中国、北朝鮮のロケット発射を牽制、同時に米国も非難、武代表訪朝確認だけ (2016年2月3日 中国外交部)
3日、中国外交部定例記者会見で、北朝鮮の「衛星打ち上げ」に関する中国の立場が明らかにされた。
*中国外交部報道官は、北朝鮮が「衛星打ち上げ」をIMO等にに通告したことに関する質問に次のように答えている
1.中国はこの事態を懸念している。北朝鮮は、宇宙の平和利用の権利を擁するが、その権利は安保理決議にある禁止事項の制約を受ける(つまり、弾道ミサイル技術を使ったロケット発射は禁止されている)。現状下、北朝鮮は、朝鮮半島情勢を緊張させないよう自制し、慎重に行動することが望ましい。
2.朝鮮半島の平和と安定は関係国全ての責任であり、それらの国の国益にもかなう。中国は、全ての関係国と対話と調整をしつつ、地域と朝鮮半島の平和の構築のための建設的な役割を果たし続ける。
*安保理が北朝鮮にするさらなる制裁決議を審議している中、北朝鮮が安保理や国際社会を無視することは、制裁決議を審議中の(中国も含む)国々にビンタすることと同じではないのかという質問に対して以下。
1.中国政府は、北朝鮮による国際社会の反対を無視した核実験直後に反対の立場を明確に表明している。(以下、上の質問への回答の繰り返し)
2.現状下において、国際社会がするべきことは、朝鮮半島の非核化、朝鮮半島の平和と安定をどのように進展させるのかを考えることであり、その他の何ものでもない。この点については、ケリー長官も北京で制裁が目的ではないと公言している。
3.朝鮮半島の核問題を振り返れば、朝鮮半島の非核を進展させるための9.19共同声明が出されており、その中で北朝鮮は全ての核兵器と核計画を放棄し、できるだけ早い時期にNPTに復帰し、IAEAの査察を受け入れるとなっていることは直ぐに分かる。また、2.13合意では、北朝鮮は核兵器廃棄に向けたはっきりとしたターゲットと具体的なステップを踏むことになっている。六者会談の議長国として、中国は非核化の真の進展のために熱心に努力をしてきたし、全ての関係国に前に述べたコンセンサスに至るよう促した。しかし、残念なことにも、よく知られた中国とは無関係な理由(複数)により、このコンセンサスは履行されておらず、六者会談は暗礁に乗り上げている。
3.六者会談が暗礁に乗り上げている間に、関係国(複数)の継続的な圧力と制裁という抗議に呼応し、北朝鮮は核実験を繰り返し実施した。この意味からすれば、北朝鮮は「その」関係国(単数=米国)に往復ビンタをくらわせたことになる。誰の顔に北朝鮮がビンタを食らわせたのかは、その国が一番よく分かっているはずである。
4.我々は、関係国が違いを取り除いて対話と交渉をしすることを望み、緊張激化は望んでいない。しかし、関係国(複数)が今のやり方に固執するので、緊張の激化を止めることができない。我々は、一つのことをはっきりとしておく。朝鮮半島の隣人として、
我々は戦争や朝鮮半島の不安定化は容認しない。我々は、如何なる国に対しても、国際社会が非核化の目標のための努力をしている中、身勝手な利益を追求することを容認しない。
*中国の武大偉代表が平壌を訪問していることに関する質問に対して、以下。
1.武大偉代表は、北朝鮮と朝鮮半島の現状に関する意見を交換するために平壌を訪問している。これは、中朝二国間の外交関係であり、中国の朝鮮半島問題に関する立場は全ての関係者によく知られている。(以下、中国の対話による問題解決の立場を繰り返している。)
*武代表の訪朝日程や会談相手に関する質問が出されたが、それには答えなかった。
中国は米国の強硬姿勢を非難しているが、一方で「身勝手な利益を追求することを容認しない」と北朝鮮も強く非難している。北朝鮮の「弾道ミサイル技術を使ったロケット発射を禁止する」安保理決議に中国も賛成している以上、北朝鮮の「衛星打ち上げ」を容認するような発言をすることはできないであろう。ただ、全体としては、問題の根源は「核問題」にあり、それには一方の当事者である米国の強硬姿勢があるという認識を明確に表している。
また、「往復ビンタをされたのは中国ではなく米国」と言っているところも、中国の体面を保つためでもあろうが、北朝鮮が中国に対してそれほど悪いことをしていないということを暗示しているような気もする。
武代表は、どんな話をしているのか知りたいところである。
中国外交部、Foreign Ministry Spokesperson Lu Kang's Regular Press Conference on February 3, 2016, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1337992.shtml
