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    「<対北朝鮮>政府、週内に独自制裁…再入国禁止拡大」:ストックホルム合意を破棄する覚悟で出直すならあり (2016年2月9日 「毎日新聞」)

    9日、『毎日新聞』が、「政府は8日、北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイルの発射を受け、北朝鮮に対する独自の制裁強化策を週内に決定する方針を固めた」と報じた。

    『毎日新聞』、「<対北朝鮮>政府、週内に独自制裁…再入国禁止拡大」、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160209-00000002-mai-pol

    過去記事にも書いたとおり、北朝鮮に対する制裁を復活・強化すれば、北朝鮮は「ストックホルム合意」の破棄と捉え、拉致被害者等に対する調査中止を通告してくるであろう。

    拉致被害者の帰国ということを前提に制裁の復活・強化をするというのであれば、北朝鮮側が「ストックホルム合意」に基づく拉致し被害者調査を履行しておらず、中身のある調査結果の報告も期待できないという確証があるか、より厳しい安保理決議と中国が北朝鮮に対する制裁を実行し、北朝鮮を経済的に追い込めることが確実になっているか、少なくともいずれかの条件が必要となる。

    北朝鮮が拉致被害者調査を履行し、中身のある調査結果を報告するのかどうかについては、いずれにしてもそろそろ結論を出すべき時に来ている。昨年11月頃だっただろうか、北朝鮮高官が「来年(2016年)初めには、結果が出せる」と日本政府関係者に語ったという日本メディアの報道があったが、既にその結果を日本が受け、その内容に失望をしているのであれば、「ストックホルム合意」を白紙撤回するのもよい。しかし、そうすれば、拉致被害者帰国は遠ざかることこそあれ、近づくことはない。

    しかし、中国が本腰を入れて制裁実施に踏み切るという確証があれば、話は変わってくる。もちろん、中国が憂慮しているように、それを実施した結果、拉致被害者帰国どころか、北朝鮮内で生存している拉致被害者が危険に晒されるような混乱が北朝鮮で発生する可能性はある。そうした混乱が発生することなく、北朝鮮に制裁の実質的効果が出てくるとすれば、北朝鮮側は拉致被害者の帰国について本気で日本と交渉してくる可能性はある。「本気で」というのは、これまでのように日本が制裁をしてもしなくても大して影響がないような状況ではないので、日本、あるいは在日朝鮮人コミュニティーから何らかの経済的な支援を引き出すための方策を得る切実な必要性が生じるからである。

    そのようなことからすると、安保理決議の結果が出る前に、慌てて制裁強化をする必要はないのだが、敢えてあるとすれば、「光明星節」関連で訪朝する総連関係者の流れに影響を及ぼすことは可能であろう。

    『毎日新聞』によると、「独自制裁を先行する理由について政府関係者は『堪忍袋の緒が切れたということだ』」と語ったそうであるが、言葉の綾であったとしても、「拉致被害者全員帰国を最重要外交課題の一つとする」としている(もしかすると「していた」、過去形か?)安倍政権としては、もっと慎重に事態に対応すべきである。

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