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    「朝鮮人民軍最高司令部本部で開催された北南高位級緊急接触全容に関する朝鮮人民軍黄総政治局長炳瑞同志の通報」:南北間の「新たな雰囲気を幸い」と黄炳瑞、放送聴取でのエラーを訂正 (2015年8月25日 「朝鮮中央TV」)

    8月25日の「20時報道」冒頭で、「北南高位級緊急接触」に関する黄炳瑞報告が放送された。収録された場所は「朝鮮人民軍最高司令部本部」としているので、今回の合意が金正恩「最高司令官同志」の直接的な指示でなされたということを示しているのであろう。

    別記事にした「共同報道文」に続く、黄炳瑞の発言は以下のとおり。
    ****************
    今回の北南高位級緊急接触でなされた合意は、北南間の軍事的対決と衝突を防ぎ、緊張を緩和させ、北南関係を改善させようという、我々、軍隊と人民が原則的闘争と誠意のある努力の結果です。

    今回の北南高位級緊急接触を通して、南朝鮮側は根拠のない事件を捏造し、一方的に発生している事態を一方的に判断し、一方的な行動で相手側を刺激する行動を行った場合、状勢を緊張させ、あってはならない軍事的衝突をもたらさざるを得ないという深刻な教訓を得たことでしょう。

    我々は今回、共同の努力で北南関係改善の新たな雰囲気が作りだされたことを幸いと考え、南側当局が今回の北南高位級緊急接触でなされた合意の精神に誠実な姿勢で向き合い、その履行を積極的にすることで、北南関係発展に実質的に貢献することを望みます。

    我々は、全ての朝鮮民族が願っている民族繁栄の時代、統一時代を近づけるために全ての力を出す所存です。
    ****************

    「朝鮮人民軍最高司令部」の記章の前に立つ黄炳瑞
    20150825_kctvasf_039736217.jpg
    Source: KCTV, 2015/08/25放送

    「全ての力」は、対話のための努「力」と軍事「力」の両方を意味しているのだろうが、是非とも前者で行って欲しいものである。

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    No title

    お世話になります。

    米韓合同軍事演習の際に北朝鮮がこれに対抗するような軍事デモンストレーションをするのはいつものことですが、今年は戦時作戦統制権が米軍から韓国軍に移管される年とあって、北朝鮮でもこれに対抗するデモンストレーションも盛大に行われるだろうということは想像に難くないことでしたし、また祖国解放70周年ということもあって、勢い余っていささか調子に乗りすぎたようにも思います。

    当然、韓国もこうした動きは予想していたでしょうから、これを機に「こうした挑発行為はいい加減にしろ!」的な強い態度で臨むことで、大統領支持率を上げることに利用した部分もあるように思いますし、歯止めの効かなくなった反日ムードの矛先を北朝鮮に向けさせようとした感もあります。

    また北朝鮮も徴兵制が13年に延長されて、「どうせ戦争なんか起こるわけないのに、なんで13年も兵役につかなきゃいけないんだ?」という不満に活を入れて、「戦争は常に起こりうる」という緊張感を作り出したかったのだとも思えます。

    「外交問題の半分は、実は国内の問題」というのが常ですが、それが如実に表れているのが今回の南北緊張だと思います。

    結局、両者とも端っから戦争なんかする気は全くないわけで、むしろ戦争になったら互いに困るわけですが、流れ的に起こってしまうのがまた戦争の常であり、それはかつて日本が始めた戦争がそうであったわけですから、その意味では、表現方法はどうあれ、両者とも戦争する気はないということを確認しあったという点では、意義ある会談だったと思います。

    朴槿恵政権

    コメントありがとうございます。お説の通り、外交を国内問題処理のために使うのは常ですから、それぞれの事情があったのだと思います。北朝鮮による「徴兵制13年」という公式発表はなされていないと思いますが、確かに、「準戦時体制」た宣布されたときに炭鉱労働者などが「志願」する光景が「朝鮮中央TV」で流れていました。これは、「米帝との決戦」の状況でも起こることですから、決して珍しくはないのですが、「徴兵制13年」への不満があるとすれば、それと関連しているのかも知れませんね。

    一方、韓国ですが、結果的に朴槿恵政権に今回の事態収拾がプラスになるのか、マイナスになるのかは微妙なところです。「反日ムードの矛先を北朝鮮に向けさせよう」については、どうなのでしょうか。そのような意図があったにせよ、結果的に和解してしまったので、「北風」は効かなかったような気がします。

    私は、今回の地雷事件が第二の天安号事件になる可能性も考えたのですが、責任を曖昧にすることで、それは回避できたようです。朴政権は今回の結果について世論がプラスの評価をすれば、「5.24措置」解除など、南北和解に向けて動いていくのではないかと思います。これといった成果を政権前期で出すことができなかった朴槿恵が、後期には南北和解という成果を出そうと考えているのかもしれません。その系では、日韓関係改善の優先順位は下がったのかもしれません。

    > お世話になります。
    >
    > 米韓合同軍事演習の際に北朝鮮がこれに対抗するような軍事デモンストレーションをするのはいつものことですが、今年は戦時作戦統制権が米軍から韓国軍に移管される年とあって、北朝鮮でもこれに対抗するデモンストレーションも盛大に行われるだろうということは想像に難くないことでしたし、また祖国解放70周年ということもあって、勢い余っていささか調子に乗りすぎたようにも思います。
    >
    > 当然、韓国もこうした動きは予想していたでしょうから、これを機に「こうした挑発行為はいい加減にしろ!」的な強い態度で臨むことで、大統領支持率を上げることに利用した部分もあるように思いますし、歯止めの効かなくなった反日ムードの矛先を北朝鮮に向けさせようとした感もあります。
    >
    > また北朝鮮も徴兵制が13年に延長されて、「どうせ戦争なんか起こるわけないのに、なんで13年も兵役につかなきゃいけないんだ?」という不満に活を入れて、「戦争は常に起こりうる」という緊張感を作り出したかったのだとも思えます。
    >
    > 「外交問題の半分は、実は国内の問題」というのが常ですが、それが如実に表れているのが今回の南北緊張だと思います。
    >
    > 結局、両者とも端っから戦争なんかする気は全くないわけで、むしろ戦争になったら互いに困るわけですが、流れ的に起こってしまうのがまた戦争の常であり、それはかつて日本が始めた戦争がそうであったわけですから、その意味では、表現方法はどうあれ、両者とも戦争する気はないということを確認しあったという点では、意義ある会談だったと思います。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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