「新年の辞」:口の動きと音声のずれ、動画比較で分析 (2016年1月2日 「朝鮮中央TV」)
<追記>
衛星から直接録画した「新年の辞」を見たが、ズレはなさそうだった。ただし、繰り返し放送されたどの録画かは特定できていない。ともあれ、ストリーミング上の問題によるズレの可能性が高くなった。
*******************
ストリーミングの特性ということならば、全く無意味ではあるが、これまでストリーミングで流された映像を見たが、動画が停止した状態で音声だけ流れていることこそあれ、このようなズレは記憶にないので拘ることにした。
コメントでもご報告頂いているが、2回目の「新年の辞」が15時(PST)から放送された。この放送では、口の動きと音声のズレはない。途中で、しばしば見られる動画の停止、古い画面の混入は見られるが、音声と映像のシンクロは保たれている。こうしたことから、初回の放送では、映像の切り替え、つまり演説動画に「創造物」の静止画を挟み込むタイミングを間違ったため、音声トラックと映像トラックがズレてしまったのであろう。生放送ではないはずなので、編集をよほど慌てておこなったのか、編集者や校閲者の確認ミスということになる。
実際に、初回放送の「新年の辞」と2回目を比べてみると、それがよく分かる。
「친애하는 동지들!(親愛なる同志たち!)」を演説開始とする。
音声と映像のズレは、以下の部分の静止画切り替えミスから始まっている。
開始後2:30付近
初回音声「백두산영웅청년발전소와(白頭山英雄青年発電所と)」
2回目音声「백두산영웅청년발전소와(白頭山英雄青年発電所と)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
初回音声「청천강계단식발전소(チョンチョン江階段式発電所)」
2回目音声「청천강계단식발전소(チョンチョン江階段式発電所)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
初回音声「과학기술전당과 미래과학자거리(科学技術殿堂と未来科学者通り)」
2回目音声「과학기술전당과 미래과학자거리(科学技術殿堂と未来科学者通り)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
問題の部分はこの辺りから赤字の部分だけ切り替えが遅れている。
初回音声「장천남새전문협동농장을 비롯하여 당의 사상과 정책이(チャンチョン野菜専門協同農場をはじめとし、党の思想と政策が」
2回目音声「장천남새전문협동농장을 비롯하여(チャンチョン野菜専門協同農場をはじめとし)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
初回音声「구현된 만년대계의 창조물들과(具現された万年大計の創造物と)」
2回目音声「당의 사상과 정책이 구현된(党の思想と政策が具現された)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
この後「元帥様」の演説映像に切り替えられるが、この時点で静止画が長かった分だけ映像が遅れている。

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
そして、しばらく音声と映像のズレが続き、演説開始後12分頃、「 건설은 국력과 문명의 높이를 직관적으로 보여주는 척도이며 우리 당의 인민적시책을 구현하기 위한 보람차고도 중요한 사업입니다. 건설부문에서 당의 건설방침과 대건설구상을 실현하기 위한 총공격전을 벌려(建設は、国力と文明の高さを直感的に見せる尺度であり、党と人民的施策を具現するためのやり甲斐があり重要な事業です。建設部門で党の建設方針と大建設構想を実現するための総攻撃戦を展開し)」という部分で労働党庁舎が出るが、ここから初回と第2回目放送の音声と映像の切り替えが同じになる。つまり、約10分間は裏では音声と映像がずれたまま放送が続けられ、この部分に至る過程で音声と映像のズレが、録画であるとすれば偶然、生放送であるとすれば意図的に調整されて正常になったということであろう。実際に、静止画切り替えのタイミングを初回放送と2回目の放送で比較してみると、だんだんとタイミングが近づいてきていることが分かる。

