ハン・ヨンス、『逸話で見る偉人像1』 1 (平壌出版社、2015) その5 「建築の英才が、速写を指導した20分の講義」
□建築家達の嘆声
主体102(2013)年11月のある日、平壌建築総合大学を訪問された敬愛する金正恩同志が、名誉総長になられると仰った事実は、全国人民と教育者に大きな衝撃を与えた。
まさにその日にあったことだ。
大学のあちこちを回られた敬愛する元帥様が、美術実技室に入られたときだった。そこでは、学生たちが絵を描いているところであった。
未来の前途有望な建築家として育っている学生たちの姿を愛に満ちた視線で眺めておられたそのお方は、ふと、学生が人物人物速写をするのに何分かかるのかと尋ねられた。
一人の学生が5分間あればできますと自信を持って答えた。
すると、敬愛する元帥様は、では10分ほど待っているから、ここに来た幹部を選んで人物速写をやってみろと仰った。そして、同行した幹部の中から一人を自ら選定して下さった。
あまりにも意外なことなので、幹部も大学教員も大変驚いた。
(一分一秒も貴重な現地指導の時間を学生の美術実技のために割かれるとは?!)
しかし、敬愛する元帥様は、まるで授業の鐘の音と共に教室に入ってきた師匠の多情で親近な眼差しで学生を眺めてながら、明るく笑っておられた。
全ての視線が画板を前に置いて座っている3人の学生に集中し、美術実技室には鉛筆の音だけが静かに響いていた。
まだ、未熟な学生の絵を描く能力を見て下さろうと、貴重な時間を割かれる敬愛する元帥様の前で、恐縮さを禁じ得なかった大学幹部は、そのお方に学生の建築形成設計作品集を差し上げた。
敬愛する元帥様は、不十分な点が多い建築形成設計作品集を一ページ、一ページずつ熱心にご覧になり、上手く描いたと過分のお褒め下さった。そして、建築家は、絵を上手く描かなければならない、そのためには、空間表象能力と形態、プロポーション、色に対する感覚がなければならないことについて教えて下さった。
ある建設対象の実例まで挙げて、分かりやすく説明される敬愛する元帥様のお言葉を刻む教員の心臓は、力強く鼓動した。一生を教壇に捧げてきたと自負していたが、こんなに短い時間に建築学の原理から始まり、その特徴と基礎的な問題に至るまで実に簡単明瞭に、誰もが容易に理解できるように教えておられる敬愛する元帥様の前で、自然と頭が下がってしまった。
そうこうしている間に10分間が過ぎた。そのお方は、学生が絵を描くところへと近づかれた。
敬愛する元帥様は、まだ完成できていない3人の学生の絵を熱心にご覧になりながら、速写をするところを見ていると、方法が皆違うと仰った。頭をまず描く学生がいる一方、体をまず描く学生もおり、前に座った2人の学生が速写した絵を見ると、一人はプロポーションが似ており、もう一人は姿勢が似ていると、長所と短所について一つ一つ指摘して下さった。
そして、後ろに座った学生は、速写する対象の特徴を上手く掴んだ、この学生が定められた時間に速写を一番上手くやった、人物速写は、その人固有の特徴が生かされなければならない、人を見て、その人の特徴を一つだけ正確に見いだし、それだけ上手く描いても形態を把握できると貴重な教えを下さった。
素描対象となった幹部と学生が速写した絵を順番に見ながら、人々は感動と驚嘆を禁じ得なかった。
敬愛する元帥様が、建築形成設計作品集を見て下さり、建築家が備えなければならない創造的な眼目と空間表象能力、感覚と美観について実に明白で通俗的に教えて下さるときにも驚いた。しかし、今回も何枚かの絵をご覧になり、対象の本質的な特徴だけを集約的に短時間に描かなければならないという美術実技実践の必要性と方途につしてまで明快に明らかにして下さった。
準備された講義案もない講義であった。しかし、たった20分間に学生たちを魅惑し、教員たちを驚嘆させた講義であった。
社会の発展の様子と現代の全ての知性、創造的思索と能力を総合的に反映される建築の世界が、どれほど深く、その尖端に登ろうとするならば、どのような高い実力を備えなければならないのかを、より理解できた大学幹部と教員であった。自分の国を一日も早く世界が羨ましがる文明強国として輝かせるため、敬愛する元帥様が捧げておられる熱烈な愛と献身の雄心深い世界を、短い20分間の講義が再びはっきりと認識させてくれた。
大学を回られながら、敬愛する元帥様が施して下さった天のような恩情を振り返る幹部と教員の胸には、ご自身が名誉総長になろうと仰ったお言葉の深い意味が胸を鼓動させながら浮かんできた。
敬愛する元帥様が乗られた車は、いつのまにか大学正門を出て、どんどん小さくなっていった。しかし、そのお方を仰ぎ、心の中でついていく全ての心臓からは、こんな叫びが聞こえてきた。
(偉大な建築の英才を我々の大学の名誉総長として頂くのだから、主体建築の明日はどれほど煌めき輝くものなのだろうか!)
