「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が『朝鮮人民軍航空及び反航空軍飛行指揮官の戦闘飛行術競技大会-2014を指導された」:再塗装された政府専用機、ファーストレディ(李雪主)とレッドカーペットをさっそうと歩く、崔龍海「党人」としてダブルNo.2か、「党中央委員会責任幹部」として金ヨジョンも同行 (20140年5月10日 「労働新聞」)
昨日の「朝鮮中央TV」では報道されなかったが、『労働新聞』に金正恩が「戦闘飛行競技大会-2014」を指導したという記事が報道された。記事の詳細はまだ読んでいないが、写真を紹介しておく。
着陸する政府専用機

Source: kCTV, 2014/05/10放送
政府専用機からさっそうと降りる金正恩夫妻。前回使用した機種と同じように見えるが、機体のペイントが変更されている。また、タラップも三池淵で使われたのは異なるものを使用している。この「競技大会」は「西部地区作戦飛行場」で開催されたとされている。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
尾翼にあるのは国章ではない。新たにデザインされたマークだろうか。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
4月2日に三池淵空港に降り立った時の政府専用機

Source: KCTV, 2014/04/02放送
続けて金正恩夫妻は、レッドカーペットの上を歩きながら、閲兵をする。この政府専用機を使って、初の外国訪問をするための予行演習のようにも見える。行き先は北京の可能性が高いが、このところ消防車をプレゼントされるなど、ロシアとの交流が活発化しているので、意表を突いてモスクワを訪問する可能性もある。もちろん、北京の了解を得た上ではあろうが。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
今回の「指導」の同行者である。『労働新聞』では軍関係者と党関係者を分けた紹介の仕方をしている。これまでにもこうした紹介の形式を取ったことがあるのかは未確認だが、崔龍海の着座位置との関連で興味深い。『労働新聞』の紹介は下記のとおり。
「黄炳瑞同志、ピョン・インソン同志、ソ・ホンチャン同志、チョ・ギョンチョル同志、ユン・ドンヒョン同志、金ヨンチョル同志、呉グムチョル同志、朴チョンチョン同志、チャン・ドンウン同志が同行した。金己男同志、崔龍海同志、金ヨジョン同志をはじめとした党中央委員会責任幹部たち、朝鮮人民軍航空及び反航空軍の模範的な先頭飛行士たちが競技を共に見た」
軍人としては黄炳瑞が先頭に、党人としては金己男が先頭で紹介されているが、着座の様子を見ると金正恩夫妻を挟んで左が黄炳瑞、右が崔龍海となっている。この着座からは、どちらがナンバー2とも言い難い。もしかすると、張成沢が粛清されてナンバー2が1人になってしまい、ナンバー2同士の牽制関係が崩れてしまったので、崔龍海のポジションを平行移動させつつ、黄炳瑞を昇格させてナンバー2に並べたのかもしれない。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
また、金ヨジョンの紹介の仕方にも注目する必要がある。『労働新聞』に公開された写真には彼女は登場していないが、「金己男同志、崔龍海同志、金ヨジョン同志をはじめとした党中央委員会責任幹部」と最高人民会議の投票報道の時と同様に「党中央委員会責任幹部(イルクン)」と再び紹介されている。
「元帥様」の記念撮影の最中、軍幹部と雑談をする李雪主(左後ろ)。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
詳細は、『労働新聞』記事を通読するか、「朝鮮中央TV」の「録画報道」を見た後に追記することとする。
<追記>
「朝鮮中央TV」が追加の静止画も含めて「録画報道」を10日17時にした。同報道のアナウンスを聞く限りでは、上記以外に特記すべき内容はなさそうだ。しかし静止画では、『労働新聞』に掲載されなかった興味深いものが含まれている。
今回は、単なる「李雪主同志」の同伴以上に、西側(西側ではないが、習近平も含む)のファーストレディーを同伴した外遊を意識しているようである。特に最近では、日本の総理大臣が参照されているのかもしれない。動画が公開されていないので、李雪主の挙動はよく分からないが、「元帥様を高く頂く」一朝鮮人民というよりも、ファーストレディーが強調されているのかもしれない。もし、金正恩が李雪主同伴で外遊をすることになれば、自ずとファーストレディー同士の外交が展開される可能性もあるので、その「練習」なのかもしれない。
名誉儀仗兵の報告を受ける金正恩夫妻。これなら李雪主も海外で通用しそうだ。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
ラブラブな金正恩夫妻。この静止画の公開は、相当に意図的である。海外目でディアでは、モランボン楽団員と金正恩の「不倫説」が伝えられているが、北朝鮮国内でもこれに類する風評があるのだろうか。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
この静止画は、金正恩の超肥満を見せすぎているような気がする。北朝鮮では「恰幅がある」と評価されるのかもしれないが、このお腹は大きすぎである。また、李雪主のコートの襟の当たりが、朴槿恵のコートの襟と似ていると思うのは気のせいだろうか。単にこのスタイルが流行しているだけなのかもしれないが。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
「空軍飛行士大会」もそうだったが、「2014」と銘打っているものの、この大会は「空軍歴史で初めて」であり、金正恩は「空軍武力の強化・発展に常に深い関心を寄せておられる」という。空軍への力の入れようは、軍事的にどのような意味を持つのかは計り知れぬが、やはりお父さんやお爺さんとの差別化を意識しているのかもしれない。
ヘリコプター競技を観戦する金正恩