*中国外交部報道官は、北朝鮮が「衛星打ち上げ」をIMO等にに通告したことに関する質問に次のように答えている
1.中国はこの事態を懸念している。北朝鮮は、宇宙の平和利用の権利を擁するが、その権利は安保理決議にある禁止事項の制約を受ける(つまり、弾道ミサイル技術を使ったロケット発射は禁止されている)。現状下、北朝鮮は、朝鮮半島情勢を緊張させないよう自制し、慎重に行動することが望ましい。
2.朝鮮半島の平和と安定は関係国全ての責任であり、それらの国の国益にもかなう。中国は、全ての関係国と対話と調整をしつつ、地域と朝鮮半島の平和の構築のための建設的な役割を果たし続ける。
*安保理が北朝鮮にするさらなる制裁決議を審議している中、北朝鮮が安保理や国際社会を無視することは、制裁決議を審議中の(中国も含む)国々にビンタすることと同じではないのかという質問に対して以下。
1.中国政府は、北朝鮮による国際社会の反対を無視した核実験直後に反対の立場を明確に表明している。(以下、上の質問への回答の繰り返し)
2.現状下において、国際社会がするべきことは、朝鮮半島の非核化、朝鮮半島の平和と安定をどのように進展させるのかを考えることであり、その他の何ものでもない。この点については、ケリー長官も北京で制裁が目的ではないと公言している。
3.朝鮮半島の核問題を振り返れば、朝鮮半島の非核を進展させるための9.19共同声明が出されており、その中で北朝鮮は全ての核兵器と核計画を放棄し、できるだけ早い時期にNPTに復帰し、IAEAの査察を受け入れるとなっていることは直ぐに分かる。また、2.13合意では、北朝鮮は核兵器廃棄に向けたはっきりとしたターゲットと具体的なステップを踏むことになっている。六者会談の議長国として、中国は非核化の真の進展のために熱心に努力をしてきたし、全ての関係国に前に述べたコンセンサスに至るよう促した。しかし、残念なことにも、よく知られた中国とは無関係な理由(複数)により、このコンセンサスは履行されておらず、六者会談は暗礁に乗り上げている。
3.六者会談が暗礁に乗り上げている間に、関係国(複数)の継続的な圧力と制裁という抗議に呼応し、北朝鮮は核実験を繰り返し実施した。この意味からすれば、北朝鮮は「その」関係国(単数=米国)に往復ビンタをくらわせたことになる。誰の顔に北朝鮮がビンタを食らわせたのかは、その国が一番よく分かっているはずである。
4.我々は、関係国が違いを取り除いて対話と交渉をしすることを望み、緊張激化は望んでいない。しかし、関係国(複数)が今のやり方に固執するので、緊張の激化を止めることができない。我々は、一つのことをはっきりとしておく。朝鮮半島の隣人として、
我々は戦争や朝鮮半島の不安定化は容認しない。我々は、如何なる国に対しても、国際社会が非核化の目標のための努力をしている中、身勝手な利益を追求することを容認しない。
*中国の武大偉代表が平壌を訪問していることに関する質問に対して、以下。
1.武大偉代表は、北朝鮮と朝鮮半島の現状に関する意見を交換するために平壌を訪問している。これは、中朝二国間の外交関係であり、中国の朝鮮半島問題に関する立場は全ての関係者によく知られている。(以下、中国の対話による問題解決の立場を繰り返している。)
*武代表の訪朝日程や会談相手に関する質問が出されたが、それには答えなかった。
中国は米国の強硬姿勢を非難しているが、一方で「身勝手な利益を追求することを容認しない」と北朝鮮も強く非難している。北朝鮮の「弾道ミサイル技術を使ったロケット発射を禁止する」安保理決議に中国も賛成している以上、北朝鮮の「衛星打ち上げ」を容認するような発言をすることはできないであろう。ただ、全体としては、問題の根源は「核問題」にあり、それには一方の当事者である米国の強硬姿勢があるという認識を明確に表している。
また、「往復ビンタをされたのは中国ではなく米国」と言っているところも、中国の体面を保つためでもあろうが、北朝鮮が中国に対してそれほど悪いことをしていないということを暗示しているような気もする。
武代表は、どんな話をしているのか知りたいところである。
中国外交部、Foreign Ministry Spokesperson Lu Kang's Regular Press Conference on February 3, 2016, http://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/xwfw_665399/s2510_665401/2511_665403/t1337992.shtml