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    「国務委員会演奏団公演を見て-各界の反応」:大成功した「音楽政治」 (2021年6月25日 「朝鮮中央TV」)

    25日、「朝鮮中央TV」で「国務委員会演奏団公演を見て-各界の反応」という番組が同公演の「録画実況」の前に放送された。

    25日の『労働新聞』1面トップには「6月の音楽砲声は、革命の血、愛国の血をグツグツと煮えたぎらせる-敬愛する総秘書同志をお招きして開催した国務委員会演奏団の公演を見た各階層人民の大きな激情 (6월의 음악포성은 혁명의 피, 애국의 피 더욱 펄펄 끓인다 경애하는 총비서동지를 모시고 진행한 국무위원회연주단의 공연을 본 각계층 인민들의 크나큰 격정」と題する記事が掲載された。

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    Source: KCTV, 2021/06/25

    『労働新聞』1面トップに「各界の反応」を掲載することは異例(通常は2面)であり、この公演、というよりも公演の放送とそれに続く「編集物(画面音楽)」にどれほど力を入れていたのかを示している。

    25日に「朝鮮中央TV」で放送されたこの「公演」を見た人民インタビューを聞いていると、過日の記事に書いた「新しい」ということがキーワードとなっていることがわかる。ちょっと自慢をするならば、「公演」の狙いを一応、見抜くことができたということになろうが、普通に「朝鮮中央TV」を見ながら音楽などを聞いていれば、朝鮮人民同様、その「新鮮さ」を感じられることはある意味当然でもある。

    コメントへの返信に書いておいたが、過去の楽団となった「モランボン(電子)楽団」は、「元帥様」が登場したときに、衝撃的な演奏や歌を数多く発表し、意図したかしなかったかは別とし、国内のみではなく、海外でも大きな旋風を巻き起こした。その意味では、「モランボン楽団」を使った「元帥様」の「音楽政治」は大成功だったと言っても良い。

    その「モランボン楽団」の活動が停滞し始めた頃、例によって「粛正」云々のデマが流されたが、振り返れば、あの時点で「モランボン楽団」の「音楽政治」上での役割は終わったのであろう。西側でも、音楽というのは、時代と共にヒット曲や歌手が現れては消えていくのだから、北朝鮮でそれがあっても不思議な話ではない。もちろん、長く歌い継がれる曲もあるわけで、「モランボン楽団」公演がなくなった今でも、彼女らの歌が「画面音楽」としてずっと流されている。

    その後、しばらく音楽芸術の停滞期があり、ここで「国務委員会演奏団公演」という形で、「新しい」境地を開いたということは、過去記事に書いたとおりである。「国務委員会演奏団」は、「第8回党大会記念閲兵式」あたりから目立ち始めていたが、このような形で「花咲く」とは思っていなかった。今後、「モランボン楽団」のように連発で新曲を出していくのか、この2曲だけで止まってしまうのかに注目したい。

    「国務委員会演奏団公演」を敢えて公演翌日の『労働新聞』報道では静止画写真も公開せず、地味な扱いにしておき、6月25日を前に大々的にテレビ放送をするという「音楽政治」戦略も成功したと思う。同公演の中に「軍歌連曲」や「党8回大会記念閲兵式」の楽曲が組まれていたことも、それを意識していたからであろう。

    この「音楽政治」をセッティングしたのは誰なのだろうか。「(第1)副部長同志」とヒョン・ソンウォルのコラボレートではないかと思っている。


    Source: KCTV, 2021/06/25

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    非公開コメント

    素晴らしい「戦略」

    どうも、こんばんは。

    「労働新聞」に楽譜が出ていたので「画面音楽」も放送するのだろうなぁとは思っていましたが、あそこまでやるとは本当に驚きました。これまでの「画面音楽」とは異なり、歌手・演奏家たちにスポットが当てられるという点は朝鮮人民も海外にいる我々もそれぞれ「新しさ」を感じたことでしょう。今回は女性歌手がメインだったので、次は男性歌手がメインの「画面音楽」を作ってくれたら良いなと思います。

    あと個人的に「三池淵管弦楽団」と「功勲国家合唱団」の扱いがこれからどうなるのか気になっています。特に「功勲国家合唱団」は去年の「党創建75周年記念公演」の時から今年にかけて歌手が軍服ではなくタキシードを着て公演にずっと登場しているので、そう遠くないうちに「功勲国家…」に対して手が加えられるような気がしています。

    ともかく「国務委員会演奏団」の活躍、楽しみです。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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