「万景台が伝える人民愛の話し」:潰れた壺の逸話、金日成は天から来た人 (2015年7月8日 「朝鮮中央TV」)
金日成の命日と関連し、7月8日、「朝鮮中央TV」で「万景台が伝える人民愛の話し」という番組が放送された。韓国・統一部の資料によると、この番組は2015年4月17日以降、4回放送されている。今年の「太陽節」に際して制作された番組の5回目の放送であったようだ。
この日は、「<朝鮮芸術映画>民族の太陽 第3部(前・後編)」や「児童放送時間」の「昔話のお祖父さん」で金日成の逸話をたくさん紹介している。この「万景台が伝える人民愛の話し」もその一つであるが、よく見るとなかなか面白い。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
まず、外国人が万景台を訪問すると必ず紹介され、また外国要人が「万景台故郷の家」を訪問したという報道では必ず写る「潰れた壺」の話があった。番組でも「世界的によく知られている」と言っているが、「よく知られている」かどうかは別とし、上記の通り、よく紹介されていることは間違いない。私も万景台訪問をしたとき、「講師」が説明をしてくれたのだが、その由来についてすっかり忘れてしまっていた。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
この潰れた壺の逸話は以下のとおりである。
「この潰れた壺は、金日成大元帥様の(何とかのお婆さん:音声が途切れていてよく分からない)であられる、金スン(のように聞こえるが、これもよくわからない)女史が、1874年に買ってこられたものです。当時、平壌場内にあった器屋では、壺をはじめとした土器を作って、船に積み、大同江ソンチャンで売っていました。その時、ある商人が船に積んできた壺の中に作る過程で失敗し潰れてしまったこの壺もありました。商人は、売れるかもと潰れた壺を持って来たのですが、誰も買おうとしなかったので川に捨てようとしました。壺を買いに来ておられた金スン女史は、まともな壺を買う金がなかったので、当時金2銭でこの壺を買われたのです。潰れた壺を運んでくるとき、貧乏だからと蔑視される辛さから心の中で血の涙を流していました。」
「金スン」女史と聞こえるお婆さんの肖像画。金日成の実の祖母ではないので、親戚のお婆さんと思われる。実のお婆さんは、李ボイク。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
要は、「国が解放される前は、朝鮮人は皆、貧乏な暮らしをし」ており、金日成の過程も例外ではなかったという話である。
壺が描かれた絵。女性が3人いるが、どれが誰なのか分からない。「万景台故郷の家」に行けば、「講師」が詳しく教えてくれるのだろうが、次はいつ行けるのか分からない。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
「お湯を沸かすのに何回も使い、本来の色を失ってしまった水壺」も貧乏を証明する品として紹介されている。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
その他の展示品も「貧乏の痕跡」として展示されているらしい。訪問したときにそのような説明があったのか記憶はないが、なぜ古い物が展示されているか謎が解けた。金日成の出身成分の証拠ということのようだ。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
「昔話お祖父さん」の方は、金日成死去後、鶴がたくさん飛来して飛び去ろうとしなかった理由などを童話風に「昔話お祖父さん」が子供たちに話している。面白かったのは、「金日成は天から来た人なので、天に戻らなければならないのだが、もう一人の天から来た金正日が錦繍山記念宮殿に丁重にお祭りしたので、鶴たちは(天の神様の命に反して)金日成を天に連れ帰るのを諦めた」と説明している点である。
この日は、「<朝鮮芸術映画>民族の太陽 第3部(前・後編)」や「児童放送時間」の「昔話のお祖父さん」で金日成の逸話をたくさん紹介している。この「万景台が伝える人民愛の話し」もその一つであるが、よく見るとなかなか面白い。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
まず、外国人が万景台を訪問すると必ず紹介され、また外国要人が「万景台故郷の家」を訪問したという報道では必ず写る「潰れた壺」の話があった。番組でも「世界的によく知られている」と言っているが、「よく知られている」かどうかは別とし、上記の通り、よく紹介されていることは間違いない。私も万景台訪問をしたとき、「講師」が説明をしてくれたのだが、その由来についてすっかり忘れてしまっていた。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
この潰れた壺の逸話は以下のとおりである。
「この潰れた壺は、金日成大元帥様の(何とかのお婆さん:音声が途切れていてよく分からない)であられる、金スン(のように聞こえるが、これもよくわからない)女史が、1874年に買ってこられたものです。当時、平壌場内にあった器屋では、壺をはじめとした土器を作って、船に積み、大同江ソンチャンで売っていました。その時、ある商人が船に積んできた壺の中に作る過程で失敗し潰れてしまったこの壺もありました。商人は、売れるかもと潰れた壺を持って来たのですが、誰も買おうとしなかったので川に捨てようとしました。壺を買いに来ておられた金スン女史は、まともな壺を買う金がなかったので、当時金2銭でこの壺を買われたのです。潰れた壺を運んでくるとき、貧乏だからと蔑視される辛さから心の中で血の涙を流していました。」
「金スン」女史と聞こえるお婆さんの肖像画。金日成の実の祖母ではないので、親戚のお婆さんと思われる。実のお婆さんは、李ボイク。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
要は、「国が解放される前は、朝鮮人は皆、貧乏な暮らしをし」ており、金日成の過程も例外ではなかったという話である。
壺が描かれた絵。女性が3人いるが、どれが誰なのか分からない。「万景台故郷の家」に行けば、「講師」が詳しく教えてくれるのだろうが、次はいつ行けるのか分からない。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
「お湯を沸かすのに何回も使い、本来の色を失ってしまった水壺」も貧乏を証明する品として紹介されている。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
その他の展示品も「貧乏の痕跡」として展示されているらしい。訪問したときにそのような説明があったのか記憶はないが、なぜ古い物が展示されているか謎が解けた。金日成の出身成分の証拠ということのようだ。

Source: KCTV, 2015.07.08放送
「昔話お祖父さん」の方は、金日成死去後、鶴がたくさん飛来して飛び去ろうとしなかった理由などを童話風に「昔話お祖父さん」が子供たちに話している。面白かったのは、「金日成は天から来た人なので、天に戻らなければならないのだが、もう一人の天から来た金正日が錦繍山記念宮殿に丁重にお祭りしたので、鶴たちは(天の神様の命に反して)金日成を天に連れ帰るのを諦めた」と説明している点である。