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    「金正恩将軍、体で死守しよう」の替え歌:「人民の声放送」の新替え歌 (2016年10月6日 「人民の声放送」)

    6日、久しぶりに「人民の声放送」を聞いていた。SDR-dongleの代用品は既に発送されているのだが、中国が休日に入っており、なかなか飛行機に積み込んでもらえないようだ。まあ、あれば便利だしなくてもTS-440で受信できるのでさほど困らない。

    SDR-dongleの故障原因がアンテナに帯電した静電気だと開発者にいわれたので、アンテナを電気的に接地した。単に、取り付け金具をアースに落としただけである。しかも、拙宅の住環境では大地にアース棒を打ち込むことはできないので、エアコン室外機のアース端子に線を繋いだだけである。テスターで調べる限りでは、アースされているようである。帯電した電荷を放電させるにはそれで十分というのが開発者の考えである。加えて、ブリーダー抵抗を使っての帯電防止も施した方がよいとのことであったが、取りあえず、手持ちの抵抗に10MΩなどという大きなものがなかったので、これは次のプロジェクトにした(とはいえ、SDR-dongleが壊れてからの話しであるが)。

    ということで、エアコンのノイズを拾わないかなどと心配しながら「人民の声放送」などを受信していた。とりあえず、ノイズ問題はなし。

    そしたら、「金正恩将軍、体で死守しよう」の替え歌を同放送が流していた。これまでは、既にアップロードした曲だったので、もしかすると新たに替え歌を作ったのかもしれない。

    日本語字幕付き。

    Source: 「人民の声放送」、2016/10/06 2127JST, 3.480MHz

    「20時報道より 咸鏡北道北部被害復旧戦線関連報道」:住宅が建ってきたが質は、ガラス輸送は大丈夫か (2016年10月5日 「朝鮮中央TV」)

    「朝鮮中央TV」のニュースでは、連日、「咸鏡北道北部被害復旧戦線」の様子を報道している。5日には、かなりできあがってきた住宅の様子、「元帥様」が送ったものと思われるパワー・シャベルが稼働している様子、元山港でセメントを積み込む様子、デソン親善ガラス工場から板ガラスが出荷される様子などが紹介されている。

    住宅建設は進んでいるが、とにかく早く建設しなければならないということで、建設された住宅の質はどうなってしまうのかと思ってしまう。この報道でも、どれそれの工程を「1日でやり遂げた」などと言っているが、仮に作業の質を維持しながら速度を速めることができるにしても、コンクリートが固まる時間は短縮できないはずである。昨日、の報道でも、ブロックを積み上げる場面があったが、積み上げるブロックに砂を付けているのか、それともブロック自体が砕けているのか、粉のような物が落ちる状態で積み上げていた。

    日本の報道では、必ず避難所の様子が紹介されるが、北朝鮮の報道では、被災者がどこで寝泊まりしているのかということについては、一切報道されない。想像では、被災しなかった家に分散して寝泊まりしながら、昼間は「被害復旧戦闘」に参加しているのであろう。

    元帥様が送ったものと思われるパワー・シャベルも写っている。写している時間も比較的長いので、ただのパワー・シャベルではないのだと思う。ともかく、被災地まで運び込めるまで鉄道や道路が復旧したのであれば、「元帥様の人民愛」も届いたということで、よいことだと思う。

    元山港では、セメントの積み込みをやっている。積み込むのはいつもセメントで、食糧については言及がない。羅先市からトラックで支援物資を被災地に送る場面もあるが、何を積み込んでいるのかは分からない。4日の「20時報道」だったはずだが、リンゴが被災地に届いたニュースもあった。

    中国との合弁で設立された「デソン親善カラス工場」からも、被災地に向けて板ガラスが送り出されている。しかし、列車への板ガラスの積み込みの様子を見ていると、到着までにかなりの板ガラスが割れてしまいそうな気がしてならない。重ねてあるから大丈夫なのかもしれないが、貨車の中では積み込んだ板ガラスの上にたくさんの人が乗っている。

    昨夜、日本を通過した台風は、韓国には被害をもたらしたものの、被災地への影響はなかったようだ。

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2016/10/05

    「20時報道 青年運動史跡館報道」:「首領様」と「元帥様」はやはり似ている (2016年10月4日 「朝鮮中央TV」)

