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    「朝ロ政府間の共同実務グループ第3次会議議定書調印」(2012年10月5日 「朝鮮中央通信」)

    朝露間で議定書が調印された。報道は以下のとおり。

    KCNA: 조로 정부사이의 공동실무그루빠 제3차회의 의정서 조인

    조선민주주의인민공화국 정부와 로씨야련방 정부사이의 일방국가령토안에서 타방국가공민들의 림시로동활동에 관한 협정리행과 관련한 문제들을 해결하기 위한 공동실무그루빠 제3차회의 의정서가 5일 평양에서 조인되였다.
    (朝鮮民主主義人民共和国政府とロシア連邦政府間の一方国の領土内における他方国公民の臨時労働活動に関する協定履行と関連する問題を解決するための今日同日グループ第3次会議議定書が5日、平壌で調印された。)

    「一方国の領土内における他方国公民の臨時労働活動に関する協定履行と関連する問題を解決する」とあるが、事実上、極東ロシアで林業や木材加工業に従事する北朝鮮人民の労働で発生している問題(賃金不払い、長時間労働)について協議したものとみられる。

    朝露第3次会議
    Source: KCNA, http://www.kcna.kp/images/photo.png

    「労働新聞」サイト接続不能(2012年10月4日~5日現在)

    恐らくメンテナンスをしているのだと思われるが、「労働新聞」サイトが昨日から接続不能になっている。

    <追記>
    今見たら、復活していたが、記事は10月3日のままである。

    <追記Ⅱ>
    数時間前に10月5日の記事が出た。4日の記事は過去記事として見られる。

    「<常識>朝鮮半島鳥類図鑑 キタタキ」(2012年10月3日 「朝鮮中央TV」)

    5分弱の短い番組であるが、キタタキ(北朝鮮名:클락새、韓国名:크낙새)を紹介する番組があった。番組を見てキツツキの仲間であることは分かったが、ハトよりも大きい鳥ということで、そんなに大きなキツツキは見たことがない。では、この番組にしたがって、キタタキを紹介していく。

    キタタキ
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キツツキ目キツツキ科の四季鳥
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    左がオス、右がメス
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    体の大きさ、ハトより10センチほど大きい。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    木に止まりやすいように、足の指の形が特徴的である。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    木の中の虫(害虫)を食べる。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キタタキのメス(番組では動画)
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キタタキのオス(番組では動画)
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キタタキの鳴き声。飛んでいるときは「クルララック、クルララック」と鳴き、木に止まっているときは「カルカル、クルララクルララ、キイヤッキイヤッ」と鳴くそうだが、残念ながら実際の鳴き声は番組では聞くことができない。擬声語というのは実際の鳴き声と随分異なるので、我々が聞いてそう聞こえるのかどうかは分からない。

    若干話題がそれるが、昔、韓国語学習に使った教科書に「ウグイス」が出てきた。その教科書では「꾀꼬리(クゥェッコリ)」を「ウグイス」と訳し、この鳥は「クゥェッコリと鳴くからそういう名前になった」と書かれていたのを今でも覚えている。その時は、ウグイスは「ホーホケキョ」と日本では鳴くのに、韓国・朝鮮の人が聞くと随分違うのだなぁと思ったのだが(というか、実は過去完了形でほんの5分前まではそう思っていた)、ネットであれこれ検索してみたら、クゥェッコリは「コウライウグイス」で日本のいわゆる「ウグイス」とは異なる鳥であることが分かった。しかも、鳴き声は「ホーホケキョ」ではなく「ギャー」という感じに聞こえる。

    コウライウグイスの声が聞けるサイト:
    http://outdoor.geocities.jp/phyllon2000/Wildbird/Oriolus_chinensis.html