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
そして、「元帥様」の演説映像が再び出る放送開始後21分頃(祖国統一の話題に入る)には、音声と映像はシンクロしている。
これが「新年の辞」でなければ、それほど気にもしなかったのであるが、世界が注目している「新年の辞」でのこうしたエラーは北朝鮮にとっては大変痛いはずである。
2回目でエラーが修正されているとすれば、初回の編集、校正担当者は正月早々痛い処分を受けた可能性が高い。
ズレが始まった部分には「科学技術殿堂」という言葉が入っているが、もしかすると1月1日、報道順序としては「新年の辞」の後に「竣工式」が行われたことになっている「科学技術殿堂」を急遽、加えることにした、あるいは原稿に「元帥様」が勝手に入れてしまったため、静止画の準備や切り替えタイミングの設定を慌ててやった結果、音声と映像のずれが生じたのかもしれない。
症状からするとストリーミングの問題ではないと思われるが、通信衛星からの電波を直接受信した動画を見なければ、最終的には分からないことも事実である。
衛星から直接録画した「新年の辞」を見たが、ズレはなさそうだった。ただし、繰り返し放送されたどの録画かは特定できていない。ともあれ、ストリーミング上の問題によるズレの可能性が高くなった。
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ストリーミングの特性ということならば、全く無意味ではあるが、これまでストリーミングで流された映像を見たが、動画が停止した状態で音声だけ流れていることこそあれ、このようなズレは記憶にないので拘ることにした。
コメントでもご報告頂いているが、2回目の「新年の辞」が15時(PST)から放送された。この放送では、口の動きと音声のズレはない。途中で、しばしば見られる動画の停止、古い画面の混入は見られるが、音声と映像のシンクロは保たれている。こうしたことから、初回の放送では、映像の切り替え、つまり演説動画に「創造物」の静止画を挟み込むタイミングを間違ったため、音声トラックと映像トラックがズレてしまったのであろう。生放送ではないはずなので、編集をよほど慌てておこなったのか、編集者や校閲者の確認ミスということになる。
実際に、初回放送の「新年の辞」と2回目を比べてみると、それがよく分かる。
「친애하는 동지들!(親愛なる同志たち!)」を演説開始とする。
音声と映像のズレは、以下の部分の静止画切り替えミスから始まっている。
開始後2:30付近
初回音声「백두산영웅청년발전소와(白頭山英雄青年発電所と)」
2回目音声「백두산영웅청년발전소와(白頭山英雄青年発電所と)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
初回音声「청천강계단식발전소(チョンチョン江階段式発電所)」
2回目音声「청천강계단식발전소(チョンチョン江階段式発電所)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
初回音声「과학기술전당과 미래과학자거리(科学技術殿堂と未来科学者通り)」
2回目音声「과학기술전당과 미래과학자거리(科学技術殿堂と未来科学者通り)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
問題の部分はこの辺りから赤字の部分だけ切り替えが遅れている。
初回音声「장천남새전문협동농장을 비롯하여 당의 사상과 정책이(チャンチョン野菜専門協同農場をはじめとし、党の思想と政策が」
2回目音声「장천남새전문협동농장을 비롯하여(チャンチョン野菜専門協同農場をはじめとし)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
初回音声「구현된 만년대계의 창조물들과(具現された万年大計の創造物と)」
2回目音声「당의 사상과 정책이 구현된(党の思想と政策が具現された)」

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
この後「元帥様」の演説映像に切り替えられるが、この時点で静止画が長かった分だけ映像が遅れている。

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
そして、しばらく音声と映像のズレが続き、演説開始後12分頃、「 건설은 국력과 문명의 높이를 직관적으로 보여주는 척도이며 우리 당의 인민적시책을 구현하기 위한 보람차고도 중요한 사업입니다. 건설부문에서 당의 건설방침과 대건설구상을 실현하기 위한 총공격전을 벌려(建設は、国力と文明の高さを直感的に見せる尺度であり、党と人民的施策を具現するためのやり甲斐があり重要な事業です。建設部門で党の建設方針と大建設構想を実現するための総攻撃戦を展開し)」という部分で労働党庁舎が出るが、ここから初回と第2回目放送の音声と映像の切り替えが同じになる。つまり、約10分間は裏では音声と映像がずれたまま放送が続けられ、この部分に至る過程で音声と映像のズレが、録画であるとすれば偶然、生放送であるとすれば意図的に調整されて正常になったということであろう。実際に、静止画切り替えのタイミングを初回放送と2回目の放送で比較してみると、だんだんとタイミングが近づいてきていることが分かる。

Source: KCTV, 2016/01/01 12:00(PST)
そして、「元帥様」の演説映像が再び出る放送開始後21分頃(祖国統一の話題に入る)には、音声と映像はシンクロしている。
これが「新年の辞」でなければ、それほど気にもしなかったのであるが、世界が注目している「新年の辞」でのこうしたエラーは北朝鮮にとっては大変痛いはずである。
2回目でエラーが修正されているとすれば、初回の編集、校正担当者は正月早々痛い処分を受けた可能性が高い。
ズレが始まった部分には「科学技術殿堂」という言葉が入っているが、もしかすると1月1日、報道順序としては「新年の辞」の後に「竣工式」が行われたことになっている「科学技術殿堂」を急遽、加えることにした、あるいは原稿に「元帥様」が勝手に入れてしまったため、静止画の準備や切り替えタイミングの設定を慌ててやった結果、音声と映像のずれが生じたのかもしれない。
症状からするとストリーミングの問題ではないと思われるが、通信衛星からの電波を直接受信した動画を見なければ、最終的には分からないことも事実である。