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    北朝鮮、ITUとIMOに「衛星打ち上げ」通告 (2016年2月3日)

    北朝鮮がITUとIMOに「衛星発射」を通告したと、各メディアが伝えている。米国務省定例記者会見でも、報道官がこの点について確認をし、「衛星打ち上げ」をする計画があることについて非難している。

    U.S. Department of State, Daily Press, Briefing, http://www.state.gov/r/pa/prs/dpb/2016/02/252074.htm#NORTHKOREA

    また、中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が平壌に到着したとReutersが報じている。同通信は、武大偉代表の訪朝について「共同通信」と「朝鮮中央通信」を引用しているが、確認した限りでは、「朝鮮中央通信」は同代表の訪朝について、この記事を書いている時点では朝鮮語、英語、中国語版いずれにも関連記事は見当たらない。(タイトルで見ているだけなので、別タイトルの記事に書き込まれているのを見落としている可能性はあるが)

    Reuters, China's nuclear envoy in North Korea amid sanctions push: KCNA, http://www.reuters.com/article/us-northkorea-nuclear-china-idUSKCN0VB0TU

    ともかく、武大偉代表が平壌を訪問中であることは事実であろう。武代表は、平壌訪問に先だち、米国北朝鮮問題特別代表のSung Kimと会談していると、「聯合通信」を引用しながら、上記Reuters記事は伝えている。

    IMOとITUのHPをざっと検索してみたが、北朝鮮の通告に関する詳細は出ていないようであった。

    過去記事にも書いたように、北朝鮮の2月のロケット発射の可能性は低いとみていたが、国際機関にまで通告したとすると、発射の可能性は非常に高まった。というのは、国際機関に通告しておきながら、発射できないとなると北朝鮮の体面を傷つけることになるからである。2月に発射するとなると、やはり来週であろう。「光明星節」を前に「祝砲」を打ち上げ、「水素弾」に続く「大成功」を宣伝できるからである。今回は、ITUに通告していることからも分かるように、「通信衛星」を打ち上げることになっている。ITUは北朝鮮に「通信衛星」が使用する周波数の開示を求めているということであるが、それが公開されれば、通信衛星が機能しているのかどうかの確認が容易になる。もちろん、NORADが衛星が軌道に乗ったかどうかを確認した後ではあるが。

    NBC News, North Korea Announces Satellite Launch Amid International Skepticism, http://www.nbcnews.com/news/world/north-korea-announces-satellite-launch-amid-international-skepticism-n509751

    北朝鮮の官営メディアは、繰り返し(一般論として)「通信衛星」を打ち上げる計画があることは公言してきたが、「いつ」なのかについては何も言っていない。その系からすれば、今回搭載されるのが「通信衛星」であることは、何の秘密でもない。米国務省定例記者会見では、「北朝鮮が、通信衛星を軌道に乗せることに米国は反対しないのか」という記者の質問に対して、報道官は、言葉を濁しつつも「反対しない」と答えている。つまり、他国(例えば、中国やロシア)のロケットで北朝鮮が「光明星4号」を打ち上げることについては、全く国際的に問題がないということになる。問題となるのは、「光明星4号」ではなく、それを搭載する「銀河4号」(4というナンバーを使うのかどうかも注目されるが)となるわけで、米国と国際社会は「銀河4号」に使用される「弾道ミサイル技術」ということである。もちろん、北朝鮮としてもミサイルにも転用できる「銀河4号」の打ち上げ実験をしたいのだろうし、北朝鮮メディアを読んでいると、特定はしていないものの、「ミサイル能力が高まっている」ことは何回も強調している。

    それにしても、武大偉訪朝と国際機関への衛星打ち上げ通告のタイミングが一致している点が興味深い。「功勲国家・モランボン楽団」公演キャンセルの時と同様に、中国と接触を持つタイミングで「何かをしでかす」ことを公開している(「元帥様」の「水素弾」発言がそれであったとするならば)。武大偉訪朝が、それを話し合うためであったのか、あるいはロケット発射は容認した上での訪朝であったのかは分からない。もう何回も書いてきたように、中国は北朝鮮が核を持つことには反対しているが、ロケット発射には「直接的な」反対はしていない。もちろん、北朝鮮がロケットを打ち上げすぎると、米国に韓国や日本のミサイル防衛システムを強化する口実を作ってしまうので、中国にとっては望ましくないはずであるが、北朝鮮の核をなくせば米国のミサイル防衛システムも不要になると考えているのかもしれない。

    国連安保理の決議や制裁内容が、「水素弾実験」から1ヶ月を過ぎようとしている今日に至るまで出てこないのも、米中の調整が難航しているからであろう。その意味からしても、武大偉訪朝のタイミングで北朝鮮が「衛星打ち上げ」を公言したのは、中国の体面との関係から重要なポイントである。

    とにかく、ロケットを発射するのであれば、来週の可能性が高いが、当面、「朝鮮人民軍」が正規軍化された2月8日は警戒する日となるであろう。2月8日は「旧正月名節」で北朝鮮の休日でもある。

    20160203_20150207pic.jpg
    Source: KCNA, 「김일성대원수님께서 조선인민혁명군을 정규적혁명무력으로 강화발전시키신 67돐기념 인민무력부 보고회 진행(金日成大元帥様が朝鮮人民軍革命軍を正規的革命武力に強化発展させられた67周年記念人民武力部報告会開催)」、2015/2/7

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    NASA

    因みに、今も有るかは知りませんが、2012年の3号打ち上げ後には、NASAのサイト、各国の人工衛星の動きを記した一覧、で、何時打ち上げたとか、その軌道上の現在の動き(地球上一周を何れぐらいで回るとか)等が出ててたので、見れましたけどね。
    失敗したとしてたのに、回ってるの?と興味深く見てましたけど。

    Re: NASA

    コメントありがとうございます。NASAも前回は見ていました。はっきりと覚えていないのですが、N2YOとかいうサイトでは、理論上、「光明星3-2号」がどの辺りにいるのか見ることができました(数日前に見ました)。

    > 因みに、今も有るかは知りませんが、2012年の3号打ち上げ後には、NASAのサイト、各国の人工衛星の動きを記した一覧、で、何時打ち上げたとか、その軌道上の現在の動き(地球上一周を何れぐらいで回るとか)等が出ててたので、見れましたけどね。
    > 失敗したとしてたのに、回ってるの?と興味深く見てましたけど。
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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
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    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
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