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    「新型ミサイル、発射失敗=故金日成主席の誕生日―北朝鮮」:「失敗」は成功のもと (2016年4月15日 (「時事通信」)

    15日、『時事通信』が韓国国防部からの情報として、「15日午前5時から6時の間に、日本海沿岸で新型の中距離弾道ミサイル『ムスダン』と推定されるミサイル1発の発射実験を行ったが、直後に失敗した」と報じた。

    『時事通信』、「新型ミサイル、発射失敗=故金日成主席の誕生日―北朝鮮」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160415-00000059-jij-kr

    発射のタイミングとしては、「太陽節」の「祝砲」としたかったのであろうが、「失敗」ということである。

    しかし、この「失敗」、単なる「失敗」ではない可能性がある。今回発射された飛翔体が「ムスダン」であるとすると、実戦配備された完成形のミサイルである。そのようなミサイルを「祝砲」として打ち上げるならば、発射前の個体検査をきちんとやり、「失敗」しないように注意深く打ち上げるはずである。加えて、普通の「ムスダン」を「祝砲」にする意味合いは乏しい。挑発にはなっても、「祝砲」にはならない。

    だとすると、今回の打ち上げは、これまで北朝鮮が公開してきた、固形燃料ロケット、大出力ロケットの発射実験であった可能性がある。どの時点で「失敗」になったのか分からないが、場合によっては弾頭を再突入させる実験だったのかも知れない。これらのいずれにせよ、「大成功」していれば、「元帥様」が「首領様」に捧げる「もう一つの祝砲」となったはずである。

    北朝鮮は、今のところこの「祝砲」発射について報じていないが(「大成功」していないので、報じないであろう)、「失敗」であったとしても上記の実験データは得られたはずである。「光明星3-1」号機の時のように、「元帥様」に叱られることなく励まされれば、科学者・技術者は、次の発射に向けた改良を行い、はやければ「元帥様」が「人民軍代表に推戴」された5月の「第7回党大会」の「祝砲」として打ち上げられるかも知れない。

    「失敗」を喜んでいる場合ではないのかも知れない。

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    川口智彦

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