    話を戻して、キタタキの声を紹介する画面。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キタタキの産卵期は4月初から6月初、1回に2~4個産卵。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キタタキは1879年に京畿道で初めて発見され、
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    日本の対馬も含む地域に多く生息したが、
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    1920年頃、乱獲の影響で、対馬のキタタキは絶滅してしまった。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    その後、「日帝の強制占領」や朝鮮戦争の影響により、南朝鮮地域に生息したキタタキも1960年頃に絶滅し、、
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    現在は、北朝鮮のリサン郡、ピョンサン郡、ポンチョン郡などでの生息が確認されている。北朝鮮政府は、キタタキを天然記念物に指定し、保護した結果、その数は増えていると番組では言っている。
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    http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-03-14.flv

    キタタキと対馬の関係を検索していたら、「対馬新聞社」が運営するポータルサイトに行き着いた。このサイトによると「キタタキは、現在韓国京畿道の一部に少数が生息しているにすぎない。」と書かれているが、サイト管理者に「北朝鮮にも(かなりの数が)生息しているようだ」とメールを出しておいた。政治宣伝であれば、嘘や誇張もあろうが、キタタキの話にはそういう臭いはほとんどない。

    「対馬ポータルサイト」のキタタキ紹介ページ:
    http://www.tsushimanews.com/index.php?%A5%AD%A5%BF%A5%BF%A5%AD

    「韓国京畿道の一部」というのは、非武装地帯のことを言っているのであろうか。あそこは、人がほとんど入り込まない(込めない)場所なので、自然が相当に良い状態で保存されており、貴重な種が残っているという話をどこかで読んだことがある。南北分断という不幸から生まれた、小さいが貴重な実ということなのだが、そこを再び戦車で踏みつぶしたり砲火で焼き尽くしたりする事態だけは絶対に避けなければならない。

    「<記録映画>偉大な転換の1970年代」(2012年9月2日 「朝鮮中央TV」)

    数日前に「1970年代のように」というスローガンについての記事を書いたが、それ以降、これが一体何を意味するのかずっと考えている。10月1日「労働新聞」に社説「『高くはためけ、我々の党旗』この歌を力強く歌いながら、総攻撃戦を完遂しよう」という記事が出てから、「1970年代のように」というスローガンが盛り込まれた記事がいくつも出ている。

    「労働新聞」社説:「《높이 날려라 우리의 당기》, 이 노래 힘차게 부르며 총공격전을 다그쳐나가자」
    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-10-01-0001&chAction=D

    また、10月2日「労働新聞」記事「全国を速度戦の気迫で沸かせた経済扇動の太鼓の音」という記事には、1970年代の金正日さんの実績について時系列的に記されている。

    「労働新聞」記事:「온 나라를 속도전의 기상으로 들끓게 한 경제선동의 북소리」
    http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-10-02-0009&chAction=D

    いずれを読んでも、今一つ「1970年代のように」スローガンの目的がよく分からない。金正日哀悼期間後に下火になっていた、金正日追憶キャンペーンを再開したようなのだが、その目的がよく分からない。後継者(金正恩)が父(金正日)の実績をもっとアピールした方が良いという判断であろうか。労働新聞の過去記事を同社のサイト検索で遡れる限り遡って「1970年代」という言葉で検索を試みたところ、2009年3月の記事まで見ることができた。全てを確認することは大変なので、10月のこの時期の記事を拾い出して斜め読みしてみたが、今回のようなスローガンは見られなかった。そしてどちらかというと、1970年代だけではなく1970年代と1980年代を続けて語るものが多かった。

    そしたら、昨日、「朝鮮中央TV」で「偉大な転換の1970年代」という記録映画が放映された。約40分の記録映画であるが、最近制作されたものではなく、終わりのクレジットを見ると2004年の制作となっている。それを再びこの時期に放映したのは、明らかに「1970年代のように」スローガンと関連があるはずである。

    この記録映画であるが、金正日さんが党中央委員会秘書(書記)、政治委員会委員に推戴される辺りから話が始まる。

    党中央委員会書記、同政治委員会員に推戴することを決めた党中央委員会第5期第7回全員会議(1973年9月4日)
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv
    *会議の日付は、磯崎敦仁他『北朝鮮入門』(東洋経済新報社、2010)を参照。以下も同様。

