ハン・ヨンス、『逸話で見る偉人像1』 1 その2 「アルトバイオリンの音程の狂いを指摘」 (平壌出版社、2015)
□天才的な音楽的叡智
敬愛する金正恩同志がある楽団の演奏会を指導されたときのことだった。
敬愛するそのお方を頂き、演習会をすることになった喜びを抱き、楽団は吹奏楽『勝利の閲兵式』に続き『万景台の歌』、『銀色の翼』を演奏した。
敬愛する元帥様は、大きな拍手をして下さりながら、吹奏楽曲が編曲も上手くできており、形象も上手くできていると仰りながら、これからは、演奏曲目順序通りにやらず、ご自分が指摘する歌を演奏してみなければならないと仰った。
そして、『海岸砲兵の歌』を演奏しろと仰った。
彼らは、『海岸砲兵の歌』を凜々しくも迫力を持って演奏した。
敬愛する元帥様は、歌の性格に合うように形象も上手くやっていると仰りながら、楽団の責任者である指揮者に音楽の速度が少し早い感じがするがどうかと尋ねられた。
彼は、滅敵の砲火を飛んでいく海岸砲兵の凜々とした姿にだけ気を遣い、速度の問題に無関心であった自身を悔やんだ。
敬愛する元帥様は、あんなに速度が速いと、海岸砲兵達が砲弾をどのように装弾するのか、今の速度には高射砲が合っていると仰り、力強く笑われた。
敬愛するそのお方は、今度はソ連の歌を何曲か演奏しろと仰った。
指揮者の指揮にしたがい、旧ソ連の歌が演奏された。
多くの管楽器と打楽器で構成された楽団が新たに形象した外国音楽を演奏し始めると、数十種類の音が響き、時には暴風のような音響で響き、時には澄んだ小川の水のような旋律でソフトに流れた。
演奏家も熱中し、指揮者も熱中していた。
しかし、敬愛する元帥様は、なぜなのか、ある曲の演奏で異常な感触を感じられ、指揮者を眺めたり、演奏家を眺めたりしておられた。
しばらくして演奏が終わると、敬愛する元帥様は、ある歌について原曲と合っていない、曲で指示を守れていなかったと指摘して下さった。
コントラバスの音力が豊かではなかったような感じがし、そしてアルトバイオリンも音程が合っていなかったと仰るのであった。
指揮者は、何も言えなかった。
アルトバイオリン1番が音程をきちんと合わせられないまま、演奏をしていたのであった。
多くの楽器で編成された吹奏楽演奏楽団の微細な音程を聞き分けることは、音楽専門家であっても、優秀な専門家でなければ難しいことであったからである。
指揮者がアルトバイオリンの音程が間違っていたと申し上げた。
敬愛する元帥様のお声が響いた瞬間、楽団の指揮者の胸の中は、何とも言い難い感嘆と歓喜で溢れていた。
多くの楽士が何種類もの異なる楽器を同時に演奏する雄大で複雑な音響の中から、専門家も捕捉できないアルトバイオリンが他の楽器と混濁し、異なっていることを一瞬で聞き分けられたそのお方の音程把握の非常なる正確さに感動したのであった。
その場にいた幹部も、演奏家も同じ心情で、天才的な音楽的叡智をお持ちの敬愛する元帥様を敬慕の情に溢れて仰いでいた。
敬愛する金正恩同志がある楽団の演奏会を指導されたときのことだった。
敬愛するそのお方を頂き、演習会をすることになった喜びを抱き、楽団は吹奏楽『勝利の閲兵式』に続き『万景台の歌』、『銀色の翼』を演奏した。
敬愛する元帥様は、大きな拍手をして下さりながら、吹奏楽曲が編曲も上手くできており、形象も上手くできていると仰りながら、これからは、演奏曲目順序通りにやらず、ご自分が指摘する歌を演奏してみなければならないと仰った。
そして、『海岸砲兵の歌』を演奏しろと仰った。
彼らは、『海岸砲兵の歌』を凜々しくも迫力を持って演奏した。
敬愛する元帥様は、歌の性格に合うように形象も上手くやっていると仰りながら、楽団の責任者である指揮者に音楽の速度が少し早い感じがするがどうかと尋ねられた。
彼は、滅敵の砲火を飛んでいく海岸砲兵の凜々とした姿にだけ気を遣い、速度の問題に無関心であった自身を悔やんだ。
敬愛する元帥様は、あんなに速度が速いと、海岸砲兵達が砲弾をどのように装弾するのか、今の速度には高射砲が合っていると仰り、力強く笑われた。
敬愛するそのお方は、今度はソ連の歌を何曲か演奏しろと仰った。
指揮者の指揮にしたがい、旧ソ連の歌が演奏された。
多くの管楽器と打楽器で構成された楽団が新たに形象した外国音楽を演奏し始めると、数十種類の音が響き、時には暴風のような音響で響き、時には澄んだ小川の水のような旋律でソフトに流れた。
演奏家も熱中し、指揮者も熱中していた。
しかし、敬愛する元帥様は、なぜなのか、ある曲の演奏で異常な感触を感じられ、指揮者を眺めたり、演奏家を眺めたりしておられた。
しばらくして演奏が終わると、敬愛する元帥様は、ある歌について原曲と合っていない、曲で指示を守れていなかったと指摘して下さった。
コントラバスの音力が豊かではなかったような感じがし、そしてアルトバイオリンも音程が合っていなかったと仰るのであった。
指揮者は、何も言えなかった。
アルトバイオリン1番が音程をきちんと合わせられないまま、演奏をしていたのであった。
多くの楽器で編成された吹奏楽演奏楽団の微細な音程を聞き分けることは、音楽専門家であっても、優秀な専門家でなければ難しいことであったからである。
指揮者がアルトバイオリンの音程が間違っていたと申し上げた。
敬愛する元帥様のお声が響いた瞬間、楽団の指揮者の胸の中は、何とも言い難い感嘆と歓喜で溢れていた。
多くの楽士が何種類もの異なる楽器を同時に演奏する雄大で複雑な音響の中から、専門家も捕捉できないアルトバイオリンが他の楽器と混濁し、異なっていることを一瞬で聞き分けられたそのお方の音程把握の非常なる正確さに感動したのであった。
その場にいた幹部も、演奏家も同じ心情で、天才的な音楽的叡智をお持ちの敬愛する元帥様を敬慕の情に溢れて仰いでいた。