    4日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」の映像付きトップニュースは、「青年運動史跡館を訪ねる青年・勤労者が、『朝鮮青年行進曲』に刻まれた出来事」に関するものであったが、そこに出てくる「首領様」の写真は、「元帥様」そっくりである。一瞬、「元帥様」ではないかと思ったほどであるが、『青春賛歌』ではなく、『朝鮮青年行進曲』なので「首領様」の時代の話しである。

    「全国青年社会主義建設者大会」で撮影されたと思われる「首領様」の写真(写真下の解説は読み取れない)。
    20161004 10월4일 20시보도mp4_000035776
    Source: KCTV, 2016/10/04

    こちらは、「金日成社会主義青年同盟第9回大会」での「元帥様」演説写真。類似したオケージョンの写真ではあるが、眼鏡を掛けているのであまりにて見えないが、上の写真のような顔で写っている写真はよく見かける。
    2016-08-29-01-01.jpg
    Source: 『労働新聞』、「김일성-김정일주의청년운동의 최전성기를 펼쳐나가자 경애하는 김정은동지께서 김일성사회주의청년동맹 제9차대회에서 하신 연설」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2016-08-29-0001_photo

    祖父と孫だから似ていても不思議ではないが、お父さんとはあまり似ていないので、顔つきは隔世遺伝なのであろう。

    「極悪な対決妄言を吐く朴槿恵逆徒の狡猾な内心を暴露する 1」:「脱北扇動」に抗議、女性放送員同志老眼鏡をかける (2016年10月4日 「朝鮮中央TV」)

    4日、「朝鮮中央TV」で放送された「時事対談」番組で、10月1日、韓国の「国軍の日」に韓国大統領が行った演説に対する抗議の対談があった。内容は、これまで同様、韓国大統領を罵る言葉の連続であるが、それよりも気になったのは、女性「放送員同志」が老眼鏡をかけて出てきたことである。やはりメガネが気になるのか、10分ほどの番組の中で4回メガネを触っている。名前も知らないオバサンではあるが、歳は隠せないと思ってしまった。

    9月17日の「時事対談」では、眼鏡を掛けていなかった。
    20160917kctvasf_025415784.jpg
    Source: KCTV, 2016/09/17

    しかし、10月4日の番組では、メガネを触っている。
    20161004kctvasf_011130462.jpg
    Source: KCTV, 2016/10/04

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2016/10/04

    「元山国際親善航空ショー2016」:「朝鮮初の女性超音速戦闘機飛行士」外国メディアのインタビューに答える、サイン会も (2016年10月3日 「uriminzokkiri」)

    3日、「uriminzokkiri」に「元山国際親善航空ショー2016」でデモ飛行をした「朝鮮初の女性超音速戦闘機飛行士」が外国メディアのインタビューに答えている姿が収録された動画が掲載された。「元帥様」のようにツーショットはできなかったようだが、写真は取り放題だったようで、たくさんのファンが写真撮影している。「元帥様」がプロモーションを狙って彼女らを養成したのであれば、まずは成功というところだろうか。

    日本語字幕付き。

    Source: uriminzokkiri, 2016/10/03

    <追記>
    「朝鮮の今日」にアップロードされた動画では、女性飛行士と記念撮影をしたりサインをもらったりしている場面がある。

    20161004 평화와 친선의 뉴대를 강화한 《원산국제친선항공축전-2016》(1)-《조선의 오늘》mp4_000300766
    Source: 「朝鮮の今日」、2016/10/04

    20161004 평화와 친선의 뉴대를 강화한 《원산국제친선항공축전-2016》(1)-《조선의 오늘》mp4_000323277
    Source: 「朝鮮の今日」、2016/10/04

    「元帥様」、ここでも「女子力」を活用しているようだ。

    とりあえず、日本語字幕無し。

    Source: 「朝鮮の今日」、2016/10/04

    「<国際シンポジウム>北朝鮮脱北者の文学活動と韓国文壇~「脱北者」による記録文学の現状と課題-」:脱北作家からいろいろな話を聞けて、大変有意義な時間を過ごした (2016年10月1日)

    8日、富山で開催された「北朝鮮脱北者の文学活動と韓国文壇~「脱北者」による記録文学の現状と課題-」という国際シンポジウムに出席した。「文学」というところで、多少引っ掛かりを感じながらも、脱北者による北朝鮮告発・批判集会ではないことに期待しながら行ってみた。

