安保理決議2270実施への中国の対応 (2016年3月3日 「中国外交部」)
安保理決議2270を受け、中国外交部の定例記者会見の中で記者の質問に外交部報道官が答えている。
まず、「安保理決議2270についての中国のコメント」を質問され、報道官は「決議の目的は、朝鮮半島の非核化」であるとした上で、「六者会談を通じた話し合いによる解決」が決議では再確認されたと述べた。そして、「決議が完全かつ誠実に履行されることを望んでいる」としつつ、「北朝鮮の人々の生活に影響を与えることは避けることも決議の重要な部分である」と釘を刺している。
続けて、中国が「朝鮮半島の非核化と休戦協定の平和協定への切り替え協議を並行的に進める提案をした」と述べ、中国は「この提案を進めるための関係国と具体的な方法と段取りを協議していく」としている。
さらに、関連国に冷静な対応を求めた上で、「中国は朝鮮半島へのサード配備には反対し、関係国には注意深く行動するように求める」と述べている。
国連決議裁決後も「丹東から北朝鮮に貨物を積んだトラックが走っているが、中国はいつから決議内容の履行をするのか」という質問に対し、報道官は「中国は安保理常任理所国としてこれまでもずっと国際的な義務は誠実に履行してきた」とした上で、「履行は、北朝鮮の人々の生活と人道的な必要性に影響を与えてはならない」と繰り返した。
この答弁からすると、中国としてはこれまでも決議内容を誠実に履行してきているし(もちろん、そんなものは無視しているとは絶対に言えないが)、2270決議採択後の丹東の現状は、2270決議の内容に反していないという認識を示したことになる。中国の強権を行使すれば、丹東と北朝鮮を結ぶ橋の閉鎖など簡単であろうが、当面は、「朝鮮人民の生活」を理由に、そのようなことはするつもりがなさそうだ。
「中国はいつから北朝鮮に対する決議の履行を始めるのか。中国はいつ税関と銀行に決議に従うよう伝えるのか」という質問に対しては、再び「中国はこれまでも誠実に国際的な義務を履行しており、今回も例外とする理由はない」としている。
中国は、「人民生活」を理由に決議内容を即座に履行せず、一方で「いつでも履行する準備がある」という圧迫と「平和協定に繋がる」という甘言で北朝鮮を六者会談に参加させる「並行路線」を狙っているのであろう。
Ministry of Foreign Affairs of the People's Republic of China, Foreign Ministry Spokesperson Hong Lei's Regular Press Conference on March 3, 2016, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1344999.shtml
まず、「安保理決議2270についての中国のコメント」を質問され、報道官は「決議の目的は、朝鮮半島の非核化」であるとした上で、「六者会談を通じた話し合いによる解決」が決議では再確認されたと述べた。そして、「決議が完全かつ誠実に履行されることを望んでいる」としつつ、「北朝鮮の人々の生活に影響を与えることは避けることも決議の重要な部分である」と釘を刺している。
続けて、中国が「朝鮮半島の非核化と休戦協定の平和協定への切り替え協議を並行的に進める提案をした」と述べ、中国は「この提案を進めるための関係国と具体的な方法と段取りを協議していく」としている。
さらに、関連国に冷静な対応を求めた上で、「中国は朝鮮半島へのサード配備には反対し、関係国には注意深く行動するように求める」と述べている。
国連決議裁決後も「丹東から北朝鮮に貨物を積んだトラックが走っているが、中国はいつから決議内容の履行をするのか」という質問に対し、報道官は「中国は安保理常任理所国としてこれまでもずっと国際的な義務は誠実に履行してきた」とした上で、「履行は、北朝鮮の人々の生活と人道的な必要性に影響を与えてはならない」と繰り返した。
この答弁からすると、中国としてはこれまでも決議内容を誠実に履行してきているし(もちろん、そんなものは無視しているとは絶対に言えないが)、2270決議採択後の丹東の現状は、2270決議の内容に反していないという認識を示したことになる。中国の強権を行使すれば、丹東と北朝鮮を結ぶ橋の閉鎖など簡単であろうが、当面は、「朝鮮人民の生活」を理由に、そのようなことはするつもりがなさそうだ。
「中国はいつから北朝鮮に対する決議の履行を始めるのか。中国はいつ税関と銀行に決議に従うよう伝えるのか」という質問に対しては、再び「中国はこれまでも誠実に国際的な義務を履行しており、今回も例外とする理由はない」としている。
中国は、「人民生活」を理由に決議内容を即座に履行せず、一方で「いつでも履行する準備がある」という圧迫と「平和協定に繋がる」という甘言で北朝鮮を六者会談に参加させる「並行路線」を狙っているのであろう。
Ministry of Foreign Affairs of the People's Republic of China, Foreign Ministry Spokesperson Hong Lei's Regular Press Conference on March 3, 2016, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1344999.shtml