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    「DPRK tourist site soon opens to Chinese visitors」(2012/03/21「People's Daily Online」)

    光明星3号発射関連の「朝鮮中央通信」の記事の裏を取るために「人民日報(英語版)」を見ていたら、こんな記事が出ていた。

    http://english.peopledaily.com.cn/90883/7764318.html

    金剛山観光は、そもそも韓国の現代のイニシアティブで、韓国と北朝鮮の民間レベル協力の象徴的な存在であったが、2008年7月に韓国人観光客の女性が許可されていない区域に侵入したことにより射殺された事件が発生して以来、韓国人観光はストップしてしまった。北朝鮮は昨年、韓国側に対して北朝鮮地域にある韓国が運営していた施設を没収するという声明を一方的に出していた。これに対し、韓国側は何ら有効な対抗手段に出ることができなかったので、事実上、北朝鮮に没収されざるをえなかったはずである。

    この「人民日報」のニュースによると、4月14日より中国人に対する金剛山観光が解禁になるとのことである。中国人観光客は、吉林省にある4社の民間旅行会社の手配で、延吉より出発し、揮春を経て北朝鮮の羅先に入り、そこから船で金剛山に向かうという。中国側の旅行社は吉林省にある旅行社4社に限られており、関係者によると、「行政機関はこの計画に関与していない」とのことである。しかし、北朝鮮側は、当然政府が絡んでいるはずであるし、中国側も「吉林省の旅行社」だけということになると、少なからず計画段階での吉林省政府の関与はあったはずである。

    金剛山観光については、中国人旅行者はノービザで行けるとのことである。ちなみに、それ以外の地域(少なくとも経験上、平壌は一昨年そうであった)に関しては、中国人とはいえビザを要し、団体旅行の際も中国側の旅行社より持ち物、行動、言動などについてかなり細かい注意を受けていた。ま、それでも、過去記事に書いたとおり、板門店で韓国の国歌を口笛で吹く人はいたのだが。

    なお、金剛山観光に中国人旅行者が持って行けないものは、「人民日報」の記事によると、携帯電話とプロ用のカメラだそうである。ちなみに、他の観光地ではこれらが許されているような記述がされている。中国人旅行者と日本人旅行者の扱いが同じかどうかは分からないが、経験上、携帯電話とGPS機能が付いた「もの」については、相当にうるさかった。これは、携帯電話、とりわけ中国のネットワークに接続可能な携帯電話が北朝鮮に持ち込まれ、朝鮮人民に譲渡されるのを警戒しているからであろう。ただし、カメラについてはプロ用とはいわずとも、それなりに性能の良い一眼レフを持ち込んだ。レンズについては、望遠は許されないという話があったので、18-55mm1本だけを携行したが、入国の際も入国後の撮影も一切制限を受けなかった。むしろ、こちらが気にして「写真を撮っても良いか」と尋ねていたほどである。金剛山は特別なのであろうか。

    この記事では、金剛山観光を「中国人に」と書いているが、北朝鮮観光を国交がない日本人もできる現状を考えると、恐らくは、中国経由で行けば、金剛山にも行けるのではないだろうか。ただ、私の平壌行きが中国人グループに混ざっていくことを許されなかったように、金剛山も個人(独立)の旅行パッケージとなる可能性は高い。

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