    この時点で掲げられている写真は、まだ金日成さんのみである。

    そして、下のキャプチャーにあるように第5期第8回会議で金正日さんは、後継者として紹介された。

    党中央委員会第5期第8回全員会議(1974年2月11日)で決定され後の芸術映画撮影所での集会か。
    看板には金正日同志は「偉大な首領様の後継者として党事業全般を担っておられる唯一の人」と書かれている。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    このキャプチャーでは、看板部分が画像処理されていて、何が書かれているのか分からない。また、写真周囲の白い部分の色が不自然(看板を消した白色とほぼ同一色)であるし、額の角度も上の金日成単独写真と異なる。何かの事情があり、金日成・金正日の肖像画が並んで掲げられているように加工したのであろうか。もし、この時点で金正日さんが公式デビューしていないとすると、つまり下の「労働新聞」記事で紹介されるまで余りよく知られていないとすると、こういうふうに写真を並べることはなかったのかもしれない。それにもかかわらず、この記録映画の成り行き上、こうした方がベターとの判断から画像を加工したのかもしれない。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    そして「パルチザンの偉大な息子金正日同志」と称される。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    続いて、金正日さんが行った「党事業」についての紹介になるのだが、まず紹介されるのが金日成銅像の建立である。

    万寿台に建立された金日成像(1972年4月)
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    記録映画では、その後、各地に建立された金日成像も紹介されている。過去記事にも書いたが、金正日さんは、在命中、自分の銅像を建てることを強く拒んだと北朝鮮メディアが伝えている。ところが、彼自身は、自らが担った「党事業」の端緒で、金日成像建立を行っている。北朝鮮の解釈では、これは父であり最高指導者を敬う息子の孝行(忠誠心)ということになるが、やはり金日成さんを神格化し、その後継者としての自己の権威を高めることと、金日成さんが担っていた党事業を自らが引き継いだということを顕示するための目的があったのであろう。すると、北朝鮮が「1970年代のように」というスルーガンを打ちだしたことと、金正恩さんが軍部隊内に金正日単身像と建立させたこととはタイミング的にも何らかの関係があろう。

    1974年から金日成の誕生日である4月15日が「民族最大の名節に制定」される。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    1974年2月19日「全社会の主体思想化」を宣言する金正日さん。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    この「全社会の主体思想化」は思想的締め付け強化あるいは精神主義運動で、金正日さんはその「学習方法にも転換をもたらした」と記録映画では述べている。

    「応答式学習競演」の舞台。内実は記録映画で説明されていないが、言葉からすると、主体思想を丸暗記し、主体思想に関する質問に正しく答えられるかどうかを競う大会のようだ。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    金正日さんは、党の扇動活動を「群衆の中に深く入り、党政策を下部末端にまで浸透」させた。
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    金正日さんは「生産も学習も生活も抗日遊撃隊式に」というスローガンを発表した。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    このスローガンは、上記「労働新聞」記事「全国を速度戦の気迫で沸かせた経済扇動の太鼓の音」の中でも少し変えた表現で紹介されており、「経済扇動を抗日遊撃隊式に枠と格式なく、戦闘状況に応じて様々な形式と方法でさらに力強く展開した」と紹介されている。記事をストレートに読めば、状況に応じた方法で「経済扇動」を行ったということになるが、2012年は「経済運営」から「枠と格式」を取り払おうとしているというのは深読みしすぎであろうか。その「経済扇動」であるが、記録映画では「外国の辞典には出てこない将軍様の英知」から生まれた言葉と紹介している。

