「敬愛する金正恩同志が大同江スッポン工場を現地指導された」:金正恩これまでにない「激怒」報道、5月中旬に「怒る」なぞ (2015年5月19日 「労働新聞」)
金正恩が「大同江スッポン工場を現地指導」し「激怒」したという記事が『労働新聞』に掲載された。金正恩が、「怒った」という報道は、2012年5月9日の「万景台遊技場」の「現地指導」の際に、
「遊技場構内の歩道ブロックの間に雑草が生えているのをご覧になった敬愛する金正恩同志は、残念な表情をされ、一本ずつご自身で草を抜かれながら、管理者の目にはこのようなことが見えないのか、遊技場管理者が主人らしい立場と職場に対する愛着、人民のためにサービスしようとする良心があれば、このような仕事をすることができるのか、設備改善のようなことはできないとしても、人の手がありながら雑草もなぜ抜くことができないのか、遊技場がこんなに情けないとは考えも及ばなかったと、灯台下暗しとはまさにここのことを言うのだと激しい語調で語られた」(拙ブログ過去記事の翻訳より、http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-182.html)
などと伝えられているが、上の過去記事にも書いたとおり、このときは「激怒」という言葉は使われていなかった。しかし、今回「スッポン工場」現地指導では、「激怒」という言葉が使われており、「遊技場」の管理状態を叱責した時より何倍もレベルアップしている。
このように強く叱責できるようになったのは、あれからほぼ2年が経過し彼の権力基盤が強固になったことの表れなのか、「スッポン工場」が管理運営がそれほどまでに悪かったのかは分からない。しかし、「将軍様」の「現地指導」が入り、特別措置として「淡水タラバエビ」の卵まで送っている「工場」である。それにもかかわらず、「激怒」しているのは、やはり管理運営が相当に悪かったのであろうか。
偶然の一致なのかも知れないが、「万景台遊技場」と今回の「スッポン工場」の「現地指導」の時期が非常に近いという点である。過去、お爺さんかお父さんが「現地指導」した際、5月中旬に指導先で叱責をしたという事例があるのかも知れない。
もう一つ考えられるのは、玄永哲粛正説との関連で、「元帥様」は理由もなく「激怒」して粛正することはしない。人民のためを考え、それに反するような行為があれば「激怒」して叱責するということを示そうとしたのかも知れない。
また、「党創建70周年」にも触れているので、「元帥様」の指導より、「党創建70年」までに輝かしい実績を上げた「見本工場」に変身するという、下地作りなのかも知れない。
以下では、『労働新聞』に掲載された同記事全訳しておく。
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敬愛する金正恩同志が大同江スッポン工場を現地指導された
朝鮮労働党第1秘書であられ、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会第1秘書であられ、朝鮮人民軍最高司令官であられる敬愛する金正恩同志が、大同江スッポン工場現地指導された。
黄炳瑞同志、オ・スヨン同志、李ジェイル同志、チョ・ヨンウォン同志が同行した。
大同江スッポン工場は、昔から貴重な補薬剤として広く知られてきた、味がよく、栄養価が高いスッポンを我々人民に供給してくださろうと、お心遣いをしてこられた偉大な将軍様の直接的な発議により建設された規模が大きなスッポン養殖場である。
敬愛する金正恩同志は、この工場で生産を正常化できていないという報告を受け、実態を把握するために訪問したと述べられた。
敬愛する金正恩同志は、大同江スッポン工場のあちこちを見て回られながら、生産及び管理運営状況を具体的に把握され、工場実態に対し厳しく指摘された。
敬愛する金正恩同志は、生涯の最後の時期、大同江スッポン工場を視察され、ついに我々人民に薬剤としてだけ使われているスッポンを食べさせることができるようになったと、大変喜ばれた将軍様の涙ぐましい出来事が刻み込まれている工場が、どうしてこんなに情けない状況になったのか、呆れて言葉も出ないと仰った。
