「敬愛する最高領導者金正恩同志が、朝鮮民主主義人民共和国標準時間を再び制定することについて提起された」:5月5日から元に戻す、分断と対決の鐘の音が統一と平和の鐘の音へ (2018年4月30日 「労働新聞」)
30日、『労働新聞』紙面pdf1面トップに以下。
***************
・・・金正恩同志が、朝鮮民主主義人民共和国標準時間を再び制定することについて提起された。
敬愛する最高領導者同志は、歴史的な第3回北南首脳対面と会談のために南側地域を訪問されながら、文在寅大統領と北と南の標準時間を統一する問題を論議された。
敬愛する最高領導者同志は、北南首脳会談場所に平壌時間とソウル時間を示す時計がそれぞれかかっていたのを見ると、とても胸が痛んだと言われながら、北と南が時間~まず統一しようと言及された。
敬愛する最高領導者同志は、北と南が一つになるのは、どんな抽象的な意味でもなく、まさにこのようにお互い異なり、分けられていることを一つに合致させ、お互いに合わせて行く過程であると言われながら、民族の和解団合の初の実現措置として、現在朝鮮半島に存在する2つの時間を統一することからして行く決心を述べられた。
敬愛する最高領導者同志が、国内の当該部門で、これに対して検討承認することについて提起されたことにより、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、政令「平壌時間を直すことについて」を採択した。
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会
政令
第2232号 主体107(2018)年4月30日
平壌時間を直すことについて
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、北と南の時間を統一させるために、次のように決定する。
1.平壌時間を東経135度を基準子午線とする9経帯時(現在の時間より30分進んだ時間)に直す。
2.平壌時間は、主体107(2018)年5月5日から適用する。
3.朝鮮民主主義人民共和国内閣と当該機関は、この決定を執行するための実務的対策を立てる。
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会
平壌
Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、 2018/04/30
*********************
昨日午後、青瓦台がブリーフィングで発表し、即座に記事にしたことが、既に同時進行的に北朝鮮で進められていた。こんなに速く決定されるとは思わなかった。会談会場にソウル時間と平壌時間を示す2つの時計を掛けておいたことさえ、北と南の実務者協議で打ち合わせられており、このような後続措置を取ることも約束済みだったのではないかと疑ってしまうほどである。
国際金融市場と直結している韓国が時間を修正するのは容易なことではない。莫大なコストもかかるし、北朝鮮のように1週間足らずの時間内にその準備をすることなど到底不可能である。一方、事実上、国際金融市場と断絶された北朝鮮では、「平壌時間」制定がそうであったように、時間調整はさほど難しいことではなかろう。手間がかかると言えば、北朝鮮でも普及して来ているPCの時間調整ぐらいであろうが、個人所有台数はそれほど多くないので、主として企業所や学校に設置されているPCだけなので、それぞれの「単位」が調整をすればよい。また、スマホや携帯は、サーバー側で時刻調整をしてしまえば、自動的に同期するはずなので、手間はかからない(ネットワークは1つなのだし)。
こうしたことからすれば、北南首脳会談後の「統一」イベントとして、平壌時間とソウル時間を「統一」させるのは、北南の人々のみならず、世界的なニュースとなり得る。そのインパクトたるや、北朝鮮で時間を再調整するコストと比べれば、絶大な効果がある。
青瓦台がこの決定を会談中や会談直後のブリーフィングで発表せず、29日まで引っ張ったのも、北南関係改善の余韻にもう一つの大きな石を投げて、「重層的な」(どこかの国の首相も使った言葉で使いたくはないのだが)効果を狙ったものであろう。
昨日の記事に書いた時間変更の理由だが、やはり「元帥様」の「胸の痛み」だった。まだ、『労働新聞』のページをめくっていないが、1面を見る限りでは、「日帝」に関する記述はない。この部分は、何も言わずにスルーしてしまう可能性がある。
今後、「平壌時間」と「ソウル時間」という呼称も、統一的な呼称に変える可能性もある。「朝鮮」も「韓国」も使えないし、北朝鮮側はKoreaという英語を使うのを好まないだろうからどうするのか。あるいは、北朝鮮側の大幅な譲歩で「コリア時間」という統一呼称を設定するのかも知れない。
5月5日までにはまだ数日あるので、その間に「平壌時間を直すこと」に関する記事や番組が出てくる可能性はある。また、2015年8月の「平壌時間」制定時がそうであったように、「朝鮮中央TV」で歴史的な2回目の「時間直し」を放送することであろう。思い出せば、2015年に「平壌時間」が制定されたときに、「朝鮮中央TV」で流された鐘の音は分断と対決の鐘の音であった。5月5日0時に流されるであろう鐘の音は統一と平和の鐘の音となろう。
最近、『聯合ニュースTV』を見過ぎているからかもしれないが、北南のメディアでこんなことを言いそうな気がしている。
<追記: 2018/04/30 0816>
会談場には、こんな時計が掛かっていた。左がソウル時間、右が平壌時間。「元帥様」の「心を痛め」させた歴史的時計。