主体102(2013)年11月のある日、平壌建築総合大学を訪問された敬愛する金正恩同志が、名誉総長になられると仰った事実は、全国人民と教育者に大きな衝撃を与えた。
まさにその日にあったことだ。
大学のあちこちを回られた敬愛する元帥様が、美術実技室に入られたときだった。そこでは、学生たちが絵を描いているところであった。
未来の前途有望な建築家として育っている学生たちの姿を愛に満ちた視線で眺めておられたそのお方は、ふと、学生が人物人物速写をするのに何分かかるのかと尋ねられた。
一人の学生が5分間あればできますと自信を持って答えた。
すると、敬愛する元帥様は、では10分ほど待っているから、ここに来た幹部を選んで人物速写をやってみろと仰った。そして、同行した幹部の中から一人を自ら選定して下さった。
あまりにも意外なことなので、幹部も大学教員も大変驚いた。
(一分一秒も貴重な現地指導の時間を学生の美術実技のために割かれるとは?!)
しかし、敬愛する元帥様は、まるで授業の鐘の音と共に教室に入ってきた師匠の多情で親近な眼差しで学生を眺めてながら、明るく笑っておられた。
全ての視線が画板を前に置いて座っている3人の学生に集中し、美術実技室には鉛筆の音だけが静かに響いていた。
まだ、未熟な学生の絵を描く能力を見て下さろうと、貴重な時間を割かれる敬愛する元帥様の前で、恐縮さを禁じ得なかった大学幹部は、そのお方に学生の建築形成設計作品集を差し上げた。
敬愛する元帥様は、不十分な点が多い建築形成設計作品集を一ページ、一ページずつ熱心にご覧になり、上手く描いたと過分のお褒め下さった。そして、建築家は、絵を上手く描かなければならない、そのためには、空間表象能力と形態、プロポーション、色に対する感覚がなければならないことについて教えて下さった。
ある建設対象の実例まで挙げて、分かりやすく説明される敬愛する元帥様のお言葉を刻む教員の心臓は、力強く鼓動した。一生を教壇に捧げてきたと自負していたが、こんなに短い時間に建築学の原理から始まり、その特徴と基礎的な問題に至るまで実に簡単明瞭に、誰もが容易に理解できるように教えておられる敬愛する元帥様の前で、自然と頭が下がってしまった。
そうこうしている間に10分間が過ぎた。そのお方は、学生が絵を描くところへと近づかれた。
敬愛する元帥様は、まだ完成できていない3人の学生の絵を熱心にご覧になりながら、速写をするところを見ていると、方法が皆違うと仰った。頭をまず描く学生がいる一方、体をまず描く学生もおり、前に座った2人の学生が速写した絵を見ると、一人はプロポーションが似ており、もう一人は姿勢が似ていると、長所と短所について一つ一つ指摘して下さった。
そして、後ろに座った学生は、速写する対象の特徴を上手く掴んだ、この学生が定められた時間に速写を一番上手くやった、人物速写は、その人固有の特徴が生かされなければならない、人を見て、その人の特徴を一つだけ正確に見いだし、それだけ上手く描いても形態を把握できると貴重な教えを下さった。
素描対象となった幹部と学生が速写した絵を順番に見ながら、人々は感動と驚嘆を禁じ得なかった。
敬愛する元帥様が、建築形成設計作品集を見て下さり、建築家が備えなければならない創造的な眼目と空間表象能力、感覚と美観について実に明白で通俗的に教えて下さるときにも驚いた。しかし、今回も何枚かの絵をご覧になり、対象の本質的な特徴だけを集約的に短時間に描かなければならないという美術実技実践の必要性と方途につしてまで明快に明らかにして下さった。
準備された講義案もない講義であった。しかし、たった20分間に学生たちを魅惑し、教員たちを驚嘆させた講義であった。
社会の発展の様子と現代の全ての知性、創造的思索と能力を総合的に反映される建築の世界が、どれほど深く、その尖端に登ろうとするならば、どのような高い実力を備えなければならないのかを、より理解できた大学幹部と教員であった。自分の国を一日も早く世界が羨ましがる文明強国として輝かせるため、敬愛する元帥様が捧げておられる熱烈な愛と献身の雄心深い世界を、短い20分間の講義が再びはっきりと認識させてくれた。
大学を回られながら、敬愛する元帥様が施して下さった天のような恩情を振り返る幹部と教員の胸には、ご自身が名誉総長になろうと仰ったお言葉の深い意味が胸を鼓動させながら浮かんできた。
敬愛する元帥様が乗られた車は、いつのまにか大学正門を出て、どんどん小さくなっていった。しかし、そのお方を仰ぎ、心の中でついていく全ての心臓からは、こんな叫びが聞こえてきた。
(偉大な建築の英才を我々の大学の名誉総長として頂くのだから、主体建築の明日はどれほど煌めき輝くものなのだろうか!)