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    ハン・ヨンス、『逸話で見る偉人像1』 1 (平壌出版社、2015) その11 「公園ではなく、野菜畑に」

    □熱いキムチ漬け込みシーズンの風景

     昔から一年の半食料と伝えられている冬キムチ。
     科学者、研究者が入居した住居がある衛星科学者住宅地区に初めてのキムチ漬け込みシーズンが来たのは、2014年11月のことであった
     その時、家の前の野菜畑で大きく育ったキムチ用野菜を受け取った科学者家庭では、再び激情の波動が起こっていた。
     「こんなに大きな白菜は初めて見ました。丸太のような大根は初めて見ます」、「こんな豪華な住宅に住みながら、家の直ぐ横で育った野菜でキムチを漬けるなんて夢にも思わなかった。」・・・
     深い事情のある白菜や大根をきれいに並べている家庭の主婦達の目頭は、感謝の涙で濡れていた。
     見えるところ全てに、歩みを進める全ての所に、父の愛が暖かく残っている衛星科学者住宅地区。
     人々にはその年の10月、新しく建設された衛星科学者住宅地区を視察されながら、ご自身が去る6月、アパートの間の空間に野菜畑を作ろうと言ったが、その野菜場鷹に植えた野菜がよく育ったと大変喜ばれた元帥様の太陽の光のようなお姿が熱く思い出された。そして、建設が行われいた6月のその日が感慨深く思い出された。
     主体103(2014)年6月中旬のある日のことだった。
     新たな朝鮮速度創造の熱風で煮えたぎり、日々変貌していた衛星科学者住宅地区建設現場を敬愛する金正恩元帥様が訪ねてこられた。
     長い時間を捧げられ、科学者住宅地区建設を細心に指導して下さった敬愛する元帥様は、アパートの間に広がっている広い空き地を指さされ、あそこには何を建てるのかと尋ねられた。
     幹部は、設計に反映されているとおり空き地には休息場と遊び場を作る予定だと申し上げた。
     答えを聞かれた元帥様は、しばらく何も仰らず、底を眺めておられた。
     慇懃なる緊張が、幹部たちの胸をドキドキさせていたが、ほどなく、何かを決心されたように彼らの方を向かれた敬愛するそのお方は、空き地に野菜畑を作ろうと仰った。
     そのお言葉に同行した幹部たちが驚いた。
     (野菜畑だって?!)
     これほど現代的な多層住宅地区の空き地には、そこに似合った休息場と遊び場を建設するのが常例となっていたのである。
     首をひねる幹部たちに敬愛する元帥様は仰った。
     平壌市郊外に位置した住宅地区の特性に合うようにアパートの間に野菜畑を作り、小さな音質も建設してやれば、科学者が喜ぶだろう、総配置図に野菜畑と温室を反映し、野菜畑整理と温室建設も工事計画に含め、よいものを作ってやらなければと仰った。
     敬愛する元帥様の丁重なお言葉を胸に刻んだ幹部たちの胸は熱くなった。
     科学者と約束した衛星科学者住宅地区の竣工月は10月であった。
     建設者はもちろん、全国の人民の心の中に科学者住宅地区竣工の10月が深く刻まれていたが、誰もその10月がキムチの漬け込みシーズンを前にした時期であるということは考えなかった。そして、雄大華麗で現代的な多層住宅の部屋の数や部屋の広さ、住宅地区の構造には気を遣ったが、郊外に位置したこの住宅地区に住むことになる住民達の野菜問題にまで考えが及んだ人は一人もいなかった。
     幹部の目の前には衛星科学者住宅地区の初年のキムチ漬け込みシーズンの風景と共に、家の前の野菜畑から青く新鮮な白菜、大根を担いできて、誰よりも喜んでいる科学者家庭の主婦達の姿がはっきりと浮かんだ
     建設を専門としてきた設計家達にも、建設幹部たちにも、驚くべきことであった。
     建設史上こんなことはあったのだろうか!
     こうして、新居入居という慶事が始まる頃には、野菜畑と温室に良好な野菜作況と共に広がった希な風景が作り出されたのである。
     衛星科学者住宅地区に新居入居が始まったのは、昨年10月19日であった。
     5部屋、4部屋、3部屋の立派な家をもらった科学者家庭を祝ってやり、噂になっている科学者住宅地区を自分の目で直接見てやろうと、多くの人々がやって来た。
     口をぽかんと開けて感嘆する人たちの目に、意外にも、新鮮な白菜や大根で埋まった野菜畑が飛び込んだ。
     こんなに雄壮華麗で現代的な多層住宅地区に野菜畑とは?!
     花畑でもない、緑で新鮮な野菜畑を見て驚いている人たちに、科学者の夫人達は涙をにじませながらこう言った。
     「元帥様の愛が詰まったキムチ用野菜なのです。」
     そんな事情を抱いている野菜が衛星科学者住宅地区の初めてのキムチ漬け込みシーズンに家々に配られたのだ。
     そんな愛を前に、幸福の特等席の主人達が泣かずにいられるだろうか。
     人々は、衛星科学者住宅地区の初年のキムチの味が、恐らく、格別であろうと異口同音に話していた。そして、衛星科学者住宅地区を建てたことは、我々の建築術を誇示するためではなく、科学者が何の不便もなく科学研究事業に専念できるようにするためであると仰った敬愛する元帥様のお言葉の深い意味を再び激情の中で思い出している。
     熱いキムチ漬け込みシーズンの風景。
     人民の父の崇高な愛が広がる輪が祖国のもう一つの格別な風景である。

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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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