    結果からいうと、大変得るものが多いシンポジウムであった。脱北者に知り合いもおらず、ましてやコンタクトをする道筋もあまり考えたことがないので、まず、今回のシンポジウムで脱北者の声を直接聞け、色々と質問をすることができたのは、大変大きな収穫であった。私も脱北者を色眼鏡(ある程度、北朝鮮カラーで着色された)で見ていたが、その色を抜くこともできたし、メディアで伝えられる部分的な脱北者のイメージとはだいぶ異なることが分かった。

    3人の脱北「作家」による報告があったが、三人三様でおもしろかった。最初の報告者は、北朝鮮でも「作家であった」ということであり、韓国に入国してからも作家として活動しているという。文学的才能がない私は、彼の文学作品を評する能力はないが、彼の基本的なスタンスは、「北朝鮮は核・ミサイルだけではなく、人間が生きてる世界ということを理解して欲しい」と言っていたので、この点については、拙ブログもそのようなスタンスで書いていることもあり、大いに感銘を受けた。

    2人目の脱北「作家」も北朝鮮で「作家」として活動していたのことで、自分は「詩人」だと言っていた。2人の話で面白かったのは、北朝鮮で作家になる道筋、そして作家として生きていくことの難しさについて、それぞれの経験から詳しく話してくれたことである。特におもしろかったのは、2人のいうことが食い違い、片方が「そうではない」と訂正していた点である。どちらかが嘘を言っているとも思えないので、おそらく、作家としての二人の経験が異なったことに起因するのであろう。基本的には、「作家同盟」に加盟することが「作家」として認められる道であるということであるが、「作家同盟に加盟するのは、労働党に入党するよりも難しい」と言っていた。拙ブログでも何回も紹介してきたように、公式的には北朝鮮で「労働党員」になることは、とても大変だし、それは大変名誉であるということになっている。「労働党に入党するよりも難しい」というのは、それを皮肉った言葉であったと思うのだが、残念ながら、その意味を理解する人はあまりいなかったようだ。

    そして、「作家同盟」に加盟するにしても、まず「候補」になり、「正同盟員」になっていくということで、「作家同盟」にも党中央委員会にもあるような「候補」制度があるようだ。この「候補」制度について詳しく聞きたかったのだが、作家に関しては、「候補」は「現職作家」、つまり別の職業に就きながら作家活動をする人であり、「現役作家」は、作家業を専門的に行う人であると説明していた(記憶が逆かもしれないので、追って確認する)。ということは、党の職責の何とか「候補」というのもそういうことがあるのかもしれない。

    3人目は、女性であったが、前の2人とだいぶ雰囲気が違っていた。それが、女性だからなのか、彼女の性格だからなのかは、判断できないが、3人の中で一番「韓国化」されており、ある意味、発言が注意深かった(注意深さは、北朝鮮的なのかもしれないが)。この人は、北朝鮮女性の婚姻や性(特に、売春やセックス)についての意識が変わってきているという話をした。詳しくは書ききれないが、「苦難の行軍」の時期には「食べるために体を売った」が、今は「お金を稼ぐために体を売っている。性が市場化している」というようなことを言っていた。つまり、根本的なところには経済的困窮があるにせよ、食糧を得て生命を維持するというレベルから、一つの職業としての売春が「今の」北朝鮮にはあるという話のようである。指導者があちこちに建てる総合健康施設は、「売春で持っている」ようなことも言っていたが、いささか誇張のような気はした。しかし、途上国で貧困のために女性が売春をするというのは、ある意味、普遍的な現象であり、何も北朝鮮が特殊なわけではない。

    そのようなことも含め、3人の話に共通していえることだが、どうやら扱っている対象地域が北朝鮮であるというだけで、その内容たるやかなり普遍的なもののような気がした。そうすると、「脱北者」文学というカテゴリーが成り立つのかどうかすら怪しくなってくる。

    とにかく、3人が書いた作品を読むことなく、聞いた話だけで書いているので間違っているかもしれないが、面白かった。

    オフィシャルな会が終わった後、主催者にお誘いいただき、脱北作家とビールを飲むことができた。実は、こちらの方が、私には有益であった。特に、「詩人」先生とたくさん話をしたのだが、北朝鮮での出来事をいろいろと話してくれた。この人、「世襲一味」は大嫌いのようであったが、やはり故郷としての北朝鮮をとても愛しているし、北朝鮮で暮らしていたころの出来事をとても懐かしく思っていると感じられた。「世襲一味」がいなくなり、「中国のような社会主義国になればよい」とも言っていたので、「世襲一味」がいなくなれば、北朝鮮に帰るのかもしれないし、必ずしも韓国による吸収統一を望んでいないのかもしれない。こういう話は、メディアが伝える脱北者像からはほとんど伝わってこない。