敬愛する金正恩同志は、偉大な将軍様が自ら訪問された工場に革命史跡教養室も作らないことは、全く理解できない問題である、将軍様の領導業績を心臓に深く刻むことができない従業員は生産で主人らしい仕事(訳注:責任のある仕事)ができるはずがないと仰り、工場の雰囲気が工場の雰囲気がこれまで回られた他の工場とは完全に違うと述べられた。
敬愛する金正恩同志は、工場で偉大な将軍様の業績を台無しにしていると仰り、将軍様の領導業績を通じた教養事業もしっかりとしていないこんな単位が生産を正常化できないというのは、自明の事実であると激しい語調で指摘された。
敬愛する金正恩同志は、党の戦闘的スローガンもきちんと掲げられていない工場内からは脈のないため息ばかり聞こえると仰り、工場が稼働していない状態にまで至ったということは驚くほどだ、こんな単位は初めて見たと激怒して仰った。
敬愛する金正恩同志は、偉大な首領様と党の領導業績を固守し、輝かせる問題を最優先する単位では、全ての仕事がうまくいき、人民が党政策の実質的な徳を得ており、労働党万歳の声、社会主義万歳の声が響き渡っているが、そうではない単位では、敗北主義のため息ばかり聞こえてきており、条件を保障してやっても座ったままぐずぐずということが、我々が想起しなければならない教訓であると述べられた。
敬愛する金正恩同志は、党から淡水タラバエビを育てろと卵を送ってやり、必要な対策も立ててやったのに、工場では2年過ぎても養殖場を完工することができずにいると言われ、これは工場幹部の無能と固まった思考方式、無責任な勤務態度の発露であると厳しく指摘された。
敬愛する金正恩同志は、電気の問題、水の問題、設備の問題が引っかかり、生産を正常化できないというのは、話にもならない泣き言だと言われ、工場幹部は、時代の激しい息づかいを全く感じることができておらず、冬眠している、偉大な将軍様がこの事実をお知りになったら、どれほど胸を痛められるだろうか考えてみたのかと激怒しながら仰った。
敬愛する金正恩同志は、大同江スッポン工場が現代化事業もきちんとしていないと言われ、水質測定及び自動操縦体系を構築せず、この工場でのように養殖場内部を監視するカメラだけ設置していることが、何が総合調整室で、現代化なのかと指摘された。
工場で養殖に必要な水の保障及び循環体系はもちろんのこと、えさの保障対策も科学的にやらなければならないのに、条件と環境について云々しながら、提起される問題を自らの力で解決することができておらず、科学技術普及室も作っていないと言われ、先進技術を積極的に受け入れなければ、生産が後退するのを防ぐことができないと仰った。
敬愛する金正恩同志は、今、全国の千万軍民が朝鮮労働党創建70周年に捧げる立派な贈り物を準備しようと昼夜を分かたない緊張した戦闘を展開しているのに、いったいこの工場の幹部と従業員は、10月の大祝典場にいかなる成果を抱いて入ってこようとしているのか分からないと仰った。
敬愛する金正恩同志は、この工場でのような仕事をしていては、偉大な将軍様の念願を実現することができず、結局は党の権威まで毀損させる厳重な結果をもたらす可能性もあると言われ、どんなことがあっても大同江スッポン工場を人民が実際に徳を得る工場、先進的な養殖方法と技術が導入された我が国養殖の見本単位に転変させなければならないと強調された。
敬愛する金正恩同志は、大同江スッポン工場で季節に関係なく、養殖を安全にできるよう、電力保障対策をしっかりと立てる問題、我々の力と技術で生んで育てた設備を製作し、防疫施設をしっかりと整え、全般的な生産工程を自動化するための問題、餌を100%国産化するための問題、養殖を科学化するための研究事業を力強く展開するための問題など、工場事業を根本的に改善することにおける課業と方法を明らかにされた。
*ボールドは『労働新聞』記事のママ
『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 대동강자라공장을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2
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「激怒」した「金正恩同志」

Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 대동강자라공장을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2
激怒した表情

Source: KCTV, 2015/05/19放送
足をかけることはよくあるが、いつもと少し雰囲気が違う

Source: KCTV, 2015/05/19放送
足の組み方からも「激怒」が伝わってくる。

Source: KCTV, 2015/05/19放送
送ってやった「淡水タラバエビ」を持って。

Source: KCTV, 2015/05/19放送
<追記>
「金正恩同志」の「現地指導」の後には、必ず何らかの音楽を流している。多いのが「運命も未来も委ねた方」であるが、今回の「激怒」現地指導の後には「最後の勝利に向かい前進」を流している。この選曲からは、「スッポン工場」の問題点を改善することで「最後の勝利」、当面は「党創建70周年大祝典」に向けて「前進」ということなのだろう。
<追記2>
「録画報道」に日本語字幕を付けてYouTubeにアップロードしておいた。上記「全訳」の間違いも動画では修正しておいた(上記は追って修正)。また、「録画報道」に続く「最後の勝利に向かって前進」も続けて入れてある。

Source: YouTube, https://youtu.be/Wegj14OvyA8
「遊技場構内の歩道ブロックの間に雑草が生えているのをご覧になった敬愛する金正恩同志は、残念な表情をされ、一本ずつご自身で草を抜かれながら、管理者の目にはこのようなことが見えないのか、遊技場管理者が主人らしい立場と職場に対する愛着、人民のためにサービスしようとする良心があれば、このような仕事をすることができるのか、設備改善のようなことはできないとしても、人の手がありながら雑草もなぜ抜くことができないのか、遊技場がこんなに情けないとは考えも及ばなかったと、灯台下暗しとはまさにここのことを言うのだと激しい語調で語られた」(拙ブログ過去記事の翻訳より、http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-182.html)
などと伝えられているが、上の過去記事にも書いたとおり、このときは「激怒」という言葉は使われていなかった。しかし、今回「スッポン工場」現地指導では、「激怒」という言葉が使われており、「遊技場」の管理状態を叱責した時より何倍もレベルアップしている。
このように強く叱責できるようになったのは、あれからほぼ2年が経過し彼の権力基盤が強固になったことの表れなのか、「スッポン工場」が管理運営がそれほどまでに悪かったのかは分からない。しかし、「将軍様」の「現地指導」が入り、特別措置として「淡水タラバエビ」の卵まで送っている「工場」である。それにもかかわらず、「激怒」しているのは、やはり管理運営が相当に悪かったのであろうか。
偶然の一致なのかも知れないが、「万景台遊技場」と今回の「スッポン工場」の「現地指導」の時期が非常に近いという点である。過去、お爺さんかお父さんが「現地指導」した際、5月中旬に指導先で叱責をしたという事例があるのかも知れない。
もう一つ考えられるのは、玄永哲粛正説との関連で、「元帥様」は理由もなく「激怒」して粛正することはしない。人民のためを考え、それに反するような行為があれば「激怒」して叱責するということを示そうとしたのかも知れない。
また、「党創建70周年」にも触れているので、「元帥様」の指導より、「党創建70年」までに輝かしい実績を上げた「見本工場」に変身するという、下地作りなのかも知れない。
以下では、『労働新聞』に掲載された同記事全訳しておく。
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敬愛する金正恩同志が大同江スッポン工場を現地指導された
朝鮮労働党第1秘書であられ、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会第1秘書であられ、朝鮮人民軍最高司令官であられる敬愛する金正恩同志が、大同江スッポン工場現地指導された。
黄炳瑞同志、オ・スヨン同志、李ジェイル同志、チョ・ヨンウォン同志が同行した。
大同江スッポン工場は、昔から貴重な補薬剤として広く知られてきた、味がよく、栄養価が高いスッポンを我々人民に供給してくださろうと、お心遣いをしてこられた偉大な将軍様の直接的な発議により建設された規模が大きなスッポン養殖場である。
敬愛する金正恩同志は、この工場で生産を正常化できていないという報告を受け、実態を把握するために訪問したと述べられた。
敬愛する金正恩同志は、大同江スッポン工場のあちこちを見て回られながら、生産及び管理運営状況を具体的に把握され、工場実態に対し厳しく指摘された。
敬愛する金正恩同志は、生涯の最後の時期、大同江スッポン工場を視察され、ついに我々人民に薬剤としてだけ使われているスッポンを食べさせることができるようになったと、大変喜ばれた将軍様の涙ぐましい出来事が刻み込まれている工場が、どうしてこんなに情けない状況になったのか、呆れて言葉も出ないと仰った。
敬愛する金正恩同志は、偉大な将軍様が自ら訪問された工場に革命史跡教養室も作らないことは、全く理解できない問題である、将軍様の領導業績を心臓に深く刻むことができない従業員は生産で主人らしい仕事(訳注:責任のある仕事)ができるはずがないと仰り、工場の雰囲気が工場の雰囲気がこれまで回られた他の工場とは完全に違うと述べられた。
