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    「朝鮮宇宙空空間技術委員会 関係者 記者と会見」(2012年3月28日「朝鮮中央通信」)

    「朝鮮中央通信」に朝鮮宇宙空間技術委員会の関係者が朝鮮中央通信記者の質問に答える形式の記事が掲載された。この記事では、光明星3号の仕様や機能について書かれている。以下がその問答である。

    1.北朝鮮初の実用衛星「光明星3号」の使命は何か?
    光明星3号は、地球観測衛星で北朝鮮の山林資源分布状況と自然災害の程度、穀物予定収穫高などを判定する気象予報と自然探査などに必要な資料を収集する。

    2.光明星3号の性能とは何か?
    光明星3号は、撮影機が設置されており、写真をはじめとする観測資料を衛星管制総合指揮所に送る。
    衛星の質量は100Kgで、高度500Kmの太陽同期軌道を周回し、寿命は2年である。

    3.光明星3号発射に他国の専門家、記者を招請したが、彼らに何を見せるのか?
    まず、西海衛星発射場に行き、発射台に設置された運搬ロケット銀河3と人工地球衛星光明星3号を直接見せる。
    そして、発射総合指揮所で運搬ロケットと衛星の発射準備実況を見ることができる。
    お客さんたちは、平壌にある衛星管制総合指揮所も参観し、該当する場所で光明星3号の発射実況を見る。

    我々は、光明星3号の平和的で科学技術的な性格を透明性を持ってみせるために、国際的慣例を超えた特例的な参観を組織する予定である。

    としている。

    さて、光明星3号は「写真をはじめとする観測資料を衛星管制総合指揮所に送る」としているが、これは光明星2号の時のように「金日成将軍の歌」のような音ではないので、ねつ造することは困難である。米国などの商業衛星が撮影した写真を使えば直ぐにばれてしまう。逆に写真がなければ、衛星の機能が少なくとも部分的に機能していないということになってしまう。対外的には、衛星発射直後から米軍NORADに追尾されて、衛星が軌道に乗ったかどうか確認されてしまうが、もし、この記事を「労働新聞」などで国内向けに配信するとなると、写真を見せないわけにはいかないであろう。もちろん、それがgoogle earthの写真であっても朝鮮人民がそうだと知るすべはないが、国際的にはかなり体裁が悪い。

    ともかくも、この記事が明日の「労働新聞」に掲載されるかが注目される。実は、昨日出された「朝鮮外務省スポークスマン談話」は、今日の「労働新聞」には掲載されていない。昨日の「スポークスマン談話」は、特に米朝合意との関係で衛星発射について反論する内容であったが、朝鮮人民には公開しなかったようである。

    このように、衛星発射について部分的に対内報道をしないのは、一つは失敗したときの言い訳の余地を残す目的と、何らかの事情で発射を見送ることになった場合への対処であろう。

    <追記:2012年3月29日 05:50>
    本日の「労働新聞」にこの記事が掲載されていた。発射後の「写真」はどうなるのか。

    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-03-29-0022

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    2021年1月11日から「総秘書同志」
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