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    「総連と在日同胞に対する日本反動共の弾圧妄動は高い対価を支払うことになる-朝日友好親善協会スポークスマン談話-」:総連北海道本部捜索等を非難 (2015年9月9日 「朝鮮中央通信」)

    9日、「朝鮮中央通信」に北海道警が総連北海道本部などを家宅捜索したことなどを非難する「朝日友好協会スポークスマン談話」が掲載された。類似した「談話」は、「朝鮮対外文化連絡協会スポークスマン」も出している。総連の事実上の機関紙、『朝鮮新報(朝鮮語版)』は、北海道本部捜索や北朝鮮が出した「談話」については、この記事を書いている時点では報じていない。

    日本のネットニュースでこの事件について読んだのだが、テレビニュースを文字化した報道では、何が何だかよく分からなかった。しかし、『朝日新聞』が報じた記事でやっと何があったのか理解できた。

    朝日新聞デジタル、「朝鮮総連傘下企業、不正受給の疑い 北海道本部を捜索」、http://www.asahi.com/articles/ASH965RQLH96IIPE00X.html

    事件の概要は、朝鮮初中高級学校に勤めていたが、解雇された人々を北海道の飲食店が実際は雇用していないにもかかわらず、雇用されているかのように装い、離職者雇用を促進する目的の雇用関係助成金を搾取した疑いがあるので、その搾取に加担したと疑われる飲食店、総連北海道本部、朝鮮初中高級学校を家宅捜索し、証拠物件を押収したということのようだ。要は、公的資金の不正受給事件である。

    「補助金不正受給」というキーワードで検索してみると、実に色々出ては来るが、いきなり刑事告発されて、警察の捜査の手が入るという例は少ないようだ。例えば、厚労省東京都労政局のページを見ると、「雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金不正受給に係る事業所名等の公表について」として不正行為を行った事業所が公開されているが、こうした企業が刑事告発され、警察の捜査が入っているのだろうか。

    厚生労働省東京労働局HP、「雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金不正受給に係る事業所名等の公表について」、http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/news_topics/houdou/2014/_120507.html

    総連北海道本部捜査の経緯がよく分からないので何ともいえないのだが、不正受給が発覚、厚労省傘下の事務所等が返還を請求、総連関連の不正受給を受けた飲食店が不正受給を認めず返還も拒否、厚労省傘下の事務所等が刑事告発し、家宅捜索という流れであれば、おかしくはないであろう。

    もちろん、このタイミングで総連北海道本部を家宅捜索したのは、総連議長次男の松茸不正輸入事件同様、拉致被害者調査について北朝鮮に圧力を掛けるためである。時期的にもそろそろであるし、安保関連法案決議後に、拉致問題解決で安倍政権の支持率を稼ごうという目論見であろう。もちろん、解決に繋がらなければ支持率はさらに下落するであろうが、ある意味かけである。「アベノミクス」だの「三本の矢」だのという言葉もマンネリ化しインパクトを失っているので、何かが欲しいはずである。

    日本側の事情はこんなところであろうが、「朝日友好協会スポークスマン談話」は何を言っているのか。全訳は以下のとおりである。

    ******************
    去る9月6日、日本の北海道警察当局は、数十人の無頼漢共を急き立て、北海道総連初中高等学校と総連北海道本部会館内にある総連関係機関を強制捜索する蛮行を躊躇することなく行った。

    同時に警察チンピラ共は、飲食店を経営する在日同胞と総連幹部の家を強制捜索したのに続き、前総連北海道商工会経理室副室長を不当に逮捕するという横暴無道な暴挙を働いた。

    今回、日本反動共が雇用補助金の「不正受給」云々しながら、朝鮮学校と総連本部会館にまで捜索を拡大する乱動を行ったのは、どうしても総連に「違法団体」、「犯罪団体」の帽子をかぶせ、我々共和国の尊厳高い海外公民団体である総連の権威に墨を塗り、さらには抹殺しようという悪辣な目的がある。

    日本反動共が、言論をとおしてまるで総連組織と総連の幹部が事件に加担したように嘘の世論を留伏していること自体が、今回の弾圧策動の陰謀的正確をはっきりと表している。

    今回、再び行われた総連と在日朝鮮人に対する極悪無道な弾圧蛮行の責任は、全的に日本当局にある。

    内外世論が一致して評しているように、総連と在日同胞に対する安倍政権の弾圧策動は、日本の歴代のどの当局とも比較できないほど極めて悪辣で残忍な方法、最も広範囲な規模で行われている。

    世界が21席を平和と発展の世紀と定め、国と民族間に和合と親善を図るために努力しているときに、日本で展開している総連と税日朝鮮人に対する弾圧蛮行は、時代の流れに対する悪辣な朝鮮であり、人類の良心に対する愚弄である。

    元来、在日朝鮮人問題の発生経緯からしても、国際法的要求からしても、日本当局は、総連と在日同胞に民主主義的民族権利と利益を保障し、積極的に保護しなければならない責任がある。

    それにもかかわらず、日本反動共は、過去、彼らが我が民族に犯した激憤する犯罪に対して謝罪と賠償も行わず、在日同胞を迫害するだけではなく、彼らを対象に国家権力を動員した暴圧テロ行為まで躊躇することなく行っている。

    ここ数年、総連組織と幹部たち、在日同胞を標的とし、立て続けに行われている日本反動共の強制捜索と逮捕騒動は、外国人の権利に関する宣言と外国人の地位に関するハバナ条約、世界人権宣言など、国際法に乱暴に違反する特大型の反人類的犯罪である。

    日本が我が民族に犯した全ての罪悪を最後まで計算し、積もり積もった民族の恨みを必ずや晴らそうというのが、我々軍隊と人民の確固不同な意志である。

    我々軍隊と人民は、総連と在日同胞に対する迫害と弾圧に狂奔しながら、朝日関係を最悪の破局へと向かわせている日本反動共の策動を決して座視することはなく、日帝の過去罪悪と共にその対価を必ずや支払わせるであろう。

    日本反動共は、我々軍隊と人民の対日敵対心と報復の熱気をしっかりと見て、総連と在日同胞に対する無分別な政治的弾圧行為を直ちに止めなければならない。

    万が一、日本当局が我々が繰り返す警告を無視し、反総連、反朝鮮人敵対行為を継続するのであれば、それによりもたらせる全ての結果について全的な責任を負うことになるであろう。

    2015年9月9日 平壌
    ********************************

    「それによりもたらせる全ての結果」というのは、拉致被害者調査中断を意味しているのであろうか。

    <追記>
    「北朝鮮の宋日昊(ソン・イルホ)日朝国交正常化担当大使」、「相手がいてこそ情報も共有できる」そうだ。総連を弾圧する「日本反動」は「相手」ではないということか。

    TBS News、「北朝鮮・宋大使「報告書ほぼ完成したが・・・」、http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150910-00000051-jnn-int

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    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

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