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    「朴ジョンチョン秘書、鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練指導」:「元帥様」以外が「指導」、初めての鉄道からのミサイル発射、日本のEEZ内を意図的に「標的」としたのか、「内燃機関車」、「元帥様」は「党秘書」に権限を一部委譲か、『20時報道』で動画発射シーン、鉄道発射北朝鮮では合理的とミサイル学者 (2021年9月16日 「労働新聞」)

    久しぶりにかなり派手なミサイル発射映像を公開した。貨車に格納されたミサイル2発が次々と発射されている。ただ、電動車両が走る線路なので、ミサイルを発射するために電線が上向きに移動されているように見える。もちろん、実戦の際には、電気を切断した上で、電線を切って発射することになるのであろう。

    オランダ国防大のミサイル学者と鉄道発射型のミサイルについてメールで情報交換をしたが、北朝鮮のように舗装路が少ない一方で日帝の残滓の線路が網の目のように張り巡らされている国では、鉄道からのミサイル発射は、ミサイルに与える振動を最小限にしながら運搬できるなど、極めて合理的であると評していた。かつてのソ連や米国でも鉄道発射型ミサイルを準備したり、配備したりした実績があるそうだ。

    今後は、さらに大型の鉄道ミサイル発射車両登場するのかも知れない。


    Source: KCTV, 2021/09/16

    16日、『労働新聞』などが15日に発射したミサイルについて報道。

    「元帥様」はまたもや「指導」しておらず。朴ジョンチョン「秘書」が指導と報道のタイトルに出している。13日の巡航ミサイル報道では、朴ジョンチョンはタイトルに出ず、しかも「指導」ではなく、「参観」だった。軍事部門の活動で「元帥様」以外が「指導」をするのは極めて異例だし、朴ジョンチョンを主語にしたタイトルも極めて異例。経済部門の活動では、「金ドクフン内閣総理、人民経済各部門の事業を現地確認」はあった。朴ジョンチョン、「常務委員」就任後、軍事部門における実態としての格を急上昇させているのか。

    さらに、「鉄道機動ミサイル」の発射は、金正恩時代では初めて。今回も「朝鮮中央TV」の報道は、巡航ミサイルの時と同じように『労働新聞』の写真を使っただけのシンプルなものになるのかも知れないが、こればかりは初めてとなるので、動画で詳細を報道して欲しい。

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    Source: 『労働新聞』、2021/09/16

    記事訳出は追って。

    <追記>
    「鉄道機動連隊」が初めてなのは当然で、「党第8回大会」の決定を受けて「組織した」としている。今回の訓練は「不意」に行われたもので、その手順などを確認したとある。そして、今後は「旅団」規模へ拡大していくともしている。

    参観者の中に、「軍需工業部幹部」もいるので、「常務委員会候補委員」となったユ・ジンなども「参観」していた可能性がある。彼らは「参観」、朴ジョンチョンは「指導」とある。

    さらに、これ程重大で、初めて行われる「検閲訓練」にもかかわらず、「元帥様」の「直接の指導」がなく、巡航ミサイル発射の時とは異なり、「党中央」に報告したという記述すらない。形式的には「元帥様」はこの訓練には全く係わっていないことになるのだが、このような重要な訓練に「元帥様」の関与がないのも極めて異例である。朴ジョンチョンの軍事部門における権威を高めるためなのか、軍事部門の権限の一定部分を「秘書」に委譲したのかは今のところ分からないが、チョ・ヨンウォン「組織秘書」が「労農赤衛軍」の「閲兵報告」を「元帥様」にしたことなどから、「秘書」を前面に出すことで「党の軍隊」カラーをより鮮明にする目的があるのかもしれない。

    ミサイルは、「800km飛行」とあるだけで、高度や飛行パターンなどの諸元については明らかにされていない。「正確に打撃」としているので、それが事実であるならば、「標的」は意図的に日本のEEZ内に設定されたということになる。これまでの短距離ミサイル発射でも、残骸が日本のEEZ内に落下することはあったが、「標的」をEEZ内に設定した上で「正確に打撃」しているのも今回が初めてのことだと思う。

    昨日だったか、自民党総裁選で候補者がことごとく中国をネタに使っていると中国外交部が非難したという報道があったが、北朝鮮もSFのような電磁パルス兵器での敵基地攻撃を言い出す候補や、突然、ブルーリボン・バッジを着用し出す候補がいたり、相手に会う気もないのに米国に追従しながら「元帥様」と「無条件会う」と気勢を上げる候補がいて、完全に総裁選挙のネタに使われている。誰も彼も、出来もしない元気の良いことばかり言いながら、北朝鮮を国内政治のネタに使っており、誰が総裁になっても、実効性がある拉致被害者問題解決への取り組みなど出来ないのだろうと、今から予想される。本気で解決するつもりがあるのなら、どのみち国会も開いていないのだから、派閥の領袖に媚びを売っていないで、横田さんが拉致された現場に足を運ぶぐらいしたら良いと思う。

    と、話がそれたが、北朝鮮もそんなことは十分に意識しているはずで、日本のEEZ内に敢えて「標的」を設置した可能性はある。

    鉄道移動など、電気を止められたら終わりだと直ぐに思ったが、そこはさすがにパンタグラフがない「内燃機関車」を使っていることが公開された写真から分かる。しかし、実戦運用するためには、ミサイルもそうだが、運搬手段としての性能が良い「内燃機関車」を開発する必要もあろう。

    ***********************
    朴ジョンチョン秘書、鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練指導
    박정천비서 철도기동미싸일련대의 검열사격훈련 지도

    朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員であり、党中央委員会秘書である朴ジョンチョン同志が、鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練を指導した。
    조선로동당 중앙위원회 정치국 상무위원회 위원이며 당중앙위원회 비서인 박정천동지가 철도기동미싸일련대의 검열사격훈련을 지도하였다.