    この「詩人」先生、北朝鮮で詩を書いたら逮捕されて3年間、臭い飯を食ったとも言っていた。残念ながら、どのような詩を書いて臭い飯を食ったのか聞くことはできなかった(時間がなかったので)が、そんなことも含め、北朝鮮の話をいろいろとしてくれた。子供のころ、真っ黒な顔の炭鉱夫をからかって叱られた話、「カンネンイ(トウモロコシ)うどん」の話、飲み会の酒が足りないので、ビール+焼酎+飴を削った粉を混ぜて「醸造」して量を増やした話、帰国した在日朝鮮人が出資して作った(「将軍様」も大喜びした)両江道のアサヒビール系工場の話、小松左京『日本沈没』など、推理小説を「保安部員」が「捜査手法を学ぶために回し読みした」話、「将軍様」が「どんな映画でも見てよいから」と作家にいろいろな映画を見せた話(もちろん、「足は地につけ、目は世界を」という発想からだが)、北朝鮮のたばこ習慣の話など、本当にたくさんの話を聞くことができた。しかし、上に書いた通り、いずれも北朝鮮を批判するような感じでの話ではなく、むしろ郷愁を感じながら話しているようだった。

    一方で、脱北者は韓国を必ずしも肯定的に受け入れていないことも分かった。特に、作家としては、韓国の文学作品について「恋愛と企業不正の話ばかりだ」と批判していた。もちろん、北朝鮮の文学よりも多様性はあるはずだが、それでも、現状を厳しく批判していた。また、脱北作家が150人韓国にいるが、彼らの作品もまた内容が似たり寄ったりで、韓国では読まれなくなってしまったとも言っていた。

    私は、北朝鮮の宣伝に惑わされて、脱北者を「故郷を捨てた人々」とみる傾向があったが、今回、彼らと話をしてみて、韓国社会に不満を抱き、北朝鮮での生活への郷愁も感じつつ、一方で「世襲一味」には強い嫌悪抱きながら韓国で暮らしている人々でなのだという印象を受けた。作家という職業の特殊性も関係しているかもしれないが、韓国で生きる脱北者の一つの姿であることは間違いない。

    書き忘れるところだったが、ビールは「清涼飲料」の謎が解けた。北朝鮮では、ビールは「酒」ではなく、「清涼飲料」のカテゴリーに属するそうである。「アルコールが入っているではないか」と質問したが、清涼飲料らしく、職場でビールを飲んで酔っ払い叱られても、「清涼飲料を飲んだだけだ」と言い訳できると半分冗談で言っていた。こちらが持ち掛けた話ではなく、ビールの話の中から出てきた冗談話なので、事実だと思う。

    接点ができたので、韓国に行って、また「詩人」先生らとビールを飲む機会があればと思っている。

    朝鮮語で深い議論をする機会を提供していただいた、富山大学人文学部東アジア言語文化講座朝鮮言語文化研究室とオーガナイザーの和田とも美先生には、この場で深い謝意を表しておく。

    また、メールで送られてくる広告の最後の方に、本シンポジウム情報を記して頂いた、レインボー通商の宮川社長にも謝意を表しておく(同社長もシンポジウムに来られていた)。このメールがなければ、こうしたシンポジウムがあることすら分からなかった。

    <追記>
    一つ書き忘れたが、「北朝鮮の体制は冷戦体制といえるか」という質問をしてみた。質問の趣旨がうまく伝わらなかったのかもしれないが、誰もすぐに口を開かなかった。ソウル大の先生が間に入り、説明してくださった結果、通じたが、雰囲気的には「冷戦」という言葉にピンと来ていないようだった。そして答えとしては、ソ連崩壊までは確かに冷戦構造に組み込まれていたが、その時代も含めて今に至るまで北朝鮮は「封建的な独裁体制」だと言っていた。朝鮮半島分断の起点は冷戦であるが、その体制は冷戦とは一線を画しながら形成されてきたと理解すべきであるようだ。