Source: kCTV, 2014/05/10放送
「朝鮮中央TV」の報道では、金ヨジョンが登場している。表彰式でメダルを金正恩に手渡す係りのようだ。過日の松島園少年団野営所の報道でもそうであったが、なんとも微妙な出し方である。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
帰路の政府専用機に搭乗する金正恩夫妻

Source: kCTV, 2014/05/10放送
<追記>
5月11日に「朝鮮中央TV」で放送された「朝鮮記録映画」から何枚かキャプチャーした映像を紹介しておく。
まず、金ヨジョンである。静止画による「録画報道」では、金正恩にメダルを手渡す係りとして登場していたが、「朝鮮記録映画」では、主席観覧席の末席に座っている。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
そして、授賞式の部分では手が写っているだけで、「録画報道」を見ていなければ誰だか分からない。手だけ写すというのも奇妙だが、このシーンはこのカットしかなかったのであろうか。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
同様に、李雪主の雑談も「記録映画」ではカットされている。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
「朝鮮記録映画」を見ていて分かったことは、金正恩の前に複数のモニターが並べられており、ホバリングしているヘリコプターなどから撮影していると思われる映像が映っている。下は、モニターを指さす金正恩。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
モニターの画像

Source: KCTV, 2014/05/11放送
攻撃目標を映しているモニター

Source: KCTV, 2014/05/11放送
朝鮮人民軍総参謀部副総参謀長オ・グンチョル航空軍上将も飛行機を操縦した。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
着陸する政府専用機

Source: kCTV, 2014/05/10放送
政府専用機からさっそうと降りる金正恩夫妻。前回使用した機種と同じように見えるが、機体のペイントが変更されている。また、タラップも三池淵で使われたのは異なるものを使用している。この「競技大会」は「西部地区作戦飛行場」で開催されたとされている。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
尾翼にあるのは国章ではない。新たにデザインされたマークだろうか。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
4月2日に三池淵空港に降り立った時の政府専用機

Source: KCTV, 2014/04/02放送
続けて金正恩夫妻は、レッドカーペットの上を歩きながら、閲兵をする。この政府専用機を使って、初の外国訪問をするための予行演習のようにも見える。行き先は北京の可能性が高いが、このところ消防車をプレゼントされるなど、ロシアとの交流が活発化しているので、意表を突いてモスクワを訪問する可能性もある。もちろん、北京の了解を得た上ではあろうが。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
今回の「指導」の同行者である。『労働新聞』では軍関係者と党関係者を分けた紹介の仕方をしている。これまでにもこうした紹介の形式を取ったことがあるのかは未確認だが、崔龍海の着座位置との関連で興味深い。『労働新聞』の紹介は下記のとおり。
「黄炳瑞同志、ピョン・インソン同志、ソ・ホンチャン同志、チョ・ギョンチョル同志、ユン・ドンヒョン同志、金ヨンチョル同志、呉グムチョル同志、朴チョンチョン同志、チャン・ドンウン同志が同行した。金己男同志、崔龍海同志、金ヨジョン同志をはじめとした党中央委員会責任幹部たち、朝鮮人民軍航空及び反航空軍の模範的な先頭飛行士たちが競技を共に見た」
軍人としては黄炳瑞が先頭に、党人としては金己男が先頭で紹介されているが、着座の様子を見ると金正恩夫妻を挟んで左が黄炳瑞、右が崔龍海となっている。この着座からは、どちらがナンバー2とも言い難い。もしかすると、張成沢が粛清されてナンバー2が1人になってしまい、ナンバー2同士の牽制関係が崩れてしまったので、崔龍海のポジションを平行移動させつつ、黄炳瑞を昇格させてナンバー2に並べたのかもしれない。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
また、金ヨジョンの紹介の仕方にも注目する必要がある。『労働新聞』に公開された写真には彼女は登場していないが、「金己男同志、崔龍海同志、金ヨジョン同志をはじめとした党中央委員会責任幹部」と最高人民会議の投票報道の時と同様に「党中央委員会責任幹部(イルクン)」と再び紹介されている。
「元帥様」の記念撮影の最中、軍幹部と雑談をする李雪主(左後ろ)。

Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서《조선인민군 항공 및 반항공군 비행지휘성원들의 전투비행술경기대회-2014》를 지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2014-05-10-0001&chAction=L
詳細は、『労働新聞』記事を通読するか、「朝鮮中央TV」の「録画報道」を見た後に追記することとする。
<追記>
「朝鮮中央TV」が追加の静止画も含めて「録画報道」を10日17時にした。同報道のアナウンスを聞く限りでは、上記以外に特記すべき内容はなさそうだ。しかし静止画では、『労働新聞』に掲載されなかった興味深いものが含まれている。
今回は、単なる「李雪主同志」の同伴以上に、西側(西側ではないが、習近平も含む)のファーストレディーを同伴した外遊を意識しているようである。特に最近では、日本の総理大臣が参照されているのかもしれない。動画が公開されていないので、李雪主の挙動はよく分からないが、「元帥様を高く頂く」一朝鮮人民というよりも、ファーストレディーが強調されているのかもしれない。もし、金正恩が李雪主同伴で外遊をすることになれば、自ずとファーストレディー同士の外交が展開される可能性もあるので、その「練習」なのかもしれない。
名誉儀仗兵の報告を受ける金正恩夫妻。これなら李雪主も海外で通用しそうだ。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
ラブラブな金正恩夫妻。この静止画の公開は、相当に意図的である。海外目でディアでは、モランボン楽団員と金正恩の「不倫説」が伝えられているが、北朝鮮国内でもこれに類する風評があるのだろうか。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
この静止画は、金正恩の超肥満を見せすぎているような気がする。北朝鮮では「恰幅がある」と評価されるのかもしれないが、このお腹は大きすぎである。また、李雪主のコートの襟の当たりが、朴槿恵のコートの襟と似ていると思うのは気のせいだろうか。単にこのスタイルが流行しているだけなのかもしれないが。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
「空軍飛行士大会」もそうだったが、「2014」と銘打っているものの、この大会は「空軍歴史で初めて」であり、金正恩は「空軍武力の強化・発展に常に深い関心を寄せておられる」という。空軍への力の入れようは、軍事的にどのような意味を持つのかは計り知れぬが、やはりお父さんやお爺さんとの差別化を意識しているのかもしれない。
ヘリコプター競技を観戦する金正恩

Source: kCTV, 2014/05/10放送
「朝鮮中央TV」の報道では、金ヨジョンが登場している。表彰式でメダルを金正恩に手渡す係りのようだ。過日の松島園少年団野営所の報道でもそうであったが、なんとも微妙な出し方である。

Source: kCTV, 2014/05/10放送
帰路の政府専用機に搭乗する金正恩夫妻

Source: kCTV, 2014/05/10放送
<追記>
5月11日に「朝鮮中央TV」で放送された「朝鮮記録映画」から何枚かキャプチャーした映像を紹介しておく。
まず、金ヨジョンである。静止画による「録画報道」では、金正恩にメダルを手渡す係りとして登場していたが、「朝鮮記録映画」では、主席観覧席の末席に座っている。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
そして、授賞式の部分では手が写っているだけで、「録画報道」を見ていなければ誰だか分からない。手だけ写すというのも奇妙だが、このシーンはこのカットしかなかったのであろうか。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
同様に、李雪主の雑談も「記録映画」ではカットされている。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
「朝鮮記録映画」を見ていて分かったことは、金正恩の前に複数のモニターが並べられており、ホバリングしているヘリコプターなどから撮影していると思われる映像が映っている。下は、モニターを指さす金正恩。

Source: KCTV, 2014/05/11放送
モニターの画像

Source: KCTV, 2014/05/11放送
攻撃目標を映しているモニター

Source: KCTV, 2014/05/11放送
朝鮮人民軍総参謀部副総参謀長オ・グンチョル航空軍上将も飛行機を操縦した。

Source: KCTV, 2014/05/11放送