    朝鮮労働党中央委員会政治局指導部と軍需工業部幹部、朝鮮人民軍総参謀部と国防科学研究部門の指導幹部が鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練を参観した。
    조선로동당 중앙위원회 군정지도부와 군수공업부 일군들, 조선인민군 총참모부와 국방과학연구부문의 지도간부들이 철도기동미싸일련대의 검열사격훈련을 참관하였다.

    党第8回大会は、新たな国防戦略樹立の一環として、必要な軍事作戦状況の時、脅威となる勢力に対する同時多発的な集中打撃能力を高め、脅威により積極的に対処できる対応能力を強力に向上させるために、鉄道機動ミサイル連隊を組織した。
    당 제8차대회는 새로운 국방전략수립의 일환으로 필요한 군사작전상황시 위협세력에 대한 동시다발적인 집중타격능력을 높이며 각종 위협들에 보다 적극적으로 대처할수 있는 대응능력을 강력히 향상시키기 위하여 철도기동미싸일련대를 조직하였다.

    検閲射撃訓練は、初めて実戦導入された鉄道機動ミサイルシステムの実用性を確証し、新たに組織された連隊の戦闘準備態勢と火力任務遂行能力を不意に評価し、実戦行動順序に熟達させる目的の下で行われた。
    검열사격훈련은 처음으로 실전도입된 철도기동미싸일체계의 실용성을 확증하고 새로 조직된 련대의 전투준비태세와 화력임무수행능력을 불의적으로 평가하며 실전행동절차를 숙달할 목적밑에 진행되였다.

    鉄道機動ミサイル連隊は、9月15日早朝、中部山岳地帯へと機動し、800km地点の標的機地域を打撃することに関する任務を受け、訓練に参加した。
    철도기동미싸일련대는 9월 15일 새벽 중부산악지대로 기동하여 800km계선의 표적지역을 타격할데 대한 임무를 받고 훈련에 참가하였다.

    鉄道機動ミサイル連隊は、鉄道機動ミサイルシステム運営規範と行動順序に従い、迅速機動及び展開を終え、受けた訓練任務に従い、800km水域に設定された標的を正確に打撃した。
    철도기동미싸일련대는 철도기동미싸일체계운영규범과 행동순차에 따라 신속기동 및 전개를 끝내고 받은 화력임무에 따라 조선동해상 800km 수역에 설정된 표적을 정확히 타격하였다.

    朴ジョンチョン同志は、鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練が党の軍事戦略、戦術的構想と企図に合うよう、成功裡に行われたことについて評価した。
    박정천동지는 철도기동미싸일련대의 검열사격훈련이 우리 당의 군사전략전술적구상과 기도에 맞게 성과적으로 진행된데 대하여 평가하였다.

    朴ジョンチョン同志は、鉄道機動ミサイルシステムは、全国各地における分散的な火力任務遂行により、脅威となる勢力に甚大な打撃を与えられる効果的な対応打撃手段になるとしながら、軍隊と当該部門では、我が国の地形条件と実情に合うよう、このシステムを正しく利用するための戦法方案を不断に完成させていくことについて強調した。
    박정천동지는 철도기동미싸일체계는 전국각지에서 분산적인 화력임무수행으로 동시다발적으로 위협세력에게 심대한 타격을 가할수 있는 효과적인 대응타격수단으로 된다고 하면서 군대와 해당 부문에서는 우리 나라의 지형조건과 실정에 맞게 이 체계를 옳게 리용하기 위한 전법방안들을 부단히 완성해나갈데 대하여 강조하였다.

    彼は今後、早い期間内に鉄道機動ミサイル連隊の実戦運営経験を積み、鉄道機動ミサイル旅団へと拡大改編することに関する問題も具体的に協議した。
    그는 앞으로 빠른 기간안에 철도기동미싸일련대의 실전운영경험을 쌓고 철도기동미싸일려단으로 확대개편할데 대한 문제도 구체적으로 협의하였다.

    朴ジョンチョン同志は、我が党第8回大会が提示した軍隊現代化路線と方針に従い、鉄道機動ミサイルシステムを実戦導入したことは、国の戦争抑止力強化において非常に大きな意義を持つと高く評価した。
    박정천동지는 우리 당 제8차대회가 제시한 군대현대화로선과 방침에 따라 철도기동미싸일체계를 실전도입한것은 나라의 전쟁억제력강화에서 매우 커다란 의의를 가진다고 높이 평가하였다.

    【조선중앙통신】
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    共和国はミサイルの事を「ロケット」と表現していましたが、最近は「ミサイル」という様になりましたね。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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