    「速度戦」、「70日戦闘」がその後展開さえることになるが、当時の記録映画を見ていると、人民を動員している場面もあるものの、2012年よりも重機や掘削機械を多用しているようである。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    1973年には平壌地下鉄も開通した。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    また、造船も行われた。記録映画では「1960年代には5000トン級を造っていた我が国が、1970年代には1万4000トン級、2万トン級を十隻余り進水させた」と説明している。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    農業部門での発展も紹介し、下のような田植え作業の様子を見せている。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    この田植えの様子は、実に興味深い。というのは、2012年に北朝鮮が紹介した田植えの様子も、これとほとんど変わりないからである。日本の田植えの方法や田植機についての知識は希薄であるが、70年代から現在の間にその作業の様相や使用する機械も随分変わったのではないだろうか。そうだとうすると、少なくとも田植えに関しては、北朝鮮では40年間ずっと同じ方法で行ってきたということになる。

    平壌の変遷もこの記録映画から分かる。

    1970年代
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    この記録映画が作られた2004年の平壌。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    2012年の平壌と比べると、最も変わっているのが自動車の台数と車種である。2012年に紹介される動画には「自家用車」と思わしき車がたくさん写っている。

    続いて、記録映画では金正日さんの映画制作への熱意が紹介されている。やはり、金正日さんの映画好きは事実のようで、台本まで細かくチャックをしたようだ。記録映画では、彼がチェックした台本は「何千、何万」と言っている。しかし、いくら「絶世の偉人」とはいえ、こんなことに時間を費やしていては、国政が手薄になるのではないかというのは、凡人の心配であろうか。

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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    そして、労働党第6回大会(1980年10月10日)後、「労働新聞」に大きく掲載された記事。これをもって金正日さんの公式デビューとすべきかどうかは分からないが、公式メディアに大きく紹介されたのはこれが初めてであったようだ。
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    Source: KCTV, http://www.uriminzokkiri.com/contents/movie/centertv/streams/_definst_/2012-10-02-15-y.flv

    というわけで、この記録映画は、結局、金正日さんの業績を称える内容であった。とはいえ、北朝鮮研究の先駆者の業績を文字を通してだけ見てきた私にとっては、この記録映画の映像はそれを裏付けるという意味からもとても興味深かった。今でこそ、インターネットを通してこうした映像を手軽に見られる時代になったのだが、70年代、「労働新聞」一つを読むにしても、その入手から始まり、相当に苦労したことであろう。「お手軽」に北朝鮮情報を入手し、あれこれ書き立てている新参者としては、先駆者に敬意を表したい。

    さて、初めに書いた「1970年代のように」というスローガンの目的とは何かという問いには、この記録映画を見ても決定的な答えは得られなかった。もう少し、動向を観察する必要がありそうだ。

    「日本人墓参訪問団が平壌市郊外にある日本人の墓を訪問した」(2012年10月1日 「朝鮮中央通信」)

    既に、日本のマスコミでも伝えられているが、日本人墓参団が日本人の墓を訪問したというニュースを「朝鮮中央通信」が伝えた。このニュースは「朝鮮中央通信」の配信のみであるが、朝鮮中央通信の動画URLへのリンク静止画が表示されない。はじめは、html作製上のエラーかと思っていたが、数日経てもそのまま放置されている。そうする理由もないと思うのだが、単にhtml制作者のミスなのであろうか。

    北朝鮮側からは、日本語ができる(上手ではあるが、完璧ではない。日本の報道によると北朝鮮外務省関係者らしい)人が出てきて、地図などを示しながら説明をしている。日本のマスコミも同行したようで、放送機材なども見られる。

    断片的ではあるが、北朝鮮側説明者の声が聞こえ、「避難民・・・平壌市人民委員会が・・」、「民間人はあまり近づかない場所」、「500体ほどが埋葬されている」、「当時の資料を見ると・・・4、5体ぐらいの遺骨が」、「顔が小さいのでやはり女の子」などと言っている。