Source: 『聯合ニュース』、「北 "남북 시간통일 위해 평양시간 5월5일부터 고칠 것"(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2018/04/30/0505000000AKR20180430008651014.HTML?template=2085
***************
・・・金正恩同志が、朝鮮民主主義人民共和国標準時間を再び制定することについて提起された。
敬愛する最高領導者同志は、歴史的な第3回北南首脳対面と会談のために南側地域を訪問されながら、文在寅大統領と北と南の標準時間を統一する問題を論議された。
敬愛する最高領導者同志は、北南首脳会談場所に平壌時間とソウル時間を示す時計がそれぞれかかっていたのを見ると、とても胸が痛んだと言われながら、北と南が時間~まず統一しようと言及された。
敬愛する最高領導者同志は、北と南が一つになるのは、どんな抽象的な意味でもなく、まさにこのようにお互い異なり、分けられていることを一つに合致させ、お互いに合わせて行く過程であると言われながら、民族の和解団合の初の実現措置として、現在朝鮮半島に存在する2つの時間を統一することからして行く決心を述べられた。
敬愛する最高領導者同志が、国内の当該部門で、これに対して検討承認することについて提起されたことにより、朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、政令「平壌時間を直すことについて」を採択した。
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会
政令
第2232号 主体107(2018)年4月30日
平壌時間を直すことについて
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会は、北と南の時間を統一させるために、次のように決定する。
1.平壌時間を東経135度を基準子午線とする9経帯時(現在の時間より30分進んだ時間)に直す。
2.平壌時間は、主体107(2018)年5月5日から適用する。
3.朝鮮民主主義人民共和国内閣と当該機関は、この決定を執行するための実務的対策を立てる。
朝鮮民主主義人民共和国最高人民会議常任委員会
平壌
Source: 『労働新聞』紙面pdf版1面、 2018/04/30
*********************
昨日午後、青瓦台がブリーフィングで発表し、即座に記事にしたことが、既に同時進行的に北朝鮮で進められていた。こんなに速く決定されるとは思わなかった。会談会場にソウル時間と平壌時間を示す2つの時計を掛けておいたことさえ、北と南の実務者協議で打ち合わせられており、このような後続措置を取ることも約束済みだったのではないかと疑ってしまうほどである。
国際金融市場と直結している韓国が時間を修正するのは容易なことではない。莫大なコストもかかるし、北朝鮮のように1週間足らずの時間内にその準備をすることなど到底不可能である。一方、事実上、国際金融市場と断絶された北朝鮮では、「平壌時間」制定がそうであったように、時間調整はさほど難しいことではなかろう。手間がかかると言えば、北朝鮮でも普及して来ているPCの時間調整ぐらいであろうが、個人所有台数はそれほど多くないので、主として企業所や学校に設置されているPCだけなので、それぞれの「単位」が調整をすればよい。また、スマホや携帯は、サーバー側で時刻調整をしてしまえば、自動的に同期するはずなので、手間はかからない(ネットワークは1つなのだし)。
こうしたことからすれば、北南首脳会談後の「統一」イベントとして、平壌時間とソウル時間を「統一」させるのは、北南の人々のみならず、世界的なニュースとなり得る。そのインパクトたるや、北朝鮮で時間を再調整するコストと比べれば、絶大な効果がある。
青瓦台がこの決定を会談中や会談直後のブリーフィングで発表せず、29日まで引っ張ったのも、北南関係改善の余韻にもう一つの大きな石を投げて、「重層的な」(どこかの国の首相も使った言葉で使いたくはないのだが)効果を狙ったものであろう。
昨日の記事に書いた時間変更の理由だが、やはり「元帥様」の「胸の痛み」だった。まだ、『労働新聞』のページをめくっていないが、1面を見る限りでは、「日帝」に関する記述はない。この部分は、何も言わずにスルーしてしまう可能性がある。
今後、「平壌時間」と「ソウル時間」という呼称も、統一的な呼称に変える可能性もある。「朝鮮」も「韓国」も使えないし、北朝鮮側はKoreaという英語を使うのを好まないだろうからどうするのか。あるいは、北朝鮮側の大幅な譲歩で「コリア時間」という統一呼称を設定するのかも知れない。
5月5日までにはまだ数日あるので、その間に「平壌時間を直すこと」に関する記事や番組が出てくる可能性はある。また、2015年8月の「平壌時間」制定時がそうであったように、「朝鮮中央TV」で歴史的な2回目の「時間直し」を放送することであろう。思い出せば、2015年に「平壌時間」が制定されたときに、「朝鮮中央TV」で流された鐘の音は分断と対決の鐘の音であった。5月5日0時に流されるであろう鐘の音は統一と平和の鐘の音となろう。
最近、『聯合ニュースTV』を見過ぎているからかもしれないが、北南のメディアでこんなことを言いそうな気がしている。
<追記: 2018/04/30 0816>
会談場には、こんな時計が掛かっていた。左がソウル時間、右が平壌時間。「元帥様」の「心を痛め」させた歴史的時計。
Source: 『聯合ニュース』、「北 "남북 시간통일 위해 평양시간 5월5일부터 고칠 것"(종합)」、http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2018/04/30/0505000000AKR20180430008651014.HTML?template=2085