「敬愛する金正恩同志がキューバ-共和国国家代表団と接見された」:金正恩、料理人やバスケット選手ではない外交ミッションと初会見 (2015年9月8日 「労働新聞」)
「モランボン楽団」関係の記事を先に書いてしまったが、本当は金正恩が、料理人やバスケット選手ではなく、外交ミッションと初めて接見したということの方が重要である。
会見で話し合われた内容などは具体的に報道されていないが、配信された写真を見ると、これまでの外国人との接見と違う点がある。
「モランボン楽団」を観覧する「元帥様」の写真を紹介しながらも書いたが、まず必ず置かれている灰皿がない。加えて、会談中、椅子にふんぞり返ることなく、浅く座って話をしている。『労働新聞』に掲載されている会談の様子の写真の中には背もたれに寄りかかっているものは1枚もない。「モランボン楽団」公演でキューバ外交ミッションと一緒の椅子に座り、タバコも吸わず、背もたれにも寄っかからないというのは、明らかに外交ミッションに敬意を表しているものであろう。

Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 꾸바공화국 국가대표단을 접견하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-09-08-0001_photo
キューバ代表団団長は、「キューバ共産党中央委員会政治局委員でありキューバ共和国国家理事会第1副委員長であり、内閣第1副首相であるミゲル・マリオ・ディアス=カネル・ベルムーデス同志」と紹介されている。キューバの政治システムや政治指導者についてはラウル・カストロぐらいしか思いつかないが、ざっと検索してみるとこの人がラウル・カストロの後継者のようだ。
だとすると、「元帥様」が接見するに値するクラスの政治指導者であり、年長(55才)のこうした指導者に礼を尽くす若き「元帥様」の姿を初めて見せたということになるのであろう。
また、米国と外交関係を回復したキューバを、外交関係樹立55周年という節目の年と言うことがあるものの、これほど丁重に遇したと何か意味があるのかもしれない。ディアス氏は「強行派」とも紹介されているので、米国との国交交渉でどのような態度を取ったのかはもう少し調べてみないと分からない。
事実関係を確認はしてはいないが、タイミングとしては、キューバ代表団は中国の戦勝記念行事の帰りに北朝鮮に立ち寄ったのであろう。
昨日は、1日中、「テレビ連続小説」、「初の麓で(첫 기슭에서)」見ていたのだが、その中で、「共産主義青年同盟ヨンピョン郡秘書」の青年が、「共産主義者など、礼儀知らずだし、目上の人にもドンム、ドンムと言う」と怒っている封建的かつ裕福な老人(反動ではない)に対して、礼儀正しく接し、その老人を驚かせた姿に「元帥様」と重なったような気がしないでもない。
老人に正座をして深々と頭を下げる「共青郡秘書」。この姿を見て、老人はこの若者は共産主義者ではないと確信していた。

Source: KCTV, 『初の峰で 第14部』、2015/08/29放送
<追記>
思えば、外交儀礼としては当たり前のことなのだろうが、「元帥様」となると、どうも違って見えてしまう。
会見で話し合われた内容などは具体的に報道されていないが、配信された写真を見ると、これまでの外国人との接見と違う点がある。
「モランボン楽団」を観覧する「元帥様」の写真を紹介しながらも書いたが、まず必ず置かれている灰皿がない。加えて、会談中、椅子にふんぞり返ることなく、浅く座って話をしている。『労働新聞』に掲載されている会談の様子の写真の中には背もたれに寄りかかっているものは1枚もない。「モランボン楽団」公演でキューバ外交ミッションと一緒の椅子に座り、タバコも吸わず、背もたれにも寄っかからないというのは、明らかに外交ミッションに敬意を表しているものであろう。

Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 꾸바공화국 국가대표단을 접견하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-09-08-0001_photo
キューバ代表団団長は、「キューバ共産党中央委員会政治局委員でありキューバ共和国国家理事会第1副委員長であり、内閣第1副首相であるミゲル・マリオ・ディアス=カネル・ベルムーデス同志」と紹介されている。キューバの政治システムや政治指導者についてはラウル・カストロぐらいしか思いつかないが、ざっと検索してみるとこの人がラウル・カストロの後継者のようだ。
だとすると、「元帥様」が接見するに値するクラスの政治指導者であり、年長(55才)のこうした指導者に礼を尽くす若き「元帥様」の姿を初めて見せたということになるのであろう。
また、米国と外交関係を回復したキューバを、外交関係樹立55周年という節目の年と言うことがあるものの、これほど丁重に遇したと何か意味があるのかもしれない。ディアス氏は「強行派」とも紹介されているので、米国との国交交渉でどのような態度を取ったのかはもう少し調べてみないと分からない。
事実関係を確認はしてはいないが、タイミングとしては、キューバ代表団は中国の戦勝記念行事の帰りに北朝鮮に立ち寄ったのであろう。
昨日は、1日中、「テレビ連続小説」、「初の麓で(첫 기슭에서)」見ていたのだが、その中で、「共産主義青年同盟ヨンピョン郡秘書」の青年が、「共産主義者など、礼儀知らずだし、目上の人にもドンム、ドンムと言う」と怒っている封建的かつ裕福な老人(反動ではない)に対して、礼儀正しく接し、その老人を驚かせた姿に「元帥様」と重なったような気がしないでもない。
老人に正座をして深々と頭を下げる「共青郡秘書」。この姿を見て、老人はこの若者は共産主義者ではないと確信していた。

Source: KCTV, 『初の峰で 第14部』、2015/08/29放送
<追記>
思えば、外交儀礼としては当たり前のことなのだろうが、「元帥様」となると、どうも違って見えてしまう。