らねばならず、合わせて、全ての形態の反共和国、反総連策動を直ぐにやめなければならない」と結んでいる。
北朝鮮当局が言う「極右反動共のインターネット」が何なのか分からないが、この種の荒唐無稽なデマはしばしば流されており、それをまともに信じる日本人もいないはずである。
それにもかかわらず、北朝鮮の「日本当局は・・・・防止対策・・早急に取らねばならず」は一理ある。これは、北朝鮮に対する配慮ではなく、日本国内の問題として、「荒唐無稽」ではあるにせよ、この種のデマが、ただでさえ余震と避難生活の中で心理的負担が大きい被災者に不要な憂慮を与える可能性が、多少なりともあるからである。言論の自由やインターネットの拡散性という点からして、「法的措置」(あるとすれば、偽計業務妨害罪であろうか)は難しいであろうが、北朝鮮が嫌いで流しているデマが、結局は日本人を苦しめることになるということを、我々はしっかりと認識すべきだと思う。
『労働新聞』、「조선민족을 우롱하는 일본극우반동들의 행위는 절대로 용납될수 없다 조선해외동포원호위원회 대변인담화」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2016-04-19-0029