敬愛する金正恩同志は、工場で偉大な将軍様の業績を台無しにしていると仰り、将軍様の領導業績を通じた教養事業もしっかりとしていないこんな単位が生産を正常化できないというのは、自明の事実であると激しい語調で指摘された。
敬愛する金正恩同志は、党の戦闘的スローガンもきちんと掲げられていない工場内からは脈のないため息ばかり聞こえると仰り、工場が稼働していない状態にまで至ったということは驚くほどだ、こんな単位は初めて見たと激怒して仰った。
敬愛する金正恩同志は、偉大な首領様と党の領導業績を固守し、輝かせる問題を最優先する単位では、全ての仕事がうまくいき、人民が党政策の実質的な徳を得ており、労働党万歳の声、社会主義万歳の声が響き渡っているが、そうではない単位では、敗北主義のため息ばかり聞こえてきており、条件を保障してやっても座ったままぐずぐずということが、我々が想起しなければならない教訓であると述べられた。
敬愛する金正恩同志は、党から淡水タラバエビを育てろと卵を送ってやり、必要な対策も立ててやったのに、工場では2年過ぎても養殖場を完工することができずにいると言われ、これは工場幹部の無能と固まった思考方式、無責任な勤務態度の発露であると厳しく指摘された。
敬愛する金正恩同志は、電気の問題、水の問題、設備の問題が引っかかり、生産を正常化できないというのは、話にもならない泣き言だと言われ、工場幹部は、時代の激しい息づかいを全く感じることができておらず、冬眠している、偉大な将軍様がこの事実をお知りになったら、どれほど胸を痛められるだろうか考えてみたのかと激怒しながら仰った。
敬愛する金正恩同志は、大同江スッポン工場が現代化事業もきちんとしていないと言われ、水質測定及び自動操縦体系を構築せず、この工場でのように養殖場内部を監視するカメラだけ設置していることが、何が総合調整室で、現代化なのかと指摘された。
工場で養殖に必要な水の保障及び循環体系はもちろんのこと、えさの保障対策も科学的にやらなければならないのに、条件と環境について云々しながら、提起される問題を自らの力で解決することができておらず、科学技術普及室も作っていないと言われ、先進技術を積極的に受け入れなければ、生産が後退するのを防ぐことができないと仰った。
敬愛する金正恩同志は、今、全国の千万軍民が朝鮮労働党創建70周年に捧げる立派な贈り物を準備しようと昼夜を分かたない緊張した戦闘を展開しているのに、いったいこの工場の幹部と従業員は、10月の大祝典場にいかなる成果を抱いて入ってこようとしているのか分からないと仰った。
敬愛する金正恩同志は、この工場でのような仕事をしていては、偉大な将軍様の念願を実現することができず、結局は党の権威まで毀損させる厳重な結果をもたらす可能性もあると言われ、どんなことがあっても大同江スッポン工場を人民が実際に徳を得る工場、先進的な養殖方法と技術が導入された我が国養殖の見本単位に転変させなければならないと強調された。
敬愛する金正恩同志は、大同江スッポン工場で季節に関係なく、養殖を安全にできるよう、電力保障対策をしっかりと立てる問題、我々の力と技術で生んで育てた設備を製作し、防疫施設をしっかりと整え、全般的な生産工程を自動化するための問題、餌を100%国産化するための問題、養殖を科学化するための研究事業を力強く展開するための問題など、工場事業を根本的に改善することにおける課業と方法を明らかにされた。
*ボールドは『労働新聞』記事のママ
『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 대동강자라공장을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2
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「激怒」した「金正恩同志」

Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 대동강자라공장을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_06_01&iPageType=2
激怒した表情

Source: KCTV, 2015/05/19放送
足をかけることはよくあるが、いつもと少し雰囲気が違う

Source: KCTV, 2015/05/19放送
足の組み方からも「激怒」が伝わってくる。

Source: KCTV, 2015/05/19放送
送ってやった「淡水タラバエビ」を持って。

Source: KCTV, 2015/05/19放送
<追記>
「金正恩同志」の「現地指導」の後には、必ず何らかの音楽を流している。多いのが「運命も未来も委ねた方」であるが、今回の「激怒」現地指導の後には「最後の勝利に向かい前進」を流している。この選曲からは、「スッポン工場」の問題点を改善することで「最後の勝利」、当面は「党創建70周年大祝典」に向けて「前進」ということなのだろう。
<追記2>
「録画報道」に日本語字幕を付けてYouTubeにアップロードしておいた。上記「全訳」の間違いも動画では修正しておいた(上記は追って修正)。また、「録画報道」に続く「最後の勝利に向かって前進」も続けて入れてある。

Source: YouTube, https://youtu.be/Wegj14OvyA8