    日本からの参加者を見ると、やはり高齢者が多い。北朝鮮で亡くなった方の親族をどのように選抜し、北朝鮮が招待したのであろうか。ネット上の日本のマスコミ報道もざっとチェックしたが、書かれていない。これ、案外重要なことで、それが朝鮮総連ルートなのか、赤十字ルートなのか、外交ルートなのかによって、その外交的な位置づけが全く異なってくる。だから、敢えて公開しないのかもしれないのだが。

    外交はさておき、このような交流が行われるということは、「人」という次元でとても良いことだと思う。冷徹な国際関係の裏には、常に「人」がいるということを忘れてはならないと思う。

    説明をする北朝鮮担当者
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    Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=1050804

    地図を見せながら説明をする
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    Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=1050804

    平壌も郊外はかなり田舎
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    Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=1050804

    墓標を立てる墓参者(「龍山墓地」と書かれているので、そういう地名なのだろう)
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    Source: KCNA, http://www.kcna.kp/userAction.do?action=videoindex&lang=kor&newsyear=2012&newsno=1050804

    「第1次飛行機による大連-金剛山国際観光団到着」(2012年10月3日 「労働新聞」)

    南北関係が良好なときに韓国(現代)と共同開発し、韓国人観光客も受け入れていた金剛山に中国の観光団がやってきた。

    大連富麗華国際旅行社有限公司の総経理を団長とする「飛行機による」第1次観光団が2日、平壌に到着した。「飛行機による」ということ断っているところからすると、陸上ルートあるいは海上ルートでの観光団は既に訪れているのであろうか。今回は、大連からの観光団ということであるが、高麗航空の大連-平壌間にチャーター便を飛ばしたのであろうか。それとも、北京あるいは瀋陽経由の定期便を使ったのであろうか。

    韓国発の金剛山観光は行きそびれてしまったので、中国発の金剛山観光には行ってみたい。通常の北朝鮮観光と同様の扱いであれば、「普通の」日本人にはビザを発行するはずである。ただ、案内員ドンムの関係で、中国人観光客とは分けられる可能性は十分にある。それにしても、いくらかかるのであろうか。大連富麗華国際旅行社有限公司は、日本語や韓国語のページがある(とはいえ、htmlが壊れており、きちんと表示されない)ので、日本語で問い合わせれば、返事が来るかもしれない。

    大連富麗華国際旅行社有限公司のHPを見たが、本件については書かれていないようである(中国語はよく分からないが)。また、「出境旅遊」(海外旅行)の「韓国/朝鮮」をクリックしても、それらしい情報は出てこない。

    大連富麗華国際旅行社有限公司HP:
    http://www.dlfits.com/

    中国金剛山観光団
    Source: 労働新聞、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-10-03-0025

    「主体の先軍太陽を千万年頂く熱火のような忠誠の情を噴出-偉大な領導者金正日大元帥様の銅像を朝鮮人民軍第10215軍部隊に高く頂いた」(2012年10月3日 「労働新聞」)

    金正日さんの銅像が、人民軍部隊に建立された。これまで、金日成・金正日セットの銅像は万寿台創作社前の騎馬像、万寿台の丘の立像が建設され、その後も二人セットのモザイク壁画は各地に作られてきた。しかし、金正日単独像は、公開された限りでは今回が初めてだ。これが建てられた朝鮮人民軍第10215部隊の由来についてはまだ調べていないが、金正日さんの現地指導回数が多かったのか、朝鮮戦争、あるいはその後の対南攻撃で何らかの功績があった部隊なのであろう。

    金正日単独像は、金正恩さんの指示で建てられたとのことであるが、民間人が容易に参拝できる場所ではなく、軍部隊内に敢えて建設したのは、どのような理由なのだろうか。「金正日=先軍=軍事力強化(核保有国化)」なのでまず軍部隊内ということなのだろうか。今後、金正日単独像が部隊外にも建設されるのかどうかということも含め注目しなければならない。

    金正日単独像
    Source: 労働新聞、http://www.rodong.rep.kp/InterKo/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2012-10-03-0001

    ちなみに、この除幕式にも金敬姫さんは出席していない。
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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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