    <追記2>
    ゼミで学生に話をしていたら、一つ思い出した。「詩人」先生の話であるが、北朝鮮では、日本の印象はさほど悪くないと。『日本沈没』は、朝鮮人民が「日本が沈没」するのを喜んで読んでいるのかと思ったが、そうではなかったようだし、「朝鮮中央TV」を見ている限りでは、「米帝」と「日帝」は同等の悪の権現であるにもかかわらず、朝鮮人民の間でそのような認識があるというのは、少し意外であった。アサヒビールの話しから展開した内容であるが、「詩人」先生、自分の娘を朝鮮にいた頃から「トモコ」と呼んだりしたそうである。理由は、ある北朝鮮映画に出てきた日本女性の名前が「トモコ」で、その女性が「とても可愛かったから」ということであるが、朝鮮の女優が演じた「トモコ」であったにしても、随分気に入ったようだ。「トモコ」が演じた役柄についても話してくれたが、ビールの勢いで記憶が飛んでしまっている(「27号探査隊員」としては、失格)。日本人の印象が悪くない原因として、「帰国同胞」もあると言っていた。「帰国同胞」やはり、日本のことを懐かしく思っていたようで、周囲の朝鮮人にもそういう話しをしたそうだ。

    一方、「米帝」に関しては、徹底的に嫌っていると言っていた。雰囲気的には、「世襲一味」が大嫌いな「詩人」先生ですら、「米帝」はあまり好きではないようであった。やはり、「米帝」は、朝鮮戦争中に北朝鮮に大量の爆弾を落とし、町を破壊し、戦争とはいえ、民間人をたくさん殺害したのであろう。結局、朝鮮人民にとっては、「米帝」は単なる破壊者・殺人者でしかなかったのではないかと思った。これは、「世襲一味」が宣伝するからではなく、経験から来ているような気がする。

    ではなぜ「日帝」がと考えてしまうが、「日帝」は、「米帝」とは違い、36年もの長き間朝鮮を支配したので、良きにつけ悪しきにつけ、破壊者・殺人者だけではなかったからではないだろうか。誤解しないで欲しいが、植民地支配を美化するつもりも、正当化するつもりもない。相対的に、「米帝」とは違う関係にあったのではということが言いたいだけである。韓国にとっては米国は韓国を「日帝」から解放してくれた解放者、そして共産主義集団による「侵略」を撃退してくれた守護者であり、憎むべきは「日帝」だけということになる。この辺りに、南北での「日帝」に対する意識の差があるのかなとも思った。

    「抗日の女性英雄金正淑お母様」の名前は利用可 (2016年10月1日 「朝鮮中央TV」)

    1日、「朝鮮中央TV」で、「主体科学教育の最高殿堂が歩んできた栄光の70年」という金日成総合大学創立70周年関連の番組を見ていたら、金ジョンスクという年老いた女性が出てきた。この女性、金日成総合大学の卒業生のようだが、名前が金ジョンスク、つまり、「首領様」の奥さん、「将軍様」のお母さんと同じ名前である。北朝鮮では、「イルソン」、「ジョンイル」、「ジョンウン」など、「偉人」と同じ名前は変更させられているという話を聞いたことがある。また、かつて試した「高麗航空」サイトで確認してみたところ、「首領様」、「将軍様」、「元帥様」の名前では「許可されていない単語が発見されました」というエラーが出て予約手続きを続けることができないが、「Kim Jongsuk」では手続きを続けられるので、「お母様」の名前の使用は禁止されていないようである。

    金ジョンスク老人(左)
    20161001kctvasf_045319453.jpg
    Source: KCTV, 2016/10/01

    20161002kjsuk.jpg
    Source: Air Koryo, http://www.airkoryo.com.kp/flight/book/review

    KCTVストリーミングを流している人が、衛星チューナーを調整している様子、ラジオも聞こえる (2016年9月30日)

    このところ、受信状態がずっと悪かったが、9月30日、17時半(JST)頃、とうとうブルースクリーンになってしまった。その後、調整している様子が、そのままストリーミングされている。「朝鮮中央放送」(ラジオ)の第1と第2が聞こえる。第2というのは、珍しいのではないだろうか。

    使っている受信機は、これ。

    http://www.sky-win.co.kr/shop/goods/goods_view.php?goodsno=451&category=

    様子を紹介